探偵の仕事でキツイ・つらい事8選|現役探偵が解説
探偵の仕事は多くの方がイメージしているよりもかなりきついです。
今回はそんな探偵の仕事をしていてきついと感じたことを現役探偵が解説しつつ、逆にきついと思っても探偵をやっていて良かったと感じたことも紹介していきます。
探偵の仕事でキツイ・つらいと感じた事8選
心身ともにつらい長時間の張り込み
張り込みは地味な仕事で、調査対象者に見つからないように行動をずっと見張っていなければなりません。
特に依頼者が予算の関係で探偵の人数を抑えている場合は交代要員が出せないということもあり、どうしても長時間張り込むことになってしまいます。
その間はトイレにも行けません。他のスタッフとペアで行動できれば交代でトイレに行けますが、近くにトイレがない場合はかなり大変です。
トイレ対策として飲み物を極力減らすなどの工夫をするほか、食事は車の中でパンやおにぎりだけということもあります。
身体的なつらさだけでなく、そこまでしても決定的な証拠が押さえられないときはプレッシャーもあり、精神的にもつらいと感じる探偵が多くいます。
気づかれないように尾行するのは精神的にきつい
尾行と言うと変装して、物陰に隠れながらこっそり追いかけるというイメージがあるかも知れません。しかし、現実はかなり大変な仕事です。
相手に気づかれないように行動すると、周囲の人には「変な人」「怪しい人」に見えてしまいます。その結果、不審者として通報される可能性もあるからです。
警察が来るとそれだけで騒ぎになり、調査対象者にバレる危険性があるほか、警察に事情説明をする間に調査対象者を見失ってしまうこともあります。
調査に大きな影響を与えるため、相手にも周囲にも気づかれないように尾行するのは高度なテクニックを要します。
特に探偵になったばかりの初心者は、尾行がうまくできずに落ち込むことが多くあります。
昔より情報収集にかかる手間が多い
「個人情報保護法」が制定されてからというもの、個人の情報を集めることはかなり困難になりました。
浮気相手の特定や調査対象者の所在情報などを調べる場合でも、公的な機関や企業に問い合わせた所でまず答えてもらえません。
個人に聞き込みをする場合も同様で、昔より近所付き合い等が減っているのもあり、情報を聞き出せない事も多いです。
最近はSNSを元に情報収集することもありますが、投稿に対するコメントのやりとりなどをチェックしたり、画像に写る背景から場所を特定したりといった細かい点を見逃さない注意力や集中力、さらには勘を働かせるなど多くのスキルが求められます。
また、職場の人に自分の投稿を知られたくない場合などではSNSのアカウント名を本名ではなくニックネームや偽名にしているケースが多いため、情報の信憑性を確かめる必要があります。
そこから人物や場所を特定し、証拠を押さえるまでには相当な手間がかかります。
労働時間が不規則で、思うように休みが取れない
張り込みや尾行は長時間に及びます。どれだけの時間がかかるのか予測できないので、労働時間は早朝から深夜まで不規則になります。
また、案件によっては不倫旅行先まで追いかけるなど数日間拘束されることもあるため、予定が立てられません。
思うように休みが取れない、恋人や家族との時間が取れないといった点が悩みの種であり、探偵の大変さでもあります。
失敗が許されないプレッシャー
依頼を受けた以上、結果を出さなければなりません。
「証拠が見つからなかった」「探している人を見つけられなかった」といった失敗が許されないため、探偵は常にプレッシャーと闘っています。
また、寒い中での張り込みでは、「ようやく決定的な写真が撮れる」という瞬間がやってきても寒さで手がかじかんでうまくカメラを操作できなかったということもあります。
特に不慣れな探偵はそういったミスが発生しがちで、常に緊張感を持って調査しなければなりません。
体力勝負なので年々仕事がきつく感じる
探偵の仕事は体力を要します。例えば調査対象者を追いかけて走る、夜間や暑い・寒いといった環境での張り込みは体力が必要で、何歳まで勤められるのか不安を感じる人が多いです。
マスクをする人が増えたので証拠を押さえるのが大変
新型コロナウイルス感染症対策としてマスクをする人が増えたため、顔を判別することが困難になっています。
例えば撮影した写真を証拠として出しても、顔がはっきり写ってないのをいい事に「自分ではない」と言い逃れされるケースもあります。
「探偵の証拠集め」はいかにはっきりした写真を撮るかが重要なので、コロナ渦以前と比較して明らかに調査が大変になっています。
人間関係の修羅場を見るのはかなりつらい
決定的な証拠を押さえて依頼主に調査報告をしても、現実を知った依頼主が泣く、怒る、暴れるといったことがよく起こります。
知りたいと言うから調べたのに逆切れされることもあるので、理不尽さを感じます。
また、配偶者の浮気、二股や三股の不倫、遺産相続で隠し子が発覚したなど信じられない事実が判明し、人間関係の修羅場を見ることもたびたびです。
ドラマや小説以上にドロドロした現実に人間不信になることがあり、そんなときは「調べなきゃよかったな」と思うことも少なくありません。
逆に探偵の仕事をやっていて良いと感じた事
依頼主に感謝されたとき
何よりも嬉しいのは、「相談してよかった」「気持ちがスッキリした」と感謝されるときです。
調査結果は決していいものばかりではなく、ときには厳しい現実を伝えることもありますが、それでも気持ちに踏ん切りがついたとか、悩みの解決につながったと言われたときは苦労が報われて嬉しくなります。
探偵のスキルが上がったとき
探偵の調査は正解がありません。些細な情報から手がかりを掴んで、地道な調査を行います。
そのため、粘り強く調べた結果、事実が判明したときや決定的瞬間をバッチリ撮影できたときは「ヤッター」と叫びたくなります。
また、浮気相手の特定や不倫場所の調査などでSNSを見ることがあります。例えば投稿内容やフォロワーのコメントなどを調べるのですが、それらを丹念に辿っていって人物や場所を特定するのはクイズを解くようでおもしろいです。
このように探偵としての調査スキルが上がったと実感できるときが、やってよかったと感じる瞬間です。
チームワークで調査が成功したとき
探偵の調査は一人でできるものではありません。
多くの場合はチームを組んで取り組むので、チーム内の連携が大切になります。
お互いが保有している情報や自分の見立てなどを共有することで調査がスムーズに進んだときのやりがいや達成感は大きいです。
これはサラリーマンにはない探偵の醍醐味だと言えるでしょう。
毎日変化があり、非日常を楽しめる事
探偵の仕事は大変ですが、これほど変化に富んだ職業はないと言えるでしょう。
他の職業ではできない体験をし、専門的な知識や技術を得ることができます。
また、不倫や婚約破棄などの案件調査では信じていた人が裏切る場面を見ることになりますし、相続など金銭が絡む案件では家族間で争い合う様子を目の当たりにします。
自分の人生では起こり得ないような場面に遭遇して、人としての生き方を考えることが多くあります。
このように得がたい体験を出来るのは、探偵という仕事の魅力の一つでしょう。
仕事がきつくても探偵になりたい人へ
ここまでご説明したように探偵はキツい面もありますが、人に喜ばれる仕事であり、成果が出たときは難問を解いたような達成感が得られます。
そこで、探偵になりたい人のために、持っていると便利な資格やスキルをご紹介します。
探偵になるのにあると便利な資格を紹介
探偵になるには特に資格は必要ありません。しかし、次の資格を持っていると有利です。
資格 | 内容 |
---|---|
運転免許証 | 張り込みや尾行の際に車を使うので普通自動車の運転免許証は必要 |
一級探偵調査士検定 | ・日本探偵業協会が実施している検定 ・聞き込みや尾行、張り込み、撮影などの技術が一定レベル以上であり、関係法令の知識があると認めるもの |
探偵業務管理者検定 | ・日本探偵業協会が実施している検定 ・法令や規則に関する正しい知識があると認めるもので、主に事業者や管理職向け |
法律系の士業の資格 | ・弁護士や行政書士、司法書士などの資格は戸籍の取得が可能 ・裁判に関する業務ができる |
資格を取得するよりもとにかく探偵になりたい場合、まずは運転免許証を取得し実際に探偵として働きながら必要な資格を取っていくという方法もあります。
資格だけでなく、撮影技術なども磨いていくといいでしょう。
探偵として働く際にあると良いスキル
探偵に必要なスキルとしては、次の5つがあげられます。
- 体力
- 写真・動画の撮影技術
- 洞察力
- 粘り強さ
- コミュニケーション力
体力
探偵の仕事は何と言っても体力勝負です。張り込みが早朝や深夜になると睡眠時間が十分に取れませんし、暑い日、寒い日は特に体力を消耗します。
尾行では走ったり階段をかけ上がったりすることもたびたびです。そういった任務をこなすために、体力が必要になります。
写真・動画の撮影技術
探偵には、証拠となる写真や動画を撮影する技術が求められます。
最近の機器は性能がUPしたとは言え、撮影のアングルや、逆光にならないように位置取りに気をつけるなど、さまざまな技術を駆使しなければなりません。
経験も重要ですが、自分から研究する姿勢が大切です。
洞察力
調査対象者のささいな動きや周辺の様子、SNSの書き込みなどから真実を探る洞察力も欠かせない能力だと言えるでしょう。
洞察力は経験で培われる部分もありますが、普段から物事を注意深く観察することが大切です。
粘り強さ
探偵の仕事は地味な調査を積み重ねていきます。
何時間も張り込みをしても何も得られないことがありますが、あきらめずに調査する粘り強さが必要です。
コミュニケーション力
探偵の聞き込みでは、うまく情報を聞き出すコミュニケーション力も重要なスキルです。
この場合のコミュニケーション力とは営業的な話術ではなく、すぐに親しくなる、怪しまれずに会話をするといったスキルのことで探偵の仕事に役立ちます。
チームの連携にもコミュニケーションは必要なので、日ごろから意識して磨いていくといいでしょう。
探偵の仕事はキツイ・つらいまとめ
探偵の仕事は地味で根気が必要です。
長時間の張り込みや尾行、丹念な調査などはキツく、つらいと感じるものです。
また、せっかく調べた結果を報告しても、泣いたり、暴れたりされることもあり、理不尽さを感じることは一度や二度ではありません。
しかし、依頼者に感謝され、役に立ったと実感できるときは、それまでの苦労が吹き飛ぶほど嬉しいものです。
難しいクイズやパズルを解くような達成感もあり、サラリーマンでは得られないおもしろさが探偵の仕事の魅力だと言えます。
きつい仕事なのは間違いありませんが、やりがいも大きいので興味がある人は挑戦してみるといいでしょう。
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