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養育費相場はいくら?子供の人数年収別の計算方法も

養育費相場はいくら?子供の人数年収別の計算方法も

離婚をすると親権を持つ方は、相手側に対し養育費を請求できます。ただ養育費の金額や支払い期間に法的な決まりはなく、相場が記載された「養育費算定表」を元に双方の話し合いで決定します。

このページでは離婚時の養育費の計算方法や相場、少しでも高く請求するポイントなどについて紹介していますので参考にして下さい。

離婚時の養育費の計算方法は?

離婚_養育費_相場_計算方法

養育費は離婚時から子どもが成人するまでの間にかかる衣服費や医療費、教育費、生活費など生活をするのに必要な費用全般を指します。

養育費の金額には法的な決まりはありませんが、基本的に権利者(養育費を貰う方)が、義務者(養育費を支払う方)と同レベルの生活ができる程度の金額が計算の目安とされています。

なお、養育費はあくまで子どもの生活費として支払われるもので、別れた配偶者の生活費ではないので注意してください。

義務者の年収が多いほど養育費は高くなる!

また、養育費の計算は、まず養育費を支払う方(義務者)と受け取る方(権利者)の基礎収入を算出します。

基礎収入とは、総収入から公租公課(税金や社会保険料など)、住居費などを差し引いた処分可能な金額を指します。その金額に一定割合を掛けて養育費を算出することになります。

しかし、この計算方法は手間と時間がかかるため、実際にはあまり利用されていません。多くの場合は裁判所が公表している「養育費算定表」に基づいて算出されます。

裁判所;http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/

正直かなり見づらいのですが、「養育費算定表」は義務者と権利者の年収、自営業かサラリーマンか、子どもの数を元に計算されています。

一般に養育費は次のケースの場合が高くなります。

  • 義務者の年収が高いほど養育費は高い
  • サラリーマンより自営業の方が高い
  • 子どもの年齢が高いほど養育費は高い
  • 子どもの数が多いほど養育費は高い

【令和見直し版】の養育費算定表から見る相場は?

離婚_養育費_相場_養育費算定表

上記の養育費計算方法では税金(税制)や社会情勢、物価などが大きく影響しますが、養育費算定表は長らく見直しがされていませんでした。

それでは実情にそぐわないということで、令和元年(2019年)に16年ぶりに養育費算定表が見直しされました。

ここでは2019年12月23日に発表された養育費算定表を元に夫と妻の年収、子どもの年齢別の養育費相場をご紹介します。

いずれも権利者(養育費を受け取る方)は平均とされているパート(給与所得者)で年収は200万円、受け取る養育費は1ヶ月分の金額と仮定しています。

そこに義務者(サラリーマン、自営業)の年収別に養育費の目安を合わせています。もしあなた(権利者)の年収が200万以上なら表よりも安くなりますし、反対に専業主婦で年収が0なら表よりも高くなるでしょう。

0歳~14歳までの子どもが1人の場合の養育費相場

0歳~14歳までの子どもが1人いる場合の、義務者の年収別養育費は下記の通りです。

年収 サラリーマン 自営業
300万円 2万~4万円 2万~4万円
400万円 2万~4万円 4万~6万円
500万円 4万~6万円 6万~8万円
600万円 4万~6万円 8万~10万円
700万円 6万~8万円 8万~10万円
800万円 8万~10万円 10万~12万円

15歳以上の子どもが1人の場合の養育費相場

15歳以上の子どもが1人いる場合です。

年収 サラリーマン 自営業
300万円 2万~4万円 4万~6万円
400万円 4万~6万円 6万~8万円
500万円 4万~6万円 8万~10万円
600万円 6万~8万円 8万~10万円
700万円 8万~10万円 10万~12万円
800万円 10万~12万円 12万~14万円

0歳~14歳までの子どもが2人の場合の養育費相場

子ども2人がどちらも14歳までの場合です。

年収 サラリーマン 自営業
300万円 2万~4万円 4万~6万円
400万円 4万~6万円 6万~8万円
500万円 6万~8万円 8万~10万円
600万円 8万~10万円 10万~12万円
700万円 10万~12万円 14万~16万円
800万円 10万~12万円 16万~18万円

15歳以上の子どもが2人の場合の養育費相場

子ども2人がどちらも15歳以上の場合です。

年収 サラリーマン 自営業
300万円 2万~4万円 6万~8万円
400万円 4万~6万円 8万~10万円
500万円 6万~8万円 10万~12万円
600万円 8万~10万円 12万~14万円
700万円 10万~12万円 16万~18万円
800万円 12万~14万円 18万~20万円

子ども2人(0歳~14歳が1人、15歳以上が1人)の場合の養育費相場

兄弟で下の子が14歳まで、上の子が15歳以上の場合です。

年収 サラリーマン 自営業
300万円 2万~4万円 4万~6万円
400万円 4万~6万円 6万~8万円
500万円 6万~8万円 10万~12万円
600万円 8万~10万円 12万~14万円
700万円 10万~12万円 14万~16万円
800万円 12万~14万円 16万~18万円

0歳~14歳の子どもが3人の場合の養育費相場

子ども3人がすべて14歳までの場合です。

年収 サラリーマン 自営業
300万円 4万~6万円 6万~8万円
400万円 6万~8万円 8万~10万円
500万円 8万~10万円 10万~12万円
600万円 10万~12万円 12万~14万円
700万円 10万~12万円 16万~18万円
800万円 12万~14万円 18万~20万円

15歳以上の子どもが3人の場合の養育費相場

子ども3人がすべて15歳以上の場合です。

年収 サラリーマン 自営業
300万円 4万~6万円 6万~8万円
400万円 6万~8万円 8万~10万円
500万円 8万~10万円 12万~14万円
600万円 10万~12万円 14万~16万円
700万円 12万~14万円 18万~20万円
800万円 14万~16万円 20万~22万円

裁判所が提示している養育費算定表のパターン一覧

このように子どもの年齢と数、親の年収によって養育費の目安は異なります。ここでご紹介した裁判所の養育費算定表には、次の9パターンがあるのでご自身に該当するものをチェックしてみてください。

  1. 子ども1人(0歳~14歳)
  2. 子ども1人(15歳以上)
  3. 子ども2人(2人とも0歳~14歳)
  4. 子ども2人(2人とも15歳以上)
  5. 子ども2人(0歳~14歳が1人、15歳以上が1人)
  6. 子ども3人(3人とも0歳~14歳)
  7. 子ども3人(3人とも15歳以上)
  8. 子ども3人(0歳~14歳が2人、15歳以上が1人)
  9. 子ども3人(0歳~14歳が1人、15歳以上が2人)

こちらの裁判所のサイトから見ることができます。

裁判所:http://www.courts.go.jp/about/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

離婚時に養育費を相場よりも高くもらう方法

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いくら離婚後に働くとは言っても、元々の夫婦2人分の収入まではなかなか稼ぐことはできないかと思います。しかし、子どものために養育費は少しでも多く獲得したいものです。

そこで、養育費をこういった目安や相場よりも多くもらう方法をご紹介します。ポイントは次の3つです。

  • 相手の収入を正確に把握する
  • 子どもの進路や教育の予定(計画)を明確にする
  • 協議離婚の方が養育費の交渉はやりやすい

相手の収入を正確に把握する

養育費の金額は、あくまでも支払い義務者の生活と同等レベルの生活ができる金額が目安とされています。

また、養育費算定表も相手の収入と自分の収入を元に算出するため、相手の収入を正確に把握しておくことが重要です。

計算の根拠となる収入を明確にするためにも、離婚(別居)する前に相手の給与明細や源泉徴収票などをコピーしておくことが有効です。

子どもの進路や教育の予定(計画)を明確にする

仮に夫婦仲が離婚するほどに悪くなっても、子どもを思う気持ちは夫婦どちらも変わりません。そのため、養育費を多く請求するには、子どもの進路や教育の予定を明確にして相手の親心に訴えると効果的です。

例えば次のような話をして「子どもの教育にお金がかかる」「子どもにはお金をかけたい」という気持ちを訴えましょう。

  • 〇〇の能力があるから、その分野の専門大学に進ませたい。ついては高校、大学で〇〇万円が必要。さらに入試のための塾の費用として〇〇万円が必要
  • スポーツや芸術に興味があり、本人はその道に進みたいと希望している。そのためのスクール費用、大学の専門学科への進学などの費用として〇〇万円が必要
  • 中学受験で私立の中高一貫校に進学を希望している。その後は〇〇大学への進学が有利になるため、今から塾に通わせたい。トータルで〇〇万円が必要

なお、子どもが幼少の場合はどんな進路に進むのかはわかりませんが、一般的に幼稚園、小学校は公立、中・高・大学は私立の場合でかかる費用を算出して、それに見合う養育費を請求するといいでしょう。

また、子どもの健康面(持病やアレルギーなど)で長期の通院や治療が必要な場合は、それも説明して多めに慰謝料を請求すると効果的です。

協議離婚の方が養育費の交渉はやりやすい

裁判で離婚、養育費の請求をすると、上記の養育費算定表に基づいて決定されることが多いため、高額養育費の受け取りは期待できないと言われています。

しかし協議離婚なら双方の話し合いで合意すればOKなので、より高額の養育費を請求するなら協議離婚がおすすめです。

ただし、離婚は養育費以外にもさまざまな観点での話し合いが必要になります。トータルで考えて、少しでも自分や引き取る子どもにとって有利になるように進めましょう。

そのためには専門的な知識が必要になります。離婚問題に強い弁護士に相談すると安心です。

参考:養育費の平均相場は?

離婚時の養育費相場まとめ

養育費は「養育費算定表」を元に算出されており、基本的に相場もそこに則っています。ただ、これはあくまでも目安なので、実際には子どもの希望する進路などを伝えることで、相場よりも多く養育費を獲得することに成功しているケースも多いです。

特に協議離婚では養育費の話し合いを比較的冷静な状況下で行うので、世間の相場よりも多く獲得しやすいです。なお、離婚では養育費に限らず財産分与や婚姻費用分担請求、慰謝料など様々なお金が絡みます。

そのため、どうしても専門的な知識が必要になりますので、不安を取り除いたり少しでも損をしたくない場合は、一度離婚問題に強い弁護士に無料相談してみましょう。

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