離婚後の住宅ローンはどうなる?誰が支払うべき?おすすめ相談先も解説
離婚が決まると親権や財産、慰謝料等さまざまなことを話し合い、決めていかなければなりません。
その中でも大きな買い物である住宅は離婚時にローンが残っていることも多く、夫婦のどちらかが住むのか、それとも売却して手放すのかが重大な問題となります。
今回はそんな離婚後に住宅ローンはどうすべきなのかについて詳しくご説明します。
離婚後の住宅ローンについてまず考えるべき5つの事
離婚すると決まれば、家をどうするかについて考える必要があります。
次の点を順に確認していきましょう。
- 住宅ローンの残高を調べる
- 住宅ローンの名義人と連帯保証人が誰かを調べる
- 住宅の資産価値(売却価格)を調べる
- 売却するのかしないのかを決める
- 売却しない場合は夫婦のどちらが住み続けるのかを決める
住宅ローンの残高を調べる
住宅を売却するにしても、どちらかが住み続けるにしても、まず住宅ローンの残高と支払い期間を調べておく必要があります。
住宅ローンの残高や返済期間は「償還予定表」(ローンの返済計画書のようなもの)があればわかります。もしなければ、住宅ローンを組んでいる金融機関に聞いてみましょう。
住宅ローンの名義人と連帯保証人が誰かを調べる
次に住宅ローンの名義は誰になっているのかを調べます。
住宅ローンの名義人は次のパターンが考えられます。
- 夫のみ
- 夫と妻の共同名義
- 妻のみ
- 夫の名義で妻が連帯保証人になっている
なお、住宅の名義が誰になっているかも調べておきましょう。多くは住宅ローンの名義人が住宅の名義人になっていますが、中には違うケースもあるので念のために確認しておくと安心です。
住宅の資産価値(売却価格)を調べる
住宅を売却する場合でもしない場合でも財産分与の際に必要になるので、住宅と土地の資産価値(売却価格)を調べましょう。
売却する場合は、売却益で住宅ローンが完済できるのかどうか、完済できない「オーバーローン」の場合はどうするのかを考える必要があります。
住宅の査定は不動産鑑定士に依頼すると費用がかかるので、下記のような一括見積りサイトを利用するのがおすすめです。
参考:マンション売却ガイド
売却するのかしないのかを決める
いくらで売れるのかを調べたら、次に売却するのかどうかを決めます。
売却する場合、売ってもローンが残る「オーバーローン」と売ることでローンが完済できて売却益が出る「アンダーローン」の場合で財産分与の対応が異なります。
なお、なお、オーバーローンとアンダーローンに関しては、記事の後半で詳しく解説しておりますので、合わせて参考にして下さい。
売却しない場合はどちらが住むかを決める
売却しない場合は、夫婦のどちらが家に住み続けるかを決めます。
それによって住宅ローンの扱いが変わってきます。
では、次に売却せずにどちらかが家に住む場合について解説していきます。
離婚後もどちらかが家に住み続けるケースの住宅ローン
離婚してどちらかが家に住み続ける場合、次のケースで対応が異なります。
- 住宅ローンは夫の単独名義で、夫が家に残る場合
- 住宅ローンは夫の単独名義だが、家には妻が住み続ける場合
- 住宅ローンが夫婦名義の場合
- 妻が連帯保証人になっている場合の注意点
ひとつずつ詳しくご説明していきます。
住宅ローンは夫の単独名義で、夫が家に残る場合
住宅ローンが夫の単独名義で妻が連帯保証人になっていない場合は一番シンプルでわかりやすいですね。夫が今まで通り住宅ローンを支払いながら、家に住み続けます。
ただ、このときには、その他の財産分与の問題を考える必要があります。
例えば、家は夫を持つが、自動車は妻が持って行くなど不公平にならないように話し合いましょう。
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住宅ローンは夫の単独名義だが、家には妻が住み続ける場合
離婚で引っ越すことで子どもに転校させたくないというときなどは家に妻と子どもが住み続けるということがあります。
その場合の方法として、次の3つの方法が考えられます。
- 住宅ローンの名義は夫のままにして、妻は夫に家賃を支払う
- 住宅ローンの名義は夫のままで、夫は養育費の代わりとして住宅ローンを払い続ける
- 住宅ローンの名義を夫から妻に変える
住宅ローンの名義を夫から妻に変えるときの注意点
上記の1と2は住宅ローンの名義を夫のままにするため問題はありませんが、住宅ローンの名義を妻に変える場合は金融機関の審査を受ける必要があります。その際に妻の収入や資産、信用度などによっては審査が通らないことがあるので、そうなった場合の対策を考えなければなりません。
住宅ローンが夫婦名義の場合
住宅ローンが夫婦名義の場合、どちらか一方の名義にするのがいいのですが、多くの場合は住宅に住み続ける人の名義にします。
そして、共同名義のローンを単独名義にする方法として、住宅ローンの借り換えをします。ただ、もし住宅ローンの残高が多くあり、それに対して収入が少ないと借り換えの審査が通らないことがあるので注意が必要です。
その場合は貯金から住宅ローンの残高の一部を返済するなどの方法で、審査を通りやすくします。
妻が連帯保証人になっている場合の注意点
なお、いずれの方法でも妻が連帯保証人になっている場合、今後夫が何らかの事情で住宅ローンの支払いができなくなると妻に請求が来てしまいます。
そこで連帯保証人を外すのがベストなのですが、金融機関が認めてくれないケースが多いようです。対策としては別の連帯保証人を立てたり、夫が住宅ローンを借り換えたりする方法があります。
離婚後に家を売却するケースの住宅ローン
次に、離婚して家を売却する場合を見ていきます。
売却する場合は、売却益でローンが完済できるかどうかで対応が異なります。
売却しても住宅ローンが返済できないことを「オーバーローン」、完済できることを「アンダーローン」と言います。それぞれのケースについてご説明いたします。
オーバーローンになる場合
オーバーローン(住宅の売却益が住宅ローンより低い場合)は負債が残るので、財産分与の際に、その他の財産から負債分を引いた額を夫婦で折半します。
アンダーローンになる場合
アンダーローン(住宅ローンの残高よりも売却価格が上回った場合)は売却益の分をほかの財産と合わせて財産分与します。
ただ、夫婦が築いた財産の中には売却できないものや売却したくないもの(株などの有価証券、車、絵画、骨とう品など)があるので、その場合は話し合いや調停で財産分与を決めましょう。
なお、不動産の財産分与に関しては詳しくはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
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離婚後に住宅ローンがある場合、弁護士に相談が最適
住宅ローンがある夫婦の離婚はトラブルになりやすく、場合によっては後で連帯保証人に支払い請求が来ることがあります。
後々のトラブルを避けるためにも、他の財産分与の問題も含めて弁護士に相談するようにしましょう。
弁護士であれば互いの経済状況や離婚事由を考慮しつつ、適切な財産分与や住宅の権利の渡し方を教えてくれます。
離婚後の住宅ローンまとめ
離婚する際は住宅ローンの残高と支払い期間を確認し、査定額を出してもらって財産分与の話し合いをするのが最適です。
ただ査定額が低い場合は売却しても住宅ローンが残りオーバーローンになってしまったり、妻が住宅ローンの連帯保証人になっていると、夫の返済が滞ったときに妻に請求が来るなど、住宅ローンがある場合は状況によってさまざまな問題が起こります。
そのため、離婚後の住宅ローンについては弁護士に相談し、トラブルが起きないようしておくことをオススメします。
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