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離婚したら戸籍はどうなる?離婚歴の記載と子どもの戸籍の手続き

離婚したら戸籍はどうなる?離婚歴の記載と子どもの戸籍の手続き

離婚届を出す前に、ふと「戸籍はどうなるのだろう」と手が止まった方もいるのではないでしょうか。旧姓に戻るのか、子どもの戸籍はどこに残るのか、離婚歴は戸籍謄本に一生残るのか。離婚の話し合いと並行して考えるには、少し複雑な問題です。

最初に結論から。離婚すると、結婚のときに氏(名字)を変えた側だけが夫婦の戸籍から抜け、筆頭者はそのまま残ります。抜けた側は、親の戸籍に戻る(復籍)か、自分を筆頭者とする新しい戸籍を作るかを選ぶ形です。子どもは、親権者が誰になっても、何もしなければ元の戸籍に残ったままになります。

そして、離婚の事実は戸籍に「除籍」や「離婚」という形で記載されます。消すことはできません。ただ、転籍などをすれば新しい戸籍には引き継がれない、という仕組みはあります。

この記事では、離婚したら戸籍はどうなるのかという基本から、離婚歴の記載、離婚後に子どもの戸籍を母に移す手続きと費用、2024年以降に変わった制度まで、順を追って解説します。

離婚したら戸籍はどうなる?まず全体像を押さえよう

「戸籍なんて結婚のときに一度見ただけ」という方がほとんどでしょう。安心してください。仕組み自体はシンプルです。

筆頭者は残り、氏を変えた側が戸籍から抜ける

結婚すると、夫婦は新しい戸籍を一つ作り、どちらかが筆頭者になります。日本では夫の氏を選ぶ夫婦が多数を占めるため、妻が夫の戸籍に入る形が一般的です。

離婚が成立すると、民法767条により、結婚で氏を改めた側は原則として婚姻前の氏に戻ります。これに伴って、その人は夫婦の戸籍から除かれる、という流れです。筆頭者の側は、戸籍も氏もそのままで、身分事項欄に離婚の記載が加わるにすぎません。

例えば、夫が筆頭者で妻が夫の氏を名乗っていた夫婦なら、離婚で戸籍から抜けるのは妻の方になります。

戸籍から抜けた人が選べる3つの行き先

戸籍から抜けた側には、戸籍法19条に基づいて、次の3つの選択肢があります。

選択肢 氏(名字) 戸籍 届出
①婚姻前の戸籍に戻る(復籍) 旧姓 親の戸籍に戻る 離婚届だけでよい
②旧姓で新しい戸籍を作る 旧姓 自分が筆頭者の新戸籍 離婚届に「新しい戸籍をつくる」と記入
③結婚中の氏のまま新しい戸籍を作る(婚氏続称) 結婚中の氏 自分が筆頭者の新戸籍 離婚届に加えて、離婚後3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」

離婚届の用紙には「婚姻前の氏にもどる者の本籍」という欄があり、ここで「もとの戸籍にもどる」か「新しい戸籍をつくる」かにチェックを入れます。離婚届の書き方は、次の記事で詳しく確認してみてください。

復籍できないケース

親の戸籍に戻りたくても、戻れない場合があります。親がすでに亡くなるなどして元の戸籍が除籍されている場合や、親の戸籍自体がなくなっている場合です。このときは、②の新戸籍を作ることになるでしょう。また、後で説明するように、子どもを自分の戸籍に入れたいなら、復籍ではなく新戸籍を選ぶ必要があります。

離婚後の氏(名字)と戸籍はセットで決まる

「仕事で結婚後の名前が定着しているから変えたくない」という方も多いはずです。氏の選び方は、そのまま戸籍の形に直結します。

旧姓に戻す場合

何も届け出なければ、法律上は自動的に旧姓に戻ります。運転免許証、銀行口座、年金、保険、職場の登録など、変更手続きが多数発生するため、離婚前からリストを作っておくと慌てずに済むでしょう。

例えば、子どもがまだ小さく、母が親権者になる予定の場合を考えてみてください。母が旧姓に戻ると、子どもの氏を変えない限り、保育園や学校で母子の氏が異なる状態が続きます。「自分は旧姓に戻りたいが、子どもの氏は変えたくない」という希望も法律上は可能なので、氏の選択は子どもの戸籍をどうするかと一緒に考えるのが現実的です。

旧姓に戻るべきかどうかの判断材料や手続きの一覧は、こちらの記事でまとめています。

婚氏続称:結婚中の氏を使い続ける場合

民法767条2項と戸籍法77条の2により、離婚の日から3か月以内に市区町村役場へ「離婚の際に称していた氏を称する届」を出せば、結婚中の氏をそのまま使えます。元配偶者の同意は不要で、理由も問われません。

この届を出すと、氏は親の戸籍の氏と異なる扱いになるため、親の戸籍には戻れず、自分を筆頭者とする新戸籍が作られます。離婚届と同時に提出することもできるので、迷っているなら窓口で相談してみてください。

3か月を過ぎた場合は家庭裁判所の許可が必要

3か月の期限を過ぎてから「やはり結婚中の氏にしたい」と考えた場合、役所の届出だけでは変更できません。家庭裁判所に氏の変更許可を申し立て、「やむを得ない事由」があると認められる必要があります。費用は収入印紙800円分と連絡用の郵便切手で、申立先は申立人の住所地の家庭裁判所です。

逆に、一度婚氏続称を選んだ後に旧姓へ戻したい場合も、同じく家庭裁判所の許可が必要になります。離婚から日が浅ければ認められる例が多いとされますが、確実ではありません。どちらの氏で生きていくかは、3か月の間にじっくり決めておきましょう。

新しい戸籍の本籍地はどこにすべきか

新戸籍を作るとき、本籍地は日本国内の地番があるところなら原則として自由に決められます。結婚中の本籍地のままでも、実家でも、今の住所でも構いません。

本籍地は、戸籍謄本を請求する窓口や、離婚届・婚姻届の提出先に関わるだけで、住民票や税金、選挙とは関係がありません。どこに置いても生活上の不利益はないので、覚えやすさを優先して構わないでしょう。

実務上は、今後の住所地に置く人が多いようです。戸籍謄本が必要になったとき、本籍地が遠いと取り寄せに手間がかかっていましたが、2024年3月からは後述の広域交付制度で最寄りの役所でも取れるようになり、この不便はかなり軽くなりました。

離婚歴は戸籍謄本にどう記載される?

「再婚相手の親に戸籍を見られたら、離婚歴が分かってしまうのでは」と気にしている方もいるでしょう。記載のルールを正確に知っておくと、不安はかなり小さくなります。

「バツイチ」の由来と現在の記載

かつての手書き(縦書き)の戸籍では、離婚で戸籍から抜けた人の名前に大きな「×」が書かれていました。これが「バツイチ」という言葉の由来です。

現在はほとんどの市区町村で戸籍がコンピュータ化されており、×印は使われていません。代わりに、戸籍から抜けた人の欄に「除籍」と表示され、身分事項欄に「離婚」の項目として、離婚日や元配偶者の氏名、新しい本籍などが記載されます。筆頭者として残った側の戸籍にも、同じように離婚事項が記載される仕組みです。

戸籍に載る離婚の記載例

コンピュータ化された戸籍の身分事項欄には、おおむね次のような項目が並びます。

項目 記載される内容の例
離婚日 令和○年○月○日
配偶者氏名 元配偶者の氏名
送付を受けた日・受理者 本籍地以外で届け出た場合の経由情報
新本籍・入籍戸籍 戸籍から抜けた側の新しい本籍地や復籍先

裁判や調停で離婚した場合は「調停成立日」「裁判確定日」といった項目も加わり、協議離婚かどうかも読み取れます。

誰が見ると分かるのか:全部事項証明書と個人事項証明書

戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)には、その戸籍に載っている全員の身分事項が記載されるため、離婚の事実も載ります。一方、戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)は特定の人の事項だけを証明するものです。

ただし、本人の個人事項証明書でも、本人の身分事項欄に離婚が記載されていれば、その部分は表示されます。「抄本なら離婚歴が消える」というわけではない点に注意してください。

転籍・分籍で記載を「引き継がない」ことはできる

離婚の記載そのものを消す方法はありません。しかし、戸籍法108条に基づいて本籍地を別の市区町村に移す「転籍」をすると、新しく作られる戸籍には、戸籍法施行規則で定められた事項(出生、現在の婚姻、養子縁組など)だけが移記されます。すでに終わった離婚の事項は、転籍後の新しい戸籍には移記されません。

例えば、A市からB市へ転籍した場合、B市で発行される戸籍謄本には離婚の記載が載らなくなります。もっとも、A市に残る「除籍」や「改製原戸籍」をたどれば分かるため、相続手続きなどで過去の戸籍をさかのぼる場面では判明してしまうでしょう。あくまで「日常の手続きで見せる戸籍謄本には出てこなくなる」程度の効果だと理解しておいてください。

親の戸籍に復籍した人が自分だけの戸籍を作る「分籍」(戸籍法21条、18歳以上であれば可能)でも、同じ効果があります。

離婚後の戸籍謄本の取り方と手数料

離婚後の各種手続きでは、離婚の記載がある戸籍謄本を求められることが頻繁にあります。

  • 手数料は、戸籍全部事項証明書・個人事項証明書が1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本が1通750円(政令で定められた標準額)
  • 2024年3月1日からの広域交付制度により、本籍地以外の市区町村窓口でも、本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の戸籍証明書を請求できる
  • 広域交付は本人が窓口に出向く必要があり、顔写真付きの本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)が必須。郵送や代理人による請求はできない
  • 兄弟姉妹の戸籍、一部事項証明書、コンピュータ化されていない古い戸籍は広域交付の対象外

離婚後に戸籍謄本の提出を求められる主な場面も挙げておきましょう。

  • 子の氏の変更許可の申立て(子と父母の戸籍謄本)
  • 年金分割の請求(離婚の記載がある戸籍謄本)
  • 児童扶養手当の申請(自治体により省略できる場合あり)
  • パスポートの氏名変更、再婚時の婚姻届(本籍地以外に提出する場合)
  • 相続や不動産登記で、過去の身分関係を証明するとき

離婚直後は、離婚の記載が戸籍に反映されるまで1〜2週間程度かかることがあります。急ぎで必要な場合は、離婚届の受理証明書で代用できるか、提出先に確認してみてください。

離婚後の子どもの戸籍はどうなる?

ここからが、検索している方がもっとも知りたい部分かもしれません。「親権は私なのに、子どもの戸籍は元夫のまま」という状態は、実際によく起こります。

離婚しても子どもの戸籍と氏は自動では変わらない

離婚によって戸籍から抜けるのは配偶者だけで、子どもは元の戸籍にそのまま残ります。親権者を母にしても、監護者を母に定めても、戸籍の扱いは同じです。子どもの氏も変わらず、父が筆頭者であれば、母が旧姓に戻った時点で母と子の氏が別々になります。

戸籍が別でも、親子関係や親権には何の影響もありません。ただ、学校の書類や健康保険の手続きで氏が違うことを説明する場面が増える、子どもが戸籍を見たときに戸惑うといった、生活上の不便は生じがちです。

離婚後に子どもの戸籍を母に移す手続き

子どもを母の戸籍に入れるには、「一つの戸籍には同じ氏の人しか入れない」というルール上、まず子どもの氏を母と同じにする必要があります。民法791条に基づく、次の2段階の手続きです。

  1. 家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、許可の審判をもらう
  2. 許可審判書を添えて、市区町村役場に「入籍届」(戸籍法98条)を提出する

申立ての費用・必要書類・所要期間

項目 内容
申立先 子どもの住所地の家庭裁判所(子が複数なら、そのうち1人の住所地で可)
費用 収入印紙800円分(子1人につき)+連絡用の郵便切手(裁判所ごとに異なる)
必要書類 申立書、子の戸籍謄本、父・母の戸籍謄本(離婚の記載があるもの)
所要期間 父母の離婚に伴う申立ては、書類に不備がなければ即日〜数日で許可されることが多い

父母の離婚を理由とする子の氏の変更は、子の福祉に反する事情がない限り、ほぼ許可されます。例えば、母が旧姓の「佐藤」に戻り、子どもが父の氏「鈴木」のままという場合、「母と同じ氏にして同じ戸籍で生活するため」という理由を申立書に書けば十分でしょう。相手方(父)の同意書は不要で、父に意見を聞く手続きも通常はありません。弁護士に頼まなくても自分で進められる手続きなので、裁判所のサイトにある書式と記載例を使って申し立ててみてください。

15歳以上の子どもは本人が申し立てる

申立人は子ども本人です。子どもが15歳未満のときは、法定代理人である親権者が代わって申し立てます。15歳以上であれば、子ども自身が申立書に署名して申し立てなければなりません。中学3年生以上の子どもがいる場合は、本人の意思を確認したうえで進めることになります。

2026年4月以降、共同親権を選んだ場合は父母連名が原則

2026年4月1日施行の改正民法で、離婚後も父母双方を親権者とする共同親権を選べるようになりました。裁判所の案内によると、共同親権の場合、15歳未満の子の氏の変更許可の申立ては原則として父母が連名で行うことになります。調停・審判などで親権行使者が指定されていれば、指定された一方が単独で申し立てることも可能です。

共同親権を選ぶ予定で、かつ子どもの氏と戸籍を母に合わせたいなら、離婚の話し合いの段階で、この申立てに協力してもらうことまで取り決めておくと安心です。

母が実家の戸籍に復籍したままでは、子どもを入れられない

見落とされがちな注意点があります。戸籍法17条により、戸籍は「一組の夫婦と、同じ氏の子」で構成され、親・子・孫の三代が同じ戸籍に入ることはできません。

母が親の戸籍に復籍している状態で子どもを入籍させようとすると、祖父母・母・子の三代になってしまいます。このため、入籍届を出す時点で、母は自分を筆頭者とする新戸籍を作っている必要があるのです。離婚届で「新しい戸籍をつくる」を選んでおくか、いったん復籍した後に分籍の届出をしてから、入籍届を出す流れになります。

婚氏続称を選んでも、入籍届は必要

「結婚中の氏を続けるのだから、子どもと同じ氏のはず。手続きは要らないのでは?」と思う方は多いでしょう。

ところが、法律上は、婚氏続称で名乗る氏と、父の戸籍の氏は、読み方も漢字も同じでも「別の氏」として扱われます。したがって、子どもを母の新戸籍に入れるには、やはり家庭裁判所の子の氏の変更許可と入籍届が欠かせません。呼び名が変わらない分、手続きを忘れやすいので注意してください。

ケース別:こんなときの戸籍はどうなる?

基本を押さえたところで、相談の多い個別のケースを見ていきましょう。

離婚後300日以内に生まれた子ども

離婚後300日以内に生まれた子どもは、民法772条により、原則として前夫の子と推定され、前夫の戸籍に入ります。

ただし、2024年4月1日施行の改正により、母が離婚後に再婚してから生まれた子は、300日以内であっても再婚後の夫の子と推定されるようになりました。あわせて女性の再婚禁止期間も廃止されています。また、嫡出否認の訴えは、従来は夫だけに認められていましたが、子と母からも提起できるようになり、期間も1年から3年に延びました。

前夫の子ではないのに前夫の戸籍に入ってしまう事態を避けたい場合は、出生届の前に、市区町村の戸籍窓口や法務局に相談してみてください。

再婚した場合の子どもの戸籍

母が再婚して相手の戸籍に入っても、子どもは自動的には再婚相手の戸籍に入りません。母の戸籍に子どもがいた場合、母だけが新しい夫の戸籍に移り、子どもは母の元の戸籍に残ります。

子どもを再婚相手と同じ戸籍に入れ、法律上の親子にするには、養子縁組の手続きが必要です。養子縁組をしない場合でも、子の氏の変更許可を得て入籍届を出せば、同じ戸籍に入れることは可能ですが、相続や扶養の関係は親子になりません。どちらを選ぶかは、子どもの年齢や実父との関係も踏まえて決めましょう。

子どもが「もとの氏に戻りたい」と言ったら

母の氏に変更した子どもが、成長してから父の氏に戻したいと希望することもあるでしょう。民法791条4項により、子の氏を変更した子は、18歳になってから1年以内であれば、家庭裁判所の許可なしに、役所への届出だけで変更前の氏に戻ることができます。この期間を過ぎた場合は、家庭裁判所の許可が必要です。

まだ未成年のうちに戻したいという場合は、改めて子の氏の変更許可を申し立てることになります。

内縁関係を解消する場合

婚姻届を出していない内縁(事実婚)の場合、そもそも夫婦として同じ戸籍に入っていないため、関係を解消しても戸籍上の手続きは発生しません。ただし、内縁の夫が子どもを認知していれば、子どもの戸籍の父欄に認知の記載があります。子どもの氏を父の氏に変えたい、あるいは父の戸籍に入れたいという場合には、やはり子の氏の変更許可が必要です。

外国人の配偶者と離婚する場合

外国人と結婚した日本人は、結婚で新しい戸籍の筆頭者になっているのが通常でしょう。離婚しても日本人側の戸籍は残り、身分事項欄に離婚が記載されるだけです。結婚のときに家庭裁判所の許可を得て外国人配偶者の氏に変更していた人は、離婚から3か月以内であれば、届出だけで元の氏に戻すことができます。

どの国の法律で離婚するか、子どもの国籍や連れ帰りの問題など、国際離婚には戸籍以外の論点も多くあります。

離婚と戸籍に関するよくある質問

離婚後も元夫と同居しています。戸籍はどうなりますか?

戸籍は離婚届の提出で変わり、同居しているかどうかは関係ありません。氏を変えた側は戸籍から抜け、復籍または新戸籍となります。一方、住民票は実際の住所で登録されるため、同じ住所に別世帯として登録することになるでしょう。

子どもの戸籍を元夫のところに残したまま、氏だけ母と同じにできますか?

できません。氏と戸籍は一体で、子の氏を母の氏に変更すると、母の戸籍に入籍することになります。逆に、氏はそのままで戸籍だけ移すこともできない仕組みです。

離婚歴があることは、戸籍以外で分かりますか?

住民票には離婚の記載はありません。戸籍の附票も同様です。離婚歴が記録されるのは戸籍(および除籍・改製原戸籍)に限られます。

親権は母、戸籍は父の戸籍のまま、という状態に問題はありますか?

法律上の問題はありません。親権と戸籍は別の制度で、戸籍が父のところにあっても母が親権者として監護や法律行為の代理を行えます。実際、父との関係を考えて、あえて子どもの氏と戸籍を変えない選択をする家庭も少なくありません。氏が異なることで日常生活に支障が出るかどうかを基準に、急がず決めてください。

離婚から何年もたってから、子どもの戸籍を母に移せますか?

可能です。子の氏の変更許可の申立てに期限はありません。ただし、子どもが15歳以上なら本人が申し立てる必要があり、18歳以上になっていれば本人の意思だけで決まります。

まとめ

離婚したら戸籍はどうなるのか、要点を振り返ります。

  • 氏を変えた側だけが戸籍から抜け、復籍か新戸籍かを選ぶ。筆頭者はそのまま
  • 結婚中の氏を続けたいなら、離婚後3か月以内に婚氏続称の届出をする
  • 離婚の事実は戸籍に記載され、消せない。ただし転籍・分籍後の新戸籍には引き継がれない
  • 子どもは元の戸籍に残る。母の戸籍に移すには、子の氏の変更許可(印紙800円)と入籍届が必要で、母は新戸籍を作っておく
  • 共同親権の場合は申立てが父母連名になるため、離婚時に協力を取り決めておく

戸籍の手続きは、親権や養育費の話し合いと比べれば争いになりにくい分野です。それでも、復籍したままでは子どもを入れられない、3か月の期限を過ぎると家庭裁判所の許可が必要になるなど、知らないと二度手間になる落とし穴が点在しています。

離婚届を出す前に、この記事の表と手順を見ながら、自分と子どもの戸籍をどうしたいのかを一度整理しておいてください。判断に迷う点があれば、市区町村の戸籍窓口や家庭裁判所の手続案内、弁護士の無料相談を気軽に使ってみましょう。

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