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スマホ離婚の慰謝料は?離婚しないために知るべき知識

スマホ離婚の慰謝料は?離婚しないために知るべき知識

スマホ離婚とは、その名の通り配偶者のスマホ利用が原因で離婚に至ることを指します。

現代社会らしい離婚理由ですが、スマホ離婚で慰謝料請求はできるのか、またスマホ離婚を避けるためにどうすればいいのか。当記事でご紹介します。

スマホ離婚の慰謝料は?

結論から言うと、スマホそのものが原因での離婚では慰謝料の請求は難しいのが現実です。

ただスマホ依存によって悪意の遺棄や浮気などの法定離婚事由が発生した場合は慰謝料請求が可能です。

スマホが原因で慰謝料請求ができるケースと相場

スマホが原因で離婚した場合、相手に慰謝料請求できるのは次のようなケースですが、離婚原因によっては慰謝料の金額はあまり高くありません。

離婚原因 内容 請求できる慰謝料の金額
不貞行為 スマホを使ってSNSやLINEで不倫をする 100~300万円程度
悪意の遺棄 ・スマホ依存で家事をしない
・スマホ代やゲーム代に費用がかかり生活費を入れない
50~100万円程度
浪費 スマホゲームや動画視聴の課金 使った金額+慰謝料(50~100万円)
セックスレス 配偶者がスマホばかり見ていて性生活に応じない 50万円~100万円程度
DV スマホ依存を非難されて暴力やモラハラをした 50~300万円
夫婦関係の破たん スマホ依存が原因で夫婦の会話がなくなり、夫婦関係が破たんした 状況によるが最高でも100万円程度

ただスマホ離婚による慰謝料請求は難しい

スマホ依存による離婚で慰謝料請求するには、相手がそれを認めるだけの証拠をそろえる必要があり、現実には難しいでしょう。

例えばスマホが原因で夫婦関係が破たんして慰謝料を請求する場合、スマホばかり見るようになったのはいつからか、夫婦の会話がなくなったのはいつからか、その原因が本当にスマホだけなのかをきちんと立証しなければなりません。

また、仮に配偶者が1日に何時間くらいスマホを触っているのかを調べたとしても、同じ時間でも苦痛を感じる人と感じない人がいます。

そのため、スマホ依存だけを理由に慰謝料請求するのは難しいと言えます。

ただし暴力やモラハラ、金銭にまつわる問題などスマホ以外の原因があれば慰謝料は請求できますし、より高く請求もできます。

また、弁護士に依頼して慰謝料を獲得する方法がありますが、不倫などの法定離婚事由がなく、単にスマホをいじっている場合は弁護士費用を払ってもプラスになるかよく考えることが大切です。

スマホ離婚でよくある原因

スマホ離婚でよくある原因について知っておきましょう。主な原因として、次の2つが考えられます。

  1. 配偶者がスマホ依存になっている
  2. 配偶者のスマホで不倫を知った

配偶者がスマホ依存になっている

結婚して楽しい生活を過ごすはずだったのに、相手がスマホばかり見ていると愛情が冷めてしまいますよね。

実際にスマホ依存になっている人は多くいます。MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)が実施した「スマホ依存度」の調査によると、自分がスマホにかなり依存していると答えたのは全世代を通して約21%ですが、年代別に見ると30代が29.8%でトップになっています。

参考:スマホ依存の自覚は21.2%、最も多かった年代は30代で29.8%

スマホ依存が原因で離婚になる背景には、次のようなものがあります。

  • 夫婦の会話が減る
  • 配偶者が「自分の話を聞いてくれない」と不満に思う
  • 自分(妻)は家事や子育てで忙しいのに夫はスマホばかり見ている
  • 自分(夫)は毎日働いているのに妻はゲームやSNSに夢中で家事や子育てをしない
  • スマホの利用料やゲーム・動画などの課金が家計を圧迫する
  • SNSやネットの掲示板などに配偶者の悪口を書き込んでいる
  • SNSで独身だと偽って異性との会話を楽しんでいる

スマホで配偶者の不倫を知った

一方、スマホで配偶者の不倫を知ったというケースも多くあります。

「配偶者がスマホでコソコソ誰かと連絡を取り合っている」「何気なく見たスマホで異性とやりとりしていることを知った」などがきっかけで不倫が発覚し、離婚に至ります。

前述した通り、この場合は証拠さえあれば確実に慰謝料を請求することができます。

最も多いのはスマホで不倫がバレて離婚するケース

スマホ離婚で多いのはスマホ依存ではなく、スマホによって不倫がバレるケースです。

特に次のような場合は、スマホから不倫がバレやすいのでご紹介します。

  1. 配偶者のスマホの画面に異性からの着信(電話やメール、LINE)のお知らせが見えた
  2. こっそり配偶者のスマホをのぞいたら不倫とわかるメールやLINEのやりとりが目に入った
  3. 配偶者のSNSに不倫相手との旅行やデートの投稿があった

しかし、スマホの画面(メールやLINE、SNS、画像を保存したアルバムなど)から不倫が疑われても、証拠としては十分ではありません。

慰謝料請求にはスマホの画面だけでなく他の証拠が必要

それらの画面は配偶者の不倫を知るきっかけにはなりますが、それだけで相手の不倫を立証するのは難しいです。より確実な証拠を押さえる必要があります。

スマホで配偶者の不倫を知ったときはショックでパニックになったり、思わず相手を問いただしたりしがちですが、そこは冷静に行動しましょう。

スマホの画面は不倫相手を特定するために重要なヒントになります。

メールやLINE、SNSの画面を自分のスマホで撮影した後は、探偵事務所で調べてもらいましょう。

顔見知りかつ素人が調査すればバレて証拠を処分されてしまう可能性がありますが、探偵のような専門家であればバレることなく証拠を集めることが可能です。

また、素人の証拠は裁判で証拠にならないケースも多いのですが、プロが集めた証拠があれば慰謝料請求や裁判でも有利になります。

勝手にログインしてスマホを見るのは違法!

ここで1点、注意したいことがあります。

いくら証拠をつかみたいからと言って、ロックされている配偶者のスマホに勝手にパスワードを入力してログインするのは「不正アクセス禁止法」に抵触します。

また、夫婦間でもプライバシーは尊重されるので、勝手にのぞき見るのは要注意です。「たまたまスマホが開いていて、不倫を疑わせる画面が見えた」という形にしましょう。

この辺りや慰謝料については弁護士に相談しながら進めるのがおすすめです。

スマホ離婚で慰謝料などの金銭を請求されたら支払うべき?

次に配偶者からスマホ離婚を切り出された場合のお金についてご説明します。

スマホ離婚で金銭を請求された場合、支払うべきものとして次の4点があります。

  1. 養育費
  2. 財産分与
  3. 別居中の婚姻費用
  4. 慰謝料

養育費は払う義務がある

子どもがいる夫婦が離婚する場合、親権を持たない方が相手(親権者)に養育費を払う義務があります。金額は夫婦で話し合って決めますが、どちらに離婚原因があっても親権を持たない方は子どもが成長するまで支払わなければなりません。

養育費について詳しいことはこちらの記事でご説明しています。

財産分与も義務がある

財産分与は結婚してから夫婦で築いたものすべてが対象です。預貯金、家、自動車、家電製品などほとんどが対象で、離婚時には離婚原因の有無にかかわらず折半にします。

そのため、スマホや不倫が原因であっても、相手と平等に分けなければなりません。

財産分与についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。

別居中の婚姻費用は話し合い次第

夫婦が別居する場合に収入の多い方が少ない方に支払うのが「婚姻費用」です。金額は話し合いで決めますが、離婚が成立すれば支払いは終了します。

婚姻費用に関してはこちらの記事が参考になります。

慰謝料もケース次第で支払う

慰謝料は不倫や暴力・モラハラなどで配偶者に精神的な苦痛を与えた場合に損害賠償として支払うものです。金額は話し合いで決めますが、離婚原因や婚姻期間、夫婦の年齢、子どもの有無などさまざまな要因によって変わります。

離婚慰謝料については、こちらの記事で詳しくご説明しています。

このように離婚に際して支払うべきお金がありますが、状況によっては減額が可能です。金額の決め方や相手側との交渉は弁護士に相談してみましょう。

スマホ離婚をしないために知るべき対処法・知識

「たかがスマホで」と思うかも知れませんが、スマホが原因で離婚になるのは悲しいものです。

不倫している場合は証拠を押さえられると言い逃れができませんが、スマホ依存の場合は次の対策を取ることで離婚を避けることができます。

  • 1日の中でスマホを見る時間を決める
  • 週に1~2度デジタルデトックスの日を決めてスマホやPCを見ない日を作る
  • 食事中や家族で外出中などスマホを見ないシーンを決める
  • スマホ課金の上限を設定する
  • 夫婦や家族で楽しめる趣味を見つける

1日の中でスマホを見る時間を決める

スマホ依存になってしまうと、少しでも時間ができるとスマホを見てしまいます。そこで、子どもと同じように「1日○時間まで」というように見る時間を決めてしまいましょう。

もちろん配偶者に命令したり一方的に決めると夫婦けんかになりますし、場合によってはモラハラになってしまいます。

自分が離婚したいほどにさびしい思いをしていることを伝えて、スマホの時間を決めるように提案してみましょう。

週に1~2度デジタルデトックスの日を決めてスマホやPCを見ない日を作る

「デジタルデトックス」とは、パソコンやスマホなどのデジタル機器から距離を置いて心身をリフレッシュさせることを言います。

現代社会ではデジタル機器は必要不可欠なものですが、それによって疲れを感じたり、人間関係が悪化したりすることもあります。

あえて見ないようにすることで夫婦の会話が増えて新鮮な気持ちが取り戻せますよ。

食事中や家族で外出中などスマホを見ないシーンを決める

食事中もスマホの画面を見ている人がいますが、それでは家族の会話が成り立ちません。

そこで夫婦間や家族間で「食事中はスマホを見ない」「家族で出かけるときはスマホは見ない」といったシーンごとに約束を決めるといいでしょう。

スマホ課金の上限を設定する

スマホゲームに夢中になると、ついつい熱が入ってしまい課金してしまいます。1回の金額は数百円でも1ヶ月のトータルにすると1万円を超えることもあるようです。

スマホによっては1ヶ月の課金額や決済可能額の上限を設定できるようになっています。事前に上限を設定しておけば課金できず、ゲームもつまらなくなってスマホを見る機会も減っていくでしょう。

また、どうしても課金してしまうという人は家計費からお金を出すのではなく、自分の小遣いで捻出するようにしてもらうのもひとつの方法です。

夫婦や家族で楽しめる趣味を見つける

夫婦で登山やガーデニング、映画鑑賞などスマホを見ずに楽しめる共通の趣味を見つけてみましょう。

最初はぎこちなく感じても、次第に楽しめるようになります。
夫婦の会話が増えて、離婚を回避できるでしょう。

スマホ離婚について~まとめ

スマホは便利で手元にあれば調べ物から音楽や動画、ゲームといった娯楽まで楽しめます。

しかし、スマホ依存になり家族との会話が減ることで離婚に至ることがあります。また、スマホがきっかけで配偶者の不倫を知り、離婚を決意したというケースもあります。

配偶者から離婚だけでなく慰謝料請求されると大変ですので、早めにスマホ依存から脱して離婚を回避しましょう。

スマホが原因で離婚や慰謝料請求になる場合は、弁護士に相談することで問題解決が可能になります。

ただ不倫やモラハラなどをしている場合を除き、せっかく結婚したのにスマホが原因で離婚になるのは悲しいので、可能であれば適切な対処を行いこじれる前に解決しましょう。

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