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離婚ではへそくりも財産分与の対象?バレないよう隠す方法も紹介

離婚ではへそくりも財産分与の対象?バレないよう隠す方法も紹介

基本的に離婚時には夫婦の共有財産を折半(2分の1に分ける)にします。これを「財産分与」と言い、住宅や自動車、貯金、退職金、年金なども財産として分けることになっています。

では、配偶者に内緒で貯めた「へそくり」は離婚時に財産分与の対象となるのでしょうか?

今回はそんな離婚時のへそくり処遇とともに、バレないように隠す方法についても詳しく説明します。

結論:へそくりも離婚時の財産分与の対象!

離婚_へそくり_財産分与_対象となる

へそくりは相手が知らないだけで、夫婦共有の財産となります。そのため、離婚の際にはへそくりも財産分与をしなければなりません。

離婚時の共有財産や貯金の財産分与に関しては以下の記事をご覧下さい。

離婚でバレずにへそくりを貯める方法

へそくりが見つかったら離婚時に半分は相手に渡さないといけません。

つまり、バレなければ離婚をしてもへそくりの財産分与をする必要がないという事になります。

では、バレずに貯めることはできるでしょうか?そのためには次のような方法が考えられます。

  1. 配偶者が知らない預金口座を開設する(通帳がないネットバンキングなら見つかりにくい)
  2. 株式や投資信託に投資する
  3. 子どもの名義で貯金する
  4. 現金をタンスの中などに隠し持つ

最近の株式投資はネットが中心です。①のネットバンキングや②のネットでの投資は、IDとパスワードがわからなければ調べることができません。

子ども名義の貯金も財産分与の対象に!?

へそくりで思いつく方法として子ども名義の貯金があります。しかし、子ども名義の貯金でもお年玉を貯めた場合とへそくり用として子ども名義の通帳を作る場合では扱いが異なるので注意が必要です。

子どもがお年玉を貯めたものは子どもの財産

子どもがお正月にもらったお年玉を子ども名義の預金口座に貯めている場合、そのお金は子ども名義の財産となり離婚時に財産分与の必要はありません。

夫の収入や生活費の中から子ども名義で貯めたものは夫婦の共有財産

一方、子ども名義の預金口座を作り、妻が夫の給料から貯金したものは夫婦の共有財産となり、離婚時には財産分与の対象となります。

つまり、お金の出どころがどこかが問題になるわけです。

過去の判例から、子どもに関するお金の財産分与についてまとめると下記のようになります。

内容 財産分与の対象になるかどうか
お年玉 ならない
子どもがもらったお小遣い ならない
子どものアルバイト代 ならない
出産祝いや入学祝い なる
出産一時金 なる
児童手当 なる
学資保険の祝い金や満期金 なる

離婚時に夫(妻)のへそくりを見つける方法

離婚_へそくり_財産分与_隠し場所ランキング

夫(妻)がへそくりをしているかも知れないというときは、まず家の中に現金や自分が知らない預金通帳を隠し持っていないか探してみましょう。

へそくりの隠し場所ランキング

へそくりの隠し場所として多いのは、次のところです。

  1. タンスやクローゼットの中・タンスの引き出しの中
  2. 机の引き出しの中
  3. リビングやキッチンの戸棚の中
  4. 本棚・本の間
  5. ベッドの下やヘッドボード(棚)の中、ベッド下の収納ケースの中などベッドまわり
  6. 冷蔵庫の中
  7. 神棚や仏壇の中
  8. 絵画や写真の額縁の後ろ

どれもありがちな場所ですね。もし配偶者のへそくりや隠し財産があると思われる場合は、まずこういった場所を探してみましょう。

郵便物の開封やパソコンの無断ログインは違法なので要注意!

配偶者のへそくりが気になるからと言って、配偶者宛ての郵便物を勝手に開封したり、パソコンに無断でログインしたりするのは違法行為です。

露呈すればむしろこちらが慰謝料を請求される可能性がありますので、疑わしい場合も行わないようにしましょう。

配偶者宛ての郵便物を勝手に開封する 正当な理由がない場合は「信書開封罪」にあたる (※)
配偶者のパソコンに無断でIDやパスワードを入力してログインする 「不正アクセス行為」にあたる

(※:正当な理由とは夫宛てに届いた電話代や電気代の請求書や利用明細書などを指します。)

へそくりや隠し財産がわからないときの対策

離婚の財産分与で配偶者のへそくりがあるかどうかを調べたいが、自分ではわからないときは離婚調停や裁判の際に、裁判所に調査嘱託を申し立てることで金融機関での預貯金の取引履歴を調べることができます。

これは民法第768条に定められているもので、正当な方法です。

民法第768条
・協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
・前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
・前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

裁判所への調査嘱託申立書の書き方

「調査嘱託申立書」に次のように記入し、裁判所に提出します。

令和○○年(家ホ)第○○○号
○○請求事件
原 告 ○○ ○○
被 告 ○○ ○○

調査嘱託申立書

令和○○年○月○日

〇〇家庭裁判所     支部・出張所  御中
■原告 □被告 ■代理人弁護士   ○ ○ ○ ○   印

頭書の事件につき,下記のとおり調査嘱託の申立てをします。

1 証明すべき事実
財産分与の対象となる被告名義の資産状況

2 嘱託先
別紙のとおり

3 調査対象者
別紙のとおり

4 調査事項
別紙のとおり

(別紙1・銀行)
1 嘱 託 先
住 所 〒000-0000 〇〇市△△町1-2-3
名 称 株式会社□□銀行 □□支店
担 当 残高照会係         電話番号 **-****-****

2 調査対象者
住 所 〒100-0000 〇〇市〇〇区〇〇町4-5-6〇〇ハイツ 102号室
旧住所 〒000-0000 □□県□□市□□町7-8-9 □□マンション202
フリガナ ヤマダ アキラ 性 別 ■男  □女
 氏 名  山田 明
生年月日 □大正 ■昭和 □平成   〇〇年 〇〇月〇〇日生

備 考

3 調査事項
被告名義の口座の有無及び口座が存在する場合の令和○○年○月○日時点の預金残高

財産は預金や有価証券だけでなく、生命保険の満期金や解約返戻金なども含まれます。

ただ、上の記入例からもわかる通り、この調査嘱託の申立をする場合は金融機関名や支店名が必要になります。

金融機関の調べ方

では、金融機関をどのように調べればいいのでしょうか。

例えば口座開設している銀行からはお得な金利情報などのお知らせが届きますし、投資の場合は「配当支払通知書」などが郵送されるので開封できなくても、金融機関名や証券会社名を控えておきましょう。

ただし、証券会社の電子交付サービスを利用している場合は郵送されません。また、上でも書いたように勝手に開封するのは違法行為です。注意してください。

自分で調査できない場合は探偵や弁護士に相談

自分では金融機関や証券会社の名前すらわからないという場合でも、弁護士や探偵事務所ではさまざまな方法を熟知しています。

まずは無料相談をしてみましょう。特に弁護士なら裁判所への申立も依頼できます。

離婚後でもへそくりの財産分与は可能?

仮に離婚したときに相手にへそくりや隠し財産があることがわからなくても、離婚後に生命保険会社からお知らせが届いたり、元夫(妻)の銀行からお知らせが届いたりしてへそくりが発覚することがあります。

その際には上記の民法768条にあるように2年で時効を迎えるので、それまでの期間であればへそくりの財産分与を請求することができます。

へそくりの調査や財産分与の交渉は専門家に依頼

隠し財産の調査や財産分与の交渉などはひとりで行うのはなかなか困難です。特に離婚が成立してから請求するのは、相手が拒否する可能性もあります。

調査や財産分与は離婚問題に強い弁護士に相談しながら進めるとスムーズです。

離婚時のへそくりは財産分与の対象になるか~まとめ

もし配偶者にへそくりがあれば、それも夫婦共有の財産となり離婚時に財産分与しなければなりません。

そのため、隠す側はバレないようにへそくりを貯める必要がありますし、探す側は法律に抵触しない範囲で探す必要があります。

へそくりは現金としてタンスの引き出しの中などに隠し持つだけでなく、最近は開設が発覚しないネットバンキングで貯める人も多いです。

そのためひとりで探し当てるのは困難ですし、上手くへそくりを見つけても法律知識のない素人では財産分与をするように交渉するのも大変です。

金額にもよりますが、離婚問題に強い弁護士や探偵などに相談して、損をせずしっかり獲得するようにしましょう。

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