社内不倫のリスクと対処法|解雇・処分・慰謝料はどうなる
同じ職場の人と、一線を越えてしまった。あるいは、配偶者の社内不倫に気づいてしまったのかもしれません。どちらの立場でも、「会社にバレたらどうなるのか」「解雇されるのか」「慰謝料はいくらになるのか」と、不安で眠れない夜を過ごしているのではないでしょうか。
最初に結論をお伝えしましょう。社内不倫そのものを理由に、会社が直ちに解雇することは原則として難しいとされています。ただし、職場の秩序を乱した、上司の立場を利用した、業務に具体的な支障が出たといった事情があれば、懲戒処分や退職勧奨につながることは珍しくありません。
一方で、法律上の「不貞行為」にあたる社内不倫は、配偶者からの慰謝料請求や離婚請求、不倫相手の配偶者からの慰謝料請求という、職場とは別の大きなリスクを抱えています。会社の問題と家庭の問題が同時に動き出すのが、社内不倫の厄介なところです。
この記事では、社内不倫で起きる4つのリスク(懲戒処分・解雇、慰謝料、離婚、信用の失墜)と、発覚した場合に今すぐ取るべき対処法、そして社内不倫を「された側」ができることを、労働契約法・民法の規定と裁判例の傾向をもとに解説します。
社内不倫とは?発覚すると起きる4つのリスク
「社内恋愛のつもりだったのに、相手が既婚者だった」という方も、この記事を読んでいるかもしれません。まずは言葉の整理から始めましょう。
社内不倫とは、同じ会社や職場で働く人同士の不倫関係のことです。独身同士の社内恋愛と違い、どちらか一方、または双方に配偶者がいる点が決定的に異なります。法律上は、配偶者以外の人と肉体関係を持つことを「不貞行為」と呼び、民法770条1項1号で裁判上の離婚原因の一つに定められている行為です。
社内不倫が発覚した場合に起こり得ることを、先に一覧にしておきます。
| リスク | 誰から | 主な根拠 |
|---|---|---|
| 懲戒処分・解雇・退職勧奨 | 会社 | 就業規則、労働契約法15条・16条 |
| 慰謝料請求 | 自分の配偶者、相手の配偶者 | 民法709条・710条(不法行為) |
| 離婚請求 | 自分の配偶者 | 民法770条1項1号(不貞行為) |
| 信用・キャリア・人間関係の損失 | 職場全体 | 法律ではなく事実上の不利益 |
ひとつずつ確認していきましょう。
社内不倫がバレるきっかけ
社内不倫は、社外の不倫と比べて発覚しやすい傾向があります。理由は単純で、毎日同じ空間にいる第三者が多いからです。
よくある発覚パターン
- 二人きりで残業・出張する回数が不自然に多く、同僚が気づく
- 社内チャットやメールの私的なやりとりを、画面越しに見られる
- 飲み会の帰り道や休日に、取引先や同僚に目撃される
- 配偶者がスマートフォンの通知や位置情報から気づき、会社に問い合わせる
- 不倫相手の配偶者が、会社宛てに内容証明郵便を送ってくる
- 関係がこじれた相手本人が、上司や人事に申告する
例えば、別れ話がもつれた相手が「上司に相談します」と言い出した場合、その時点で会社の調査が始まることになります。社内不倫は、関係が続いている間よりも、終わらせようとするときに表面化しやすいという特徴を覚えておいてください。
リスク1:会社からの懲戒処分・解雇
「明日、人事に呼ばれている」という状況で、この記事にたどり着いた方もいるでしょう。会社がどこまでできるのかを、法律の枠組みから整理します。
社内不倫だけで解雇されるのか
結論からいえば、私生活上の行為である不倫だけを理由に解雇することは、原則として認められにくいと考えられています。
労働契約法16条は、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない解雇を無効と定めています。懲戒処分についても、同法15条が、行為の性質や態様に照らして相当でない懲戒を無効とする旨の規定です。不倫は道義的に非難される行為ではあるものの、本来は夫婦間の問題であり、会社の業務とは直接関係がありません。
そのため、不倫の事実だけで懲戒解雇にした場合、裁判で「解雇権の濫用」と判断される可能性が高いのです。
ただし、安心するのはまだ早いかもしれません。
処分が重くなりやすいケース
裁判例の傾向として、次のような事情があると、懲戒処分や解雇が有効と判断されやすくなります。
- 上司と部下の関係で、人事評価やシフトを不正に操作した
- 勤務時間中や社内の設備(会社の車、宿直室、社用メールなど)を使って密会していた
- 関係の悪化後に、相手へのつきまといや嫌がらせを行った
- 小規模な会社で、二人の不和が業務全体に深刻な影響を及ぼした
- 教員や宗教関係者など、職業上とくに高い倫理が求められる立場だった
- 取引先や顧客との不倫で、会社の信用が具体的に損なわれた
例えば、課長が部下の女性社員と不倫し、別れ話の後にその部下を閑職に異動させた場合はどうでしょうか。これは不倫そのものより、職務上の権限の濫用として重い処分の対象になり得ます。社内不倫は、不倫以外の問題行動を伴ったときに一気に処分が重くなる、と理解してください。
懲戒処分の種類と重さ
就業規則で定められる懲戒処分は、一般に次のような段階に分かれています。会社によって名称や内容は異なるため、必ず自社の就業規則を確認しましょう。
| 処分 | 内容 | 社内不倫での位置づけ |
|---|---|---|
| 戒告・けん責 | 口頭または文書で注意し、始末書を求める | 職場秩序を乱した場合の入口となる処分 |
| 減給 | 賃金の一部を差し引く(労働基準法91条の上限あり) | 業務への支障が具体的にある場合 |
| 出勤停止 | 一定期間の就労を禁じ、その間は無給が多い | 設備の私的利用や勤務中の密会など |
| 降格 | 役職や等級を下げる | 管理職が部下と関係を持った場合など |
| 諭旨解雇・懲戒解雇 | 退職を促す、または即時に解雇する | 権限濫用や悪質な付随行為がある例外的な場合 |
減給については、労働基準法91条により、1回の額が平均賃金の1日分の半額、総額が1賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならないという上限があります。「不倫したから今月の給料は半分」といった処分は、法律上できません。
配置転換と退職勧奨への向き合い方
実務上もっとも多いのは、解雇ではなく、どちらか一方(または双方)の配置転換と、軽めの懲戒処分の組み合わせです。会社としても、解雇して争われるより、二人を引き離す方が現実的だからでしょう。
退職勧奨を受けることもあります。退職勧奨はあくまで「辞めてほしい」というお願いであり、応じる義務はありません。ただし、拒否した後に執拗に面談を繰り返されたり、「辞めなければ懲戒解雇にする」と迫られたりした場合は、違法な退職強要にあたる可能性があります。そのときは、面談の日時と発言内容を記録し、労働問題に詳しい弁護士や労働基準監督署の総合労働相談コーナーに相談してみてください。
リスク2:配偶者・相手の配偶者からの慰謝料請求
会社の処分が軽く済んだとしても、家庭の側ではもっと大きな請求が待っていることがあります。
不貞行為は、配偶者の「婚姻生活の平和を維持する権利」を侵害する不法行為(民法709条・710条)です。したがって、社内不倫をした人は、次の二方向から慰謝料を請求される立場になります。
- 自分の配偶者から:自分と、不倫相手の両方に対して請求できる
- 不倫相手の配偶者から:不倫相手と、あなたの両方に対して請求できる
双方が既婚者の「ダブル不倫」であれば、請求が交錯する複雑な状況になります。
慰謝料の金額は裁判例ではどのくらいの幅か
慰謝料に法律上の定額はなく、裁判例では事情ごとに幅があるのが実情です。離婚や別居に至らなかった場合は数十万円から100万円程度、不倫が原因で離婚に至った場合は100万円から300万円程度の範囲で判断される例が多いとされています。ただし、不倫の期間や回数、婚姻期間の長さ、子どもの有無、反省の態度などで上下するため、「必ずこの額」とはいえません。
社内不倫に特有の事情として、職場中に知れ渡って配偶者が強い屈辱を受けた、不倫相手が妊娠したといった事情は、増額方向に働くことがあります。
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慰謝料の二重取りはできない(求償権)
不倫をした二人は、配偶者に対して連帯して責任を負う関係にあります。配偶者は二人の両方に請求できますが、受け取れる総額は損害額が上限です。例えば損害が200万円と判断された場合、夫から200万円を受け取った後に、不倫相手からさらに200万円を受け取ることはできません。
また、不倫相手が全額を支払った場合、その人は自分の負担割合を超えた部分を、もう一方の当事者に請求できます(求償権・民法442条)。示談のときに「求償権を放棄する」という条項を入れるかどうかは、交渉の重要なポイントになります。
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請求には時効がある
不法行為に基づく慰謝料請求権は、被害者が損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効にかかります(民法724条)。「知った時」とは、不倫の事実と相手が誰かを知った時点です。社内不倫では相手の名前も職場も分かっているため、起算点が早くなりがちでしょう。請求する側も、される側も、この期間を意識しておいてください。
リスク3:離婚と「有責配偶者」になること
「離婚したくない。家族を失いたくない」と、今さらながら強く思っている方もいるでしょう。社内不倫が家庭に及ぼす法律上の影響を整理します。
不貞行為は裁判上の離婚原因になる
民法770条1項は、裁判で離婚が認められる原因として、不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他婚姻を継続し難い重大な事由の4つです。社内不倫が不貞行為にあたれば、配偶者は協議や調停で合意に至らなくても、裁判で離婚を求めることができます。
一方で、あなたが離婚を望まない場合はどうでしょうか。配偶者が離婚を望んでいない限り、不倫をした側から一方的に離婚を進めることは困難です。
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有責配偶者からの離婚請求は厳しく制限される
不倫をした側は「有責配偶者」と呼ばれ、その側からの離婚請求は、長期間の別居、未成熟の子がいないこと、相手が過酷な状況に置かれないことなどの事情がそろわない限り、認められにくいというのが判例の立場です。「不倫相手と一緒になりたいから離婚したい」という願いは、法的にはもっとも通りにくい請求のひとつだと理解してください。
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親権・養育費・財産分与はどうなる
離婚になった場合、不倫をしたこと自体が親権者の判断に直結するわけではありません。親権は子の利益を基準に決められ、2026年4月施行の改正民法では、父母の協議により共同親権を選ぶこともできるようになりました。ただし、不倫に夢中で育児を放置していたといった事情は、監護の実績として不利に評価され得ます。
養育費についても、不倫をした側が免除されることはありません。改正民法では、取り決めがなくても子1人あたり月額2万円の「法定養育費」を請求できる仕組みが設けられ、財産分与の請求期限も離婚後2年から5年に延長されています。慰謝料に加えて、これらの支払いが長期にわたることを想定しておく必要があるでしょう。
リスク4:社会的信用・キャリア・人間関係の損失
法律上の責任を免れても、職場での信用は簡単には戻りません。
噂が広まった後の職場では、重要なプロジェクトから外される、昇進の候補から静かに外される、取引先への同行を避けられるといった、処分ではない不利益が積み重なることがあります。これらは法的に争いにくい一方で、キャリアへの影響は長く続くものです。
例えば、同じ部署に不倫相手が残っている場合を想像してみてください。顔を合わせるたびに周囲の視線を感じ、相手の配偶者がいつ会社に来るかと怯える日々が続きます。精神的に追い詰められて退職を選ぶ人が多いのは、処分の重さよりも、この居づらさが原因です。
社内恋愛との違いを誤解しない
「社内恋愛は禁止されていないのだから、問題ないはず」と考える方もいます。しかし、独身同士の社内恋愛と、既婚者が関わる社内不倫は、法律上まったく別のものです。前者は原則として本人同士の自由ですが、後者は配偶者という被害者が存在し、不法行為として損害賠償の対象になります。会社の見方も同じで、社内恋愛には寛容な企業でも、不倫によって職場の秩序が乱れた場合には厳しく対応するのが通常でしょう。
社内不倫が発覚した場合に今すぐ取るべき対処法
ここからは、発覚した直後に何をすべきか、順番に説明します。慌てて動くと、状況を悪化させるだけです。
1. 不倫関係を完全に終わらせる
どのリスクを小さくするにも、まず関係を終わらせることが出発点になります。関係が続いていると、慰謝料は増額方向に動き、会社の処分も重くなり、配偶者との修復の可能性はほぼ消えてしまうでしょう。
別れ話は、相手を追い詰めない形で、しかし明確に行いましょう。「落ち着いたらまた」といった曖昧な言葉は、後のトラブルの火種になります。
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2. 新たな証拠を増やさない、嘘の説明をしない
「証拠を全部消せば大丈夫」と考える方がいますが、おすすめしません。相手の配偶者や会社がすでに証拠を押さえている可能性は高く、消した事実が判明すれば、かえって不誠実な態度として不利に働きます。会社の調査で虚偽の説明をすれば、不倫そのものよりも、調査への非協力や虚偽報告が懲戒の理由に加わりかねません。
今すぐできることは、次の3点です。
- SNSや社内チャットで、不倫を匂わせる投稿や私的なやりとりを今後一切しない
- 会社の備品・車両・メールを私的な連絡に使わない
- 相手や相手の配偶者とのやりとりは、削除せずに保存しておく(後の交渉や、脅迫的な言動への対抗に必要になる)
3. 会社の調査には誠実に、ただし言い過ぎない
人事や上司からの事情聴取には、逃げずに応じてください。事実関係について嘘をつかないことが基本です。
一方で、聞かれていないことまで話す必要はありません。「いつから」「どこで」「何回」といった詳細を自分から詳しく語ると、それが処分の根拠や、配偶者側の請求資料になることがあります。事実は否定しないが、必要以上に語らないという姿勢を保ちましょう。処分の内容に納得できない場合は、その場で同意せず、持ち帰って弁護士に相談してから回答しても構いません。
4. 同僚に言い訳や弁解をしない
心配そうに声をかけてくる同僚もいるでしょう。けれども、そこで事情を説明したり、相手を悪く言ったりするのは逆効果です。話は必ず尾ひれがついて広まり、「相手に責任を押しつけている」と受け取られることもあります。
どれだけ親しい同僚であっても、「申し訳ないが、この件は話せない」と一貫して伝えることが、噂を最小限に抑える唯一の方法です。
5. 配偶者には自分から説明する
会社の処分や異動があれば、いずれ配偶者に知られます。人づてに知るのと、本人から聞くのとでは、配偶者の受ける傷の深さがまったく違うものです。
関係を終わらせたこと、謝罪の気持ち、今後どうしたいのかを、言い訳を挟まずに伝えてください。その場で許されることはないでしょう。しかし、離婚を避けたいなら、誠実な説明なしに修復の道が開くことはありません。
6. 慰謝料請求の書面が届いても無視しない
相手の配偶者から内容証明郵便が届くことがあります。恐ろしくて開封できない気持ちは分かりますが、無視は最悪の選択です。放置すれば調停や訴訟に進み、職場に裁判所からの書類が届く事態にもなりかねません。
書かれている金額をそのまま払う必要もありません。請求額は交渉の出発点に過ぎず、婚姻関係がすでに破綻していた、関係が短期間だった、といった事情で減額される余地があります。
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7. 早い段階で弁護士に相談する
会社の処分、慰謝料、離婚という3つの問題が同時に進む社内不倫では、ひとりで判断するのは危険です。弁護士に相談すれば、処分の妥当性、慰謝料の見通し、配偶者との交渉方針を、一度に整理できます。初回相談を無料にしている事務所も多いので、「相談するほどのことか」と迷う段階で、まず話を聞いてもらってください。
社内不倫を「された側」ができること
配偶者が職場の人と不倫していると気づいた方は、怒りと悲しみで何から手をつければよいか分からないかもしれません。感情のままに動く前に、次の3点を確認しましょう。
慰謝料請求には「不貞行為の証拠」が必要
慰謝料を請求するには、肉体関係があったことを示す証拠が必要です。二人で食事をしていた、親しげなメッセージがある、という程度では不貞行為の立証として弱いことが多いでしょう。ホテルへの出入りの写真、宿泊を示す明細、関係を認める録音やメッセージなどが典型的な証拠です。
探偵に調査を依頼する場合は、探偵業法に基づく届出をしている業者かどうかを確認してください。違法な手段で集めた証拠は、裁判で使えないどころか、依頼者が責任を問われるおそれもあります。
会社への通報は慎重に
「会社にばらして二人とも処分させたい」という気持ちは自然なものです。しかし、会社宛てに不倫の事実を書いた書面を送ったり、職場に押しかけたりする行為は、名誉毀損や業務妨害として、あなたの側が責任を問われる可能性があります。慰謝料請求の交渉でも、「会社にばらされた」ことを理由に相手が強硬になり、かえって解決が遠のくことも少なくありません。
請求は、相手本人の自宅宛てに内容証明郵便で行うのが基本です。職場宛ては避けてください。
離婚するかどうかは急いで決めない
不貞行為があれば離婚請求はできますが、離婚しなければならないわけではありません。離婚しない場合でも、不倫相手に対する慰謝料請求は可能です。生活や子どものことを考え、まずは別居するのか、修復を試みるのか、時間をかけて決めてください。その間に、慰謝料の時効(3年)が進んでいることだけは忘れないようにしましょう。
社内不倫に関するよくある質問
社内不倫は就業規則違反になりますか?
多くの就業規則には「会社の秩序・風紀を乱す行為」を禁じる規定があります。不倫自体を直接禁じる条項は少ないものの、勤務中の密会や社内設備の私的利用、ハラスメント的な言動があれば、この規定に該当すると判断されかねません。まずは自社の就業規則の懲戒事由を確認してみてください。
相手が独身だと偽っていた場合、不倫相手は慰謝料を払う必要がありますか?
不倫相手に慰謝料責任が生じるのは、相手が既婚者だと知っていたか、注意すれば知ることができた場合です。独身と信じ込まされ、疑うべき事情もなかったのであれば、責任が否定される可能性があります。ただし、同じ職場であれば「既婚者だと知り得た」と判断されやすい点には注意が必要です。
会社に慰謝料を請求することはできますか?
不倫は従業員個人の私生活上の行為なので、会社が慰謝料の支払義務を負うことは基本的にありません。例外として、上司が立場を利用して関係を強要したような場合には、ハラスメントとして会社の責任が問題になる余地があります。
社内不倫が理由で異動を命じられました。拒否できますか?
就業規則や雇用契約で配置転換が予定されていれば、会社には広い裁量があり、職場の秩序維持を目的とした異動は有効と判断されることが多いでしょう。ただし、業務上の必要性がなく、嫌がらせ目的であったり、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を与えたりする異動は、無効となることがあります。
まとめ
社内不倫で起きるリスクは、会社からの懲戒処分・解雇、慰謝料請求、離婚と有責配偶者の立場、そして信用とキャリアの損失の4つです。不倫だけを理由とする解雇は原則として認められにくい一方で、権限の濫用や職場秩序への影響があれば処分は重くなり、家庭の側では慰謝料と離婚という別の責任が待っています。
発覚した場合は、関係を終わらせる、嘘をつかない、無視しない、早めに弁護士に相談するという順番で動いてください。された側の方は、証拠を確保しつつ、会社への通報は避け、時効を意識しながら冷静に請求を進めることが大切です。
職場の問題と家庭の問題が絡み合う社内不倫は、ひとりで抱え込むには重すぎます。法律の専門家の力を借りて、これ以上傷を広げない道を選んでください。
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