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離婚慰謝料の相場や請求可能不可能なケースを20のパターン別に徹底解説!

離婚慰謝料の相場や請求可能不可能なケースを20のパターン別に徹底解説!

離婚慰謝料の法律における定義

離婚慰謝料とは、離婚の原因となった者が支払う慰謝料のことです。離婚時に必ずもらえるものではなく、相手に責任がなければ請求できません。

そのため、女性だけでなく男性側が慰謝料を請求するケースもあります。

離婚慰謝料の種類は?

離婚慰謝料には大きく分けて次の2つの種類があります。特に区別することなく、どちらも相手側に請求できます。

離婚原因による慰謝料

こちらは離婚の原因となるような不貞や暴力が行われた場合の、精神的・肉体的苦痛に対する慰謝料です。

離婚自体の慰謝料

こちらは離婚により生活が変化したり、今の地位を失うことによる諸々の損害、つまり離婚によって生じる影響への慰謝料です。

離婚慰謝料を請求する相手は責任のある者になる

たとえば離婚原因が不貞行為というケースでは、配偶者の浮気相手にも慰謝料の請求ができます。

ただし、浮気をした配偶者が結婚していることを隠していた場合など、浮気相手に落ち度がない場合は請求ができません。

配偶者以外からの離婚慰謝料の請求は可能?

離婚により損害を被るのは配偶者だけではありません。家族も大きな苦痛を感じることでしょう。特に子どもは両親と同居できなくなり、生活が苦しくなる、進学に影響するなど、多大な損害を被る可能性があります。

しかし、実際には子どもからの慰謝料請求が行われることはほとんどありません。全くではありませんが、大半の場合は請求が認められないからです。

離婚したからと言って親子関係は消滅しませんし、子への愛情がなくなるとは言えません。実際離婚をしても扶養義務もありますし、子どもは万が一親が亡くなった時の相続人にもなります。

ただし、子がいることから、今後元妻が負う苦労や金銭的な出費を加味して配偶者への慰謝料額が増額されることはあります、

ケース別の離婚慰謝料の相場

一般的な離婚慰謝料は、50万円から数百万円です。離婚の理由や責任の重さによって額は異なりますが、100万円~200万円程度に落ち着くことが多いでしょう。

では、以下にまず主な3つのケースの離婚慰謝料の相場を見ていきましょう。

協議離婚の場合

協議離婚の場合、慰謝料について夫婦で話し合って決めます。

一般的な離婚慰謝料の相場は50万円~300万円ですが、協議離婚の場合は世間の相場を参考にしながらお互いの状況などを考慮して決めるといいでしょう。

裁判離婚の場合

協議や調停で離婚が成立しない場合は裁判を行います。この場合の慰謝料相場は100万~300万円前後になるケースが多いです。

ただし、請求される側(被告)が一方的に悪い場合は請求側(原告)の主張や請求金額が通りますが、原告側にも非がある場合は請求額よりも低くなります。

また、過去の判例を踏まえて判断するため、希望通りの慰謝料が請求できない可能性もあります。

裁判で慰謝料を請求するには証拠を提出する必要があります。法律の専門用語も多いため、裁判を有利に進めるには離婚問題に強い弁護士に依頼するといいでしょう。

円満離婚の場合

円満離婚とは、夫婦が揉めることなく離婚に至ったケースを指します。話し合いで離婚が成立していることから協議離婚の一種として分類されることもあり、慰謝料は妻あるいは夫が放棄することも多いです。

ただ財産分与に関してはしっかり行われるケースが多いので、夫婦で相談の上で自由に分与を進めていきましょう。

メリットやデメリット等の詳細は以下の記事でご説明しています。円満離婚を検討している方は合わせてご覧下さい。

その他の離婚慰謝料の相場

では、続いて様々なケース別の離婚慰謝料の相場を見ていきましょう。

不貞行為(浮気)が原因の離婚慰謝料:100万円~300万円

不貞行為が理由で離婚する場合の慰謝料の相場は、100万円~300万円です。婚姻年数や、不貞の内容などによって金額が変化します。

暴力やモラハラが原因の離婚慰謝料:50万円~300万円

暴力やモラハラ(モラルハラスメント)による離婚慰謝料の相場は50万円~300万円です。金額に幅が理由は、暴力やモラハラの内容や回数、期間によって責任の重さが異なるためです。

悪意の遺棄による離婚慰謝料:50万円~300万円

悪意の遺棄とは、「相手に収入がないことを知っているのに生活費を渡さない」「正当な理由のない同居拒否」「健康なのに働かない・家事をしない」というような行為をいいます。

民法で夫婦は「同居」「協力」「扶養」の義務があるとされていますが、これらの義務を正当な理由なく怠ったということです。

悪意の遺棄による離婚慰謝料の相場は50万円~300万円です。

さらに、「生活費を渡さない」「理由なく突然家をでていった」というようなケースでは、婚姻費用も請求できます。

婚姻を継続しがたい重大な事由:100万円~300万円

婚姻を継続しがたい重要な事由とは、性交渉の拒否や過度な宗教活動などをさし、慰謝料を請求できるケースもあります。
しかし、どのような事柄が婚姻を継続しがたい重要な事由と認められるかはケースバイケースですので、一概には言えません。

婚姻を継続しがたい重要な事由による離婚慰謝料の相場は100万円~300万円です。

離婚原因別の離婚慰謝料相場
離婚原因など 離婚慰謝料相場
不貞行為 100万円~300万円
暴力やモラハラ 50万円~300万円
悪意の遺棄 50万円~300万円
婚姻を継続しがたい重大な事由 100万円~300万円

性の不一致による離婚の場合

性の不一致とは、病的な原因がないのにセックスレス状態になる場合や性的異常(SMプレイや1日に何度も求める)などを指します。

このような性の不一致状況を証明するのが難しいこともあり、慰謝料の相場は数10万円程度と言われています。

性の不一致で慰謝料請求できるケースやその方法など詳しいことはこちらの記事でご説明しています。

子なし離婚の場合

子なし離婚では養育費の問題がないため、話し合いは比較的スムーズに進みます。

慰謝料は離婚原因によって異なりますが、一般的に50万円~300万円が相場です。

また、それ以外に財産分与の問題も発生します。詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。

熟年離婚の場合

熟年離婚の慰謝料はそれに伴う離婚原因によって幅があり、10数万円~300万円が相場です。

また、それとは別に年金分割や退職金・不動産などの財産分与の問題が起こります。

熟年離婚を検討している方は、こちらの記事で具体的な内容をご説明していますので合わせてご覧になって下さい。

経営者(社長)との離婚の場合

配偶者が経営者(社長)の場合で離婚するときには、慰謝料のほかに財産分与や自社株の分与といった問題が発生します。

また、経営者のように社会的地位が高い人や、収入が多い人に請求する慰謝料の金額は相場よりも高くなります。

経営者(社長)との離婚については、損をしないためにも慰謝料の相場や請求方法を知っておきましょう。以下の記事が参考になります。

離婚後に請求された(した)場合

離婚が成立してからでも慰謝料請求の事由に該当し、時効を迎えていない場合は慰謝料の請求ができます。

離婚後だからといって相場より低くなることはありません。

ただ請求方法が通常の離婚慰謝料と比べて少々特殊なものとなります。

詳しくは以下の記事で詳しくご説明していますので、離婚後の慰謝料請求を検討している方は合わせてご覧下さい。

W不倫(浮気)にとる離婚の場合

既婚者同士が配偶者とは別の異性と不倫するW不倫の慰謝料の相場は100万円~300万円です。

ただこちらは婚姻期間や子どもの有無、不倫期間などさまざまな要素で変わってきます。

結婚前の浮気が発覚した場合

結婚前であっても婚約状態のときの浮気であれば慰謝料請求が可能です。

ただし、婚約状態を証明することなどが必要になるため、事前に方法を確認しておきましょう。

家庭内別居中だった場合

離婚するまでの一定期間が家庭内別居状態だった場合の慰謝料相場は、一般的には50万~300万円が相場となっています。

ただし、家庭内別居中の場合は「すでに婚姻関係が破綻している」とみなされるため、仮にその期間中に配偶者が不倫しても慰謝料請求はできません。

しかし、家庭内別居に至る理由としてDVやモラハラがあるなど、それ以外の理由で離婚するときは慰謝料請求できる場合があります。

離婚相手が無職だった場合

無職の夫(妻)には収入がないため慰謝料請求は難しいことが多いのですが、財産の差し押さえや今後働いて得る収入から払ってもらう方法などがあります。

また、無職でも養育費の支払い義務はあります。無職の配偶者と離婚する場合は以下の記事が参考になります。合わせてご覧下さい。

相手のうつ病による離婚の場合

相手がうつ病で婚姻生活が破綻している場合は離婚できますが、相手に収入がないために慰謝料の請求は困難です。

ただ、相手の資産状況などケースバイケースで異なります。

風俗(ホスト)通いによる離婚の場合

夫の風俗通い、妻のホスト通いが原因で離婚したときの慰謝料は不貞行為(性行為)がある場合は不倫の慰謝料と同じで100万円~300万円が相場です。

一方、風俗(ホスト)通いで貯金を使い込んだ場合は財産分与で使った金額を清算する方法があります。

相手の借金が原因で離婚の場合

配偶者に借金がある場合、それを証明することで離婚は可能です。

また、夫(妻)の借金によって精神的苦痛を受けた場合も慰謝料請求ができますが、相手の支払い能力によっては慰謝料の額は少なる可能性があります。

浪費癖が原因で離婚の場合

夫(妻)の浪費癖が原因での離婚では、慰謝料が請求できるケースとできないケースがあります。

請求できる場合でも金額はその理由や状況により異なりますので、該当する方は以下の記事をご覧下さい。

補足:離婚慰謝料の額は相場通りに決まるとは限らない

相手に大きな責任があったとしても、それを証明できなかった場合は慰謝料の支払い自体を否定されてしまったり、相場よりも少ない慰謝料額にとどまる可能性があります。
また逆に、交渉により相場よりも多くの慰謝料を請求できるケースもあります。

離婚慰謝料の額が不安な場合は、弁護士へ早めに相談することをおすすめします。

離婚慰謝料を相場以上に請求する方法

一般的に、協議離婚では相手は慰謝料の支払い額を少しでも抑えようと考えます。そのため話し合いがまとまらないこともあります。

相場以上に慰謝料を請求するには、有効な証拠を集めて裁判を起こすといいでしょう。ただ、自分ひとりで進めるのは困難です。

離婚問題に強い弁護士に依頼することで有利に進めることができます。

相場通りに離婚慰謝料の請求が認められる条件

離婚慰謝料は相手に離婚の責任があると認められる場合に請求できます。

「不貞」「暴力」「モラハラ」「同居の拒否」「性交渉の拒否」などです。

離婚が認められる要件とは

離婚自体は、相手の合意があればどのような理由でも成立します。相手が同意しなくとも離婚を請求できるのは次のような場合です。(民法第770条より)

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

生死不明の場合や、病気が原因の離婚は慰謝料を請求できませんから、その他の3つのケースで慰謝料請求ができるというわけです。

ただし、婚姻を継続し難い重大な事由の判断は難しいケースも多いでしょう。

例えばセックスレスなどでは一方のみの責任とは言い切れないことも多く、慰謝料請求のハードルは高くなります。

離婚慰謝料を請求できないケース

精神的・肉体的苦痛を味わったとしても、必ずしも離婚慰謝料を請求できるとは限りません。

離婚慰謝料が請求できない具体的なケースをみていきます。

性格の不一致

離婚原因で多くあるのが、性格の不一致ですね。性格の不一致は一般的に双方に原因があると考えられますので慰謝料は請求できません。

配偶者の親族との不和

配偶者ではなく、配偶者の親族とそりが合わないという理由の場合も同様に、慰謝料は請求できません。
ただし過剰に実家へ通うなど、夫婦生活への協力をしなかった場合には慰謝料請求できる可能性もあります。

双方に責任がある

双方に不貞などの責任がある場合は、離婚慰謝料を請求できない可能性があります。

婚姻関係が破綻していた

婚姻関係が破綻していた場合には、婚姻期間中であっても不貞による慰謝料請求はできません。

時効になった有責行為

ずっと前の不貞行為やDVなどでは、離婚慰謝料を請求できない場合があります。不貞行為やDVの損害賠償請求の時効は、その事実を知った時から3年、もしくはその事実があってから20年です。

浮気を知ってから3年以上経ってしまうと、その浮気に対する慰謝料は請求できないのです。浮気の事実を知らなくとも、20年経つと時効になります。
浮気相手への損害賠償請求権は、その者が誰かを知ってから3年です。

離婚慰謝料の請求する方法

離婚慰謝料は、直接話し合いをして請求する方法が一般的です。

直接交渉をしたくない場合や、相手が協力的でない場合、配偶者の浮気相手などの第三者へ請求する場合には、内容証明郵便による請求書の送付や弁護士による示談交渉、慰謝料請求訴訟などの手段があります。

離婚慰謝料請求のタイミング

離婚慰謝料は離婚と同時に請求するのが一般的ですが、時効前であればいつでも請求できます。離婚慰謝料の請求権の消滅時効は離婚後3年です。

また、DVや不貞など有責行為に対する慰謝料請求権の消滅時効は、その行為を受けたときもしくは、その行為を知った時から3年です。

離婚慰謝料請求に必要な証拠

配偶者や浮気相手が、浮気の事実を認めない場合などは、訴訟によって慰謝料を請求できます。その場合、相手の有責行為を立証する証拠が必要です。

一般的に、メールや通話記録だけでは不貞行為の証拠として不十分です。不貞があったことを証明できる具体的な証拠が必要でしょう。
DVの場合は診断書や写真などの記録が有効です。

離婚協議書を公正証書に

離婚協議は話し合いだけで成立しますから、あとで「言った・言わない」のトラブルになることもあるでしょう。

トラブルを防ぐため、話し合った内容は離婚協議書にしておくことをおすすめします。

相手がきちんと支払いをしてくれるか不安な場合は、公正証書にしておくことで、給料の差し押さえなどで強制的に支払いをさせることが可能になります。

離婚慰謝料の相場の確認や請求は弁護士に相談を

離婚慰謝料の相場には開きがあり、より多くの慰謝料を請求するためには証拠収集や交渉が有効です。

直接話し合って解決できればよいのですが、離婚する相手との話し合いは躊躇してしまうものです。

DVやモラハラが原因の離婚では、本人が直接交渉すること自体、困難と思われます。

不貞が原因の離婚では、冷静な話し合いができない可能性も高くなります。

また、浮気相手などの第三者への慰謝料請求では、話し合いの場を持つことすら難しいケースもあるでしょう。

弁護士なら証拠集めから示談交渉、慰謝料の相場まで相談できます。そして示談成立後に適切な離婚協議書を作成することで、慰謝料を確実に受け取れるのです。

離婚で慰謝料を請求したい方は、一度弁護士へ相談することをおすすめします。

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