沖縄県の離婚問題について
沖縄県の離婚弁護士 サービス対応地域
このページでは、沖縄県の下記市町村での離婚問題・調停に対応する弁護士事務所を掲載しています。離婚問題・調停への実際の対応については、各弁護士事務所へご確認ください。
粟国村 |
宜野座村 |
豊見城村 |
伊江村 |
宜野湾市 |
中城村 |
石川市 |
国頭村 |
仲里村 |
石垣市 |
久米島町 |
今帰仁村 |
伊是名村 |
具志頭村 |
名護市 |
糸満市 |
具志川市 |
那覇市 |
伊平屋村 |
具志川村 |
南城市 |
伊良部村 |
城辺町 |
西原村 |
伊良部町 |
コザ市 |
西原町 |
上野村 |
東風平村 |
南風原村 |
浦添市 |
東風平町 |
南風原町 |
うるま市 |
佐敷村 |
東村 |
大宜味村 |
佐敷町 |
平良市 |
大里村 |
座間味村 |
美里村 |
沖縄市 |
下地町 |
南大東村 |
恩納村 |
竹富町 |
宮古島市 |
勝連村 |
玉城村 |
本部町 |
勝連町 |
多良間村 |
八重瀬町 |
嘉手納村 |
知念村 |
与那城村 |
嘉手納町 |
北谷村 |
与那国町 |
北大東村 |
北谷町 |
与那城町 |
北中城村 |
渡嘉敷村 |
与那原町 |
金武村 |
渡名喜村 |
読谷村 |
金武町 |
豊見城市 |
沖縄県で離婚問題の弁護士をお探しの方へ
沖縄県の法テラスでの離婚事件対応数は全国第27位
日本司法支援センター 法テラスが発表した統計資料によると、2015年度に沖縄県の法テラスで民事法律扶助が行われた件数は年間1,279件でした。その内訳を見ると、離婚に関する案件の数は260件となっており、この件数は全都道府県のなかで第27位という平均以下の順位となります。前年比は26件の増加ですが、同じように離婚件数自体も増えているのでしょうか。これから沖縄県の離婚に関する実態を見て行きます。
沖縄県では法律相談の件数が減少傾向に
日弁連がまとめた「弁護士白書」によると、沖縄県における有料の法律相談件数は2014年度には937件でしたが2015年度には864件へと減少しています。また、無料法律相談の件数に関してもこの間に6,948件から6,783件まで数を減らしており、いずれも減少傾向にあることがわかります。沖縄県では、有料、無料を合わせた法律相談の総件数が1年で238件減少しているという状況です。一方、民事法律扶助の件数を調査すると、1,220件から1,279件へと僅かながら件数を増やしていました。これらのことから、沖縄県では弁護士会などが行っている法律相談に関しては減少傾向となっていますが、弁護士費用の扶助システムがある法テラスによる代理援助事件は増加傾向にあり、県民に民事法律扶助のシステムが普及していると言えます。
沖縄県は363の島で構成されている県です。平成28年10月1日時点の人口は1,439,913人となっており、全国で最も人口増加率が高い状態にあります。また、人口統計に含まれない在沖米軍人・軍属・家族数は2013年の時点で47,300人に上ります。県の産業として観光業が発展しており、2016年度の入域観光客統計は年間8,613,100人という過去最高を記録しました。一日平均は約23,500人です。このような環境にあるため、弁護士への需要も個人、法人ともに高い状態にありますが、県内で活動する弁護士の人数は充分なのでしょうか。「弁護士白書」のデータから2015年の沖縄県民1万人当たりの弁護士数を調査すると、その数は1.77人で、47都道府県のなかでは10番目に高い値となっています。数字だけで見れば、比較的恵まれていると言っていいでしょう。
沖縄県の離婚問題の現状
沖縄県では協議離婚より離婚調停・離婚訴訟が増加している
厚生労働省が発表した平成27年(2015年)の人口動態調査のデータによると、2015年の沖縄県の離婚件数は3,603件でした。2014年の離婚件数は3,571件だったため比較すると32件の増加となります。内訳をみると、3,603件のうち夫婦の合意だけで離婚に至る協議離婚は3,323件と大きな割合を占めており、前年比は3件の増加でした。一方、家庭裁判所を含む手続き(離婚調停・離婚訴訟)を経て離婚に至ったケースは29件も増えていました。このように、件数としては協議離婚となるケースが多いものの、沖縄県では調停や訴訟を経た離婚の方が増加する傾向にあるようです。
離婚率(人口1000人あたりの離婚件数)の推移に目を向けると、沖縄県の離婚率の推移は以下のようになっています。
年 |
離婚率 |
平成27年(2015年) |
2.53 |
平成26年(2014年) |
2.53 |
平成25年(2013年) |
2.59 |
平成22年(2010年) |
2.58 |
平成17年(2005年) |
2.71 |
平成12年(2000年) |
2.74 |
平成7年(1995年) |
2.22 |
平成2年(1990年) |
1.90 |
昭和60年(1985年) |
2.20 |
昭和55年(1980年) |
1.85 |
このように推移で見ると、沖縄県では2000年の離婚率2.74 をピークとして、多少増減はあるもののその後は減少傾向となっていました。2015年には離婚件数が増加していますが、同じく人口も増えているため離婚率としては同数となっています。しかし、この年の離婚率2.53は全国平均の 1.81を大幅に超えてしまっています。また、47都道府県のなかでの順位を見ると2位と0.4ポイントの差をつけ第1位という状況です。過去の数字を見ても、沖縄県は離婚率が特に高い県と言えるでしょう。
慰謝料・養育費…離婚はお金の問題でもある
離婚は、単に戸籍の記載を分けるための問題だけではなく、2人の男女が婚姻を経て1つにした生計を2つに分ける、お金の問題でもあります。共有財産をどのように分けるか、は基本として、子どもがいる場合は養育費の問題が発生します。
養育費については、養育費算定表が裁判所のホームページに公開されており、子の人数/年齢、夫・妻 双方の年収によって、養育費の目安を算定することができます。
この表をもとにすると、たとえば14歳以下の子がひとり、夫の年収が500万円、妻が専業主婦で収入ゼロの場合、月に4万円から6万円あたりが相場です。この算定表は、東京・大阪の裁判官による共同研究で作成されたものです。
また、不貞など、夫・妻どちらかに明らかな離婚の原因がある場合は、慰謝料の問題も出てきます。慰謝料の額面については、離婚原因の重大さや、年収レベルによっても大きく異なりますが、上記のような一般的な会社員であれば100万円~300万円が相場と言われています。実際の算定には、東京都の年収相場や、お住いの地域であった支払い事例も、ある程度影響するかもしれません。
夫にも妻にも、それぞれ離婚後の生活がある以上、離婚に至る感情的な問題の大半は、最終的にこうしたお金の問題へと収束されます。当然ながら、当人同士での協議は不調に終わることも少なくなく、離婚問題・調停への対応に優れた弁護士を味方にできるかどうかが、正当な養育費・慰謝料の獲得のカギとなります。
司法統計に見る、男女の離婚動機の違い
最高裁判所が発表している司法統計年報「性別離婚申し立ての動機別割合の推移(1975-2015)」によると、男女別の離婚原因は下記の通り。
男性 |
女性 |
性格が合わない |
61.3% |
性格が合わない |
40.5% |
その他 |
21.2% |
生活費を渡さない |
28.3% |
精神的に虐待する |
18.7% |
精神的に虐待する |
25.6% |
家族親族と折り合いが悪い |
14.9% |
暴力を振るう |
22.7% |
異性関係 |
14.8% |
異性関係 |
18.0% |
性的不調和 |
13.1% |
その他 |
12.4% |
浪費する |
12.4% |
浪費する |
11.3% |
同居に応じない |
9.9% |
家庭を捨てて省みない |
9.0% |
暴力を振るう |
8.5% |
家族親族と折り合いが悪い |
7.6% |
家庭を捨てて省みない |
6.3% |
性的不調和 |
7.6% |
病気 |
5.1% |
酒を飲みすぎる |
6.4% |
生活費を渡さない |
4.4% |
不詳 |
4.8% |
不詳 |
3.1% |
病気 |
2.8% |
酒を飲みすぎる |
2.4% |
同居に応じない |
2.4% |
※「性別離婚申し立ての動機別割合の推移(1975-2015)」の2015年データ
※動機は1件につき3点まで重複計上 / 申し立て総数に対する比率
生計・生活に直結する「生活費を渡さない」はもちろん、「精神的に虐待する」「暴力を振るう」の2点についても、合計すると48.3% と、「性格が合わない」の40.5%を超えてトップにあたります。
性格や精神面、関係性の部分の問題と解釈する男性に対して、女性の場合、いわゆるドメスティック・バイオレンスといわれるような、生存上の脅威となるような理由が上位に来ていることが特徴的で、離婚した女性のさらされた厳しい状況が垣間見えます。
沖縄県の離婚問題に対する取り組み
沖縄県のドメスティック・バイオレンスに対する取り組み
このような夫婦・家族・カップル間での暴力の防止と被害者の保護を目的に、2001年10月、超党派の女性議員による議員立法によって「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法)」いわゆるDV防止法が制定されました。
全国の自治体では、この法律に基づく基本計画を策定し、女性を中心としたドメスティック・バイオレンスに悩む方々を支援するための取り組みを推進しています。
沖縄県では、配偶者(元配偶者)、恋人からのDV(ドメスティック・バイオレンス)に悩む被害者を支援するため、沖縄県配偶者等からの暴力防止及び被害者支援基本計画に基づき、様々な対策を講じています。「女性に対する暴力をなくす運動」を平成13年度から開始し、地域におけるDV問題についての講演会、DV被害者の支援に携わる職員に対するセミナー、「女性に対する暴力をなくす運動」講演会、パネル展などを実施しています。また、被害者が悩みを相談し、状況に応じて自立した生活をするためのサポートを行うため、配偶者暴力相談支援センターなどの相談窓口を県内各所に設置しています。内閣府の調査によると、沖縄県はDV被害の数が全国ワースト1位となっており、DVが県民にとって深刻な問題であることがわかります。DVとは、殴る蹴るなどの身体的な暴力だけでなく、暴言などの精神的暴力、性的暴力、生活費を渡さないなどの経済的な暴力、子供を利用したものなども含まれます。もしあなたが配偶者からの暴力(DV)に悩んでいるなら、勇気を出して相談窓口に電話してみてください。配偶者暴力相談支援センターでは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、相談および相談機関の紹介、カウンセリング・被害者及びその同伴家族の一時保護、自立して生活することを促すための情報提供および援助、被害者を保護する施設の利用について、保護命令制度の利用についての情報提供などを行っています。相談料は無料です。沖縄県の相談窓口の一部を紹介致します。
相談窓口 |
連絡先 |
沖縄県女性相談所 |
098-854-1172 |
北部福祉事務所 |
0980-52-0051 |
中部福祉事務所 |
098-989-6603 |
南部福祉事務所 |
098-889-6364 |
宮古福祉事務所 |
0980-72-3771 |
八重山福祉事務所 |
0980-82-2330 |
警察安全相談 年中無休・24時間受付 |
098-863-9110または(#9110) |
県男女共同参画センター てぃるる相談室 |
098-868-4010 |
なは女性センター ダイヤルうない |
098-861-7515 |
宜野湾市人材育成交流センターめぶき 相談室 |
098-896-1215 |
また、沖縄県内の各市役所には、配偶者からの暴力相談について相談できる福祉相談室、女性相談室などが設置されています。女性が社会のなかで生活するうえで抱える様々な問題を相談することができます。DV被害だけでなく生活の困窮などについても相談できます。悩みを抱えている方は、お住いの地域の市役所に問い合わせてみましょう。
もし、ご自身に重大な危険が迫っている場合には、迷うことなく警察(事件発生時)110番に通報しましょう。沖縄県警察においては、本部長等の援助(被害を自ら防止するための措置の教示、その他配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な援助)を行っています。また、必要と判断した場合は相手方への指導警告を行うなど、被害の防止を図ることに力を入れています。まだ大丈夫と思っていてもいつエスカレートしていくかわかりません。暴力に悩む方は勇気をもって最寄りの警察署に相談に行きましょう。秘密は守られます。
沖縄県の離婚問題を解決するには
沖縄弁護士会は県内3か所に法律相談センターを常設しています
沖縄弁護士会では、以下の表のように県内3か所に法律相談センターを開設しています。相談には事前予約が必要です。相談料は原則として30分以内で5,000円(税込)となっています。但し、一定の収入に満たない方は無料相談を利用することができます。また、那覇の法律相談センターでは、夜間・休日の相談も行っています。離婚を考えた時、身近なひとに相談すると同時に、法律的な知識を得るため弁護士会の法律相談センターを利用すると便利です。那覇弁護士会では、県民にとって法律相談が身近なものとなるよう環境を整備しています。2016年3月31日の時点で沖縄弁護士会に所属する弁護士の人数は以下の表のとおりです。
窓口 |
電話番号 |
法律相談センター 那覇 |
098-865-3737 |
法律相談センター 沖縄支部 |
098-934-5722 |
法律相談センター 名護支部 |
0980-52-5559 |
会員数(2016年3月31日現在)
弁護士 |
254人 |
弁護士法人会員 |
151法人 |
外国特別会員 |
2人 |
沖縄県で離婚問題に悩む皆様へ
あなたが離婚を決めたのは、どういうときでしたか。我が国では既婚者の3分の1は離婚しています。また、沖縄県は離婚率が高い県として知られていますが、離婚理由は、性格の不一致、経済的な問題、相手の浮気、家庭内暴力など様々でしょう。離婚を決意したとき、すぐに離婚したいと思っても離婚に至るまで思いのほか時間がかかることもあります。慰謝料のこと、財産分与のこと、子供の親権、養育費のことなど、離婚に際して決めることはたくさんあります。また、必ずと言っていいほど法的な手続きが伴います。納得できる条件で離婚するため、さらには離婚後の新たな生活のために、法律の専門家のサポートが大きな支えとなるかも知れません。許しがたいほどの大きな問題を抱えながら夫婦生活を続けるのか、幸せな新生活のために離婚を選ぶかはそれぞれの考え方ですが、離婚を選んだ方は納得できる方法で確実に離婚問題を解決するため、沖縄県の環境をよく理解し、当事者の立場に立ってしっかりサポートしてくれる、信頼できる弁護士を見つけるといいでしょう。
離婚について悩んだなら、沖縄弁護士会の法律相談や市役所の女性相談室などが頼りになるでしょう。しかし、実際に離婚を決めたなら法律的な問題を解決するために独りで悩まず、身近な専門家に相談することをお薦めいたします。きっとあなたが納得できる最善の方法で離婚後の新しい生活を手に入れることができるでしょう。