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産後クライシスとは?原因や症状、割合、いつから始まるか解説

産後クライシスとは?原因や症状、割合、いつから始まるか解説

待ちに待った赤ちゃんの誕生!しかし、現実は慣れない育児や夜泣きなどで母親は疲れ果ててしまいます。

その結果「産後ブルー」から、夫婦関係が悪化する『産後クライシス』へとなる方は珍しくありません。

今回はそんな「産後クライシス」の原因や症状、割合、いつからいつまで続くのかについて詳しくご説明します。

産後クライシスとは

「産後クライシス」とは、産後に起きる様々なストレスやトラブルから、文字通り夫婦の関係が危険な状況に陥ることを指します。

この言葉は、もともとはNHKの朝の番組「あさイチ」が使い始めたのがきっかけです。

「クライシス(crisis)」は「危機」「重大な局面」「不安定な状態」などを表す言葉です。そこに「産後」がつくことで、産後に迎える夫婦関係の危機や不安定な状態などを指す言葉として使われ始めました。

産後クライシスの状態

では、どのような状態が産後クライシスになるのでしょうか。

医学的な厳密な定義はありませんが、妻側と夫側のそれぞれに次のような状態が見られます。

産後クライシスの妻の状態

産後の妻の産後クライシスの状態には、次のようなものがあります。

  1. 夫への愛情を感じなくなる
  2. 子どものことで頭がいっぱいで夫に無関心になる
  3. 夫からのセックスの求めを拒否する

産後クライシスの夫の状態

一方、夫は次のような状態になると産後クライシスだと考えられます。

  1. 妻が自分を構ってくれないことに不満を感じる
  2. 妻の愛情を感じられない
  3. 妻にセックスを拒否される
  4. 家の中に自分の居場所が感じられない

このように、子どもの出産をきっかけに夫婦関係が悪化することを「産後クライシス」と呼びます。

産後クライシスが起こる原因

産後クライシスが起こる原因はひとつだけではありません。次のように多くの要因があります。

  • 女性のホルモンバランスや体調の変化
  • 子育てへの不安や疲れ
  • 女性の気持ちの中で子どもの比重が大きくなる
  • 夫の非協力的な態度
  • 夫婦間のコミュニケーション不足

こういったことが原因で妻がイライラするのに対し、夫は産前と変わらない態度を取ることがあるため、さらに妻のイライラが募るという悪循環になっていきます。

また、妻の変化に対して夫がついていけないことが産後クライシスを引き起こします。

では、原因についてひとつずつ詳しく見ていきましょう。

女性のホルモンバランスや体調の変化

女性は妊娠・出産を経験することでホルモンバランスが大きく変化します。そこに出産後の体調がなかなか戻らない、十分な休養が取れないなどが重なってイライラしたり、涙もろくなったりします。

そのため、ささいなことでも夫に当たるようになりますが、一方の男性は出産が済めば元の妻に戻ると思っているため、お互いに相手のことが理解できず夫婦関係の悪化を招いてしまいます。

子育てへの不安や疲れ

出産の疲れが癒えないうちに子育てが始まります。授乳の悩み(母乳が出ない、赤ちゃんがうまく飲めない、飲んでいる量が足りているのか不安)、オムツ替え、オムツかぶれ、夜泣き、赤ちゃんの成長度合いなどわからないことばかりで、不安が大きくなってしまうのです。

現実には育児雑誌を見てもわからないことが多く、特に近くに自分の母親がいないなど頼る人がいないと不安で押しつぶされそうになります。

ところが夫は「子育ては誰もがやっていることだよ」「君だけが大変なんじゃないだろ」と理解を示さないばかりか、「夜泣きをなんとかしてくれよ。こっちは明日も仕事があるんだから」などと突き放すようなことを言うことで産後クライシスに突き進んでいきます。

女性の気持ちの中で子どもの比重が大きくなる

子どもは夫婦2人で育てるものとは言うものの、子どもが乳幼児の時期の育児は母親が中心になります。

また、女性は出産することで母性本能が芽生えるため、気持ちの中でも子どもへの比重が高まります。それに対して男性は「自分のことがないがしろにされている」「構ってもらえない」とさびしさを感じ、夫婦関係が冷めていきます。

夫の非協力的な態度

寝る時間を削ってまで妻が子育てに奔走しているのに夫は手伝おうとしない。そんな非協力的な態度を見て、女性の気持ちが冷めてしまいます。

また、世間では「イクメン」が持てはやされ、こまめに子育てに協力する夫の姿が報じられると、妻はますます自分の夫に不満を感じてしまいます。

夫婦間のコミュニケーション不足

このように出産後の妻と夫では、同じ家に住んでいながらも置かれる状況が異なります。さらに両者の間には、さまざまな気持ちのすれ違いが起こっています。

その距離を話し合いで縮めることができればいいのですが、妻は「子育てが大事なのは当たり前でしょ」「自分の子どもなんだから、あなた(夫)はもっと手伝うべき」と考えるし、夫は「母親が子育てをするのは当たり前」「出産後、妻は別人のように変わってしまった」と感じることになってしまいます。

こういったコミュニケーション不足も産後クライシスを招く原因のひとつだと言えます。

産後クライシスが起きる割合

このような産後クライシスは、どれくらいの割合で起こっているのでしょうか。

株式会社カラダノートが2019年9月にメルマガ読者やカラダノートアプリ利用者約1200名を対象に産後クライシスについてのアンケート調査を実施しました。

(株式会社カラダノートはママがママに寄り添うウェブサイト「カラダノートママびより」というメルマガ発行や妊娠育児出産ツールアプリを提供している会社です。)

この調査によると、出産後に夫への愛情の冷え込みを感じたと答えた人は約750名で全体の62.3%にのぼります。

参照:カラダノート 産後クライシスの割合:https://corp.karadanote.jp/archives/2676

産後クライシスはいつから?

同じ調査で産後クライシスが始まった時期を調べたところ、次のような結果が出ています。

  • 産後3ヶ月以内……72.9%
  • 産後半年以内……19%
  • 産後半年以降……7.7%
  • 無回答……0.4%

この結果から産後クライシスは出産して3ヶ月後には始まっていることがわかります。

産後クライシスになったときの対処法

一度夫婦関係が冷え込むと修復は困難です。

大切なのは産後クライシスを招かないようにすることです。とは言っても、いつの間にかクライシスになってしまうのが現実です。

そこで、「産後クライシスかも?」と思ったときにやるべきことをご紹介します。

妻が取れる対処法

まずは妻がやるべきことや気をつけることをご紹介します。

  • 夫に手伝ってほしいことを具体的にお願いする
  • 夫に何が大変なのか、状況を冷静に説明する
  • 実家の親や家事サポート業者、ベビーシッターなどに手伝いをお願いする
  • 夫が出勤したら、家事は手抜きしてできる限り身体を休める
  • 周囲の人やネット、雑誌で見る母親像と比較しない

妻が育児に不慣れであれば、当然夫も不慣れなのです。育児の何が大変なのか、何を手伝ってくれると助かるのかを具体的に説明してみましょう。

夫側は「言ってくれたら手伝うのに…」「妻がひとりでイライラしたり、ときには泣いたりして、自分はどうすればいいのかわからない」ということがあるので、ここはわかりやすく説明してあげましょう。

例えば次のように具体的に説明すると、夫は理解しやすくなります。

  • 昨夜は夜泣きで私も2時間しか寝ていないから、今夜の夕飯は手抜きしたい
  • 洗濯物をたたんで片付けるのを手伝ってほしい
  • 今、赤ちゃんが寝ているから自分も30分だけ横になりたい
  • どうしても体調がすぐれないので実家の母を呼びたい

また、完璧な母親を目指そうとしないことも重要なポイントです。他人の子育てブログやママ友の話は参考になりますが、決して比較しないようにしましょう。

夫が取れる対処法

夫も産後クライシスを回避するために、次の点に注意しましょう。

  • 今まで通り、妻が何もかもしてくれると思わない
  • 自分のこと(洗濯物を片付ける、食器を洗うなど)は自分でする
  • 休日には育児を代わる
  • 常に妻の体調を気遣い、「大丈夫?」と声をかける

出産後に妻が家事を始めると男性は「もう体調は大丈夫なんだ!」と安易に考えがちですが、決してそうではないということを理解した上で行動することが大切です。

産後クライシスが原因で離婚になる可能性

産後クライシスが原因で離婚になるケースもあります。

産後クライシスが原因で離婚になるケース

妻側は「乳幼児期の育児ですら非協力的なんだから、この先、夫には子育てを期待できない」「私は子育てで大変なのに、夫は自分のことしか考えていない」という意見があります。

一方、夫の側としては「自分が家族のために働いているのに、疲れて家に帰ったら妻はイライラしているし、子どもは泣くし…で休まらない」「妻からわけもなく怒られる」「セックスに応じてくれない」などの不満が募り、離婚に至るケースがあります。

産後クライシスは話し合いで解決できることも

夜泣きが激しい赤ちゃんでも少しずつ成長していき、子育ては徐々に楽になっていきます。

それに伴って夫婦関係も改善することがよくあります。産後クライシスで離婚を考えた場合でも、少し考え直してみる、夫婦で話し合うなどをしてみましょう。

ただし、「妻が子育てを手伝ってもらうために実家に帰ったきり、戻って来ない」「妻とのセックスレスが不満で夫が浮気した」などの場合は夫婦関係を修復するのが難しいかも知れません。

そんなときは弁護士に相談してみましょう。

産後クライシスでよくあるQ&A

産後クライシスでよくあるQ&Aをご紹介します。

Q:産後クライシスはうつ病とは異なりますか?

出産後、イライラしたり、気分が落ち込んだりします。ひどいときは急に泣き出してしまうこともありますが、これはうつ病でしょうか。

A:うつ病と産後クライシスとの違い

産後クライシスは出産後に夫婦関係が悪化した状態を指します。うつ病は出産に限らず、ホルモンバランスの乱れやストレスなどが原因で精神的に不調になる状態を指します。

夫婦関係が悪化していないのであれば産後クライシスとは言いません。

うつ病が考えられる場合は早めに心療内科を受診しましょう。

産後クライシスとは~まとめ

産後クライシスとは、出産をきっかけに夫婦関係が悪化することを言います。原因の多くは産後の育児疲れで悩む妻に夫が理解を示さない、協力しないことなどがあります。

出産後の夫婦の約6割が産後クライシスになるというデータもあります。

多くは一時的なもので子どもの成長とともに夫婦関係は改善しますが、産後クライシスからセックスレスになり夫が浮気して離婚に発展することもあります。早めに弁護士に相談しましょう。

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