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離婚調停不成立とは?パターンや割合、その後に起きる事を徹底解説!

離婚調停不成立とは?パターンや割合、その後に起きる事を徹底解説!

離婚したい場合は、まず配偶者と話し合いを行います。これを協議離婚と言いますが、話し合いで結論が出ない場合や相手が離婚協議に応じない場合は離婚調停を行います。

しかし、調停をしても離婚がまとまらず、不成立になる場合があります。

そこで調停不成立になるパターンや不成立後の離婚方法、不成立にならないためにはどうしたらよいかなどを詳しくご説明します。

調停不成立とは?

調停不成立とは_よくある3つのパターン

離婚調停が不成立になるとは、調停委員を交えていくら話し合ってもお互いに離婚に合意しないと判断したときに家庭裁判所(裁判官や調停委員)が「不成立」という判断を下すことを言います。

離婚調停が不成立になる割合

家庭裁判所が公開している「司法統計」(平成30年度)で離婚調停の申立て数とその結果を見ると、離婚調停を申立てた内の約55%は調停が成立していますが、約17%は不成立になっています。

件数 割合
離婚調停申し立て総数 63,902件
調停成立 35,081件 54.9%
調停不成立 10,757件 16.8%
調停取り下げ 13,256件 20.7%
調停に代わる審判 1,933件 3.0%

(参照:家庭裁判所 司法統計
婚姻関係事件数―終局区分別審理期間及び実施期日回数別―全家庭裁判所(平成30年度)
https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/702/010702.pdf

1回の調停で離婚は成立しないケースが多い

一般に離婚調停は何度か調停委員を交えて話し合いを行います。1回の調停で離婚に合意することはほとんどありません。

上と同じ「司法統計」(平成30年度)によると、離婚調停が成立するまでの調停の回数は2回がもっとも多いですが、6回以上も6000件近くあります。

一方、調停が不成立になる場合は2回目か3回目で「不成立」の判断が出ていることがわかります。

回数 調停成立 調停不成立
1回 4,836件 902件
2回 7,719件 2,824件
3回 6,958件 2,310件
4回 5,264件 1,554件
5回 3,584件 1,130件
6回~10回 5,994件 1,813件

(参照:司法統計 同上)

離婚調停が不成立になる6つの原因やパターン

離婚調停が不成立になる原因としては、次の5つが考えられます。

  1. 相手が離婚したくないと主張する
  2. 離婚の条件が折り合わない
  3. 相手が離婚原因を認めない
  4. 互いの主張がまとまらない
  5. 相手が離婚調停に出席しない
  6. なんらかの理由による調停の取り下げ

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

相手が離婚したくないと主張する

あなたが離婚したいと調停を申立てても、相手に離婚する意思がないと話し合いは平行線のままです。

相手に不貞行為やDV(暴力やモラハラ)など明らかな非がない場合は、相手が「離婚したくない」と主張されると調停委員もそれ以上話が進められません。

まずは離婚理由を明確にすることが大切です。

条件に固執しすぎて何回調停を行っても合意が得られない

慰謝料や養育費、財産分与など、離婚にはさまざまなお金の問題が絡んできますが、当然こちら側に有利な条件で離婚を成立させたいというのが一般的です。

特に女性の場合は離婚後の生活が成り立つかというのはとても重要な問題ですから、お金の面では絶対に妥協したくないという方も多いでしょう。

しかし、相手側にも生活がありますから条件に固執してしまうと相手の合意がまったく得られず調停不成立となります。

もちろん相手側の条件に合わせる必要はありませんし、自分が困るような条件の離婚をする必要もないのですが、調停を成立させるには歩み寄ることも大事です。

どこまで譲歩できるか、どうすれば譲歩してもらえるかを探るために調停をしているので、条件に固執しすぎるのは調停を失敗させる原因になります。

裁判になると判決によってはこちら側が不利な条件で離婚となる可能性もありますから、お互いが納得できる着地点を見つけることを意識して調停を進めましょう。

相手が離婚原因を認めない

相手の不貞行為や悪意の遺棄、DV(暴力やモラハラ)、性の不一致などを離婚原因として挙げて調停を申立てても、相手がそれを認めない場合に調停は不成立になります。

そんなときは不貞行為や悪意の遺棄、DVなどの証拠を出す必要があります。

互いの主張がまとまらない

離婚調停は夫婦が個別に意見を聴取されますが、このときには離婚をしたいと思った理由よりもどのように解決したいのかを、調停員に分かりやすくまとめて伝える必要があります。

意見の聴取は基本的に30分を目処に行われるので、この時間内に自分の主張を伝えなくてはいけません。

そのため主張がまとまっていないと調停委員に自分が言いたいことを伝えられず、相手側に対しても離婚をしたがっているということ以外伝えられないため話し合いは平行線を辿ってしまいます。

相手が離婚調停に出席しない

なんらかの事情で相手が離婚調停に出席しないことがあります。相手が出て来ないと調停そのものが成り立たないので不成立となります。

相手の仕事の都合で離婚調停の日に出席できないというときは、相手がそのことを家庭裁判所に伝えて日程変更をしてもらうことは可能です。ただ、裁判官や調停委員の都合もあるので、希望する日に調停が開催されるとは限りません。日程調整をしても相手が出席しない場合は不成立となります。

相手がわざと出席しない場合

相手がわざと出席しないということもあります。その際には調停の呼び出し状を発送するなどの措置が取られますが、それでも出席しないときは不成立になります。なお、相手が家庭裁判所の呼び出しを無視し続けるときは、「取り下げてはどうか」とアドバイスされることもあります。
待っていても時間の無駄なので、次の方法にコマを進めた方がいいでしょう。

何らかの理由による調停の取り下げ

相手が頑なに離婚を拒否していたり、再度話し合うことで離婚条件の合意が得られたりするなど、何らかの理由によって調停を取り下げれば当然ですが離婚調停は不成立となります。

離婚調停は自らの意志で行うことですから、申し立てをした後に取り下げをしても何の問題もありません。

ただし、一度取り下げたのにまた調停を申し立てるということをしていると調停委員にあまり良い印象を与えられません。むしろ調停による判決が自分に不利になる可能性もあります。

場合によっては調停が長引くこともあるので、時間がかかりすぎると途中で取り下げたくなってしまうかもしれません。

相手側の都合で取り下げるのであれば影響はありませんが、安易に申し立てをしたり取り下げるのは自分にとって有利になることはないので注意してください。

離婚調停が不成立になった後に起きること

もう一度離婚協議をする

調停不成立とは_なった後に起こること

調停不成立になると次は裁判と言うイメージがあるかもしれませんが、そうなる前に再度協議をするという選択肢もあります。もちろん一度話し合いをして合意が得られなかったのですから、再度協議をしても合意に至ることはほとんどありません。

しかし、中には調停をしたことで相手の意志や考えを冷静に理解し、お互いが態度を軟化するという例もあります。

離婚調停前の話し合いはどうしても感情が先走ってしまい相手の気持ちを考えられることができませんが、調停後であればある程度時間を置いているので思いやる気持ちが生まれることもあるようです。

離婚方法の中で協議離婚は一番簡潔かつ費用もかからないので、検討の余地がある場合はもう一度協議をしても良いでしょう。

審判離婚をする

離婚調停では話が合意に至らず不成立になった場合でも、あと少し歩み寄るだけで合意が得られそうだったり、合意まで至ったのに最終局面で揉めたりするなど、不成立まで後一歩という場合は審判離婚になることがあります。

審判離婚というのは、裁判官が離婚するのが妥当と判断した場合、強制的に決定される離婚方法です。

調停不成立となった場合は一般的に離婚訴訟へと発展しますが、離婚裁判は費用の面でも時間の面でも大きな負担が生じますし、裁判所からしてももう少しで離婚に至るという夫婦が裁判を起こすことは望ましくありません。

そのため、裁判官の権限において離婚や離婚の条件を決める審判離婚が施行されることがあるのです。と言っても裁判官が安易に審判離婚を施行することはなく、審判離婚が行われた方が良い状況であると判断した場合のみ施行されます。

  1. お互い離婚に合意しているが少しの条件だけがかみ合わない場合
  2. 何らかの理由でどちらかが調停に出頭出来ない場合
  3. 感情だけで離婚の合意が得られない場合
  4. どちらかが故意に調停を引き延ばしている場合
  5. 子供のために早く離婚をした方が良い場合
  6. 夫婦ともに審判離婚を希望している場合

こういった状況でさらに裁判官が審判離婚をするのが相応と判断した場合にのみ施行されますが、現時点では審判離婚を利用することはほとんどないのが実情です

離婚裁判をする

調停不成立となった場合は、離婚裁判に移行するのが一般的です。離婚裁判は、離婚調停が不成立になった時、夫婦のどちらかが家庭裁判所に離婚訴訟を起こすという行為です。

自分だけで手続きを進めることもできますが、基本的には弁護士に介入してもらいます。もちろん弁護士が介入すると裁判費用も高額になりますが、離婚裁判を起こすには「法定離婚原因」という民法で定めている離婚原因を提出しなくてはいけません。

離婚裁判を起こすメリットとデメリット

そんな離婚裁判を起こす場合はメリットとデメリットがあります。

メリット ・相手が離婚に合意していなくても判決が出れば離婚が成立する
・判決には強制力がある
デメリット ・証拠を提出する必要がある
・法律用語が多く出てくる
・法廷で相手と向き合わなければならない
・結論が出るまで時間がかかる
・第三者が裁判を傍聴することがある
・判決には従わなければならない

離婚裁判で下された判決には強制力があるため、明確な証拠があれば離婚を成立させることが可能です。

ただし、希望する慰謝料請求額が全額認められないことがあります。低い額での判決が出された場合でも従わなければなりません。

また、裁判を進める上でも専門知識が必要になるので、費用がかかるとしても弁護士に頼むのが正解です。離婚裁判の判決は請求を認めるか認めないかだけではなく、裁判官が介入して和解を促すこともあります。

裁判というと大事に感じるかもしれませんが、実際のところ離婚裁判になってもどちらか一方が不利益にならないよう和解をする方が多いようです。

ただし、離婚裁判の判決には強制力があるため、例え不服があってもそれに従わなくてはいけませんし、不服申し立てをしてもまだ時間と労力がかかってしまうので、調停が不成立だから裁判をすれば良い、という安易な考えは持たない方がよいでしょう。

調停不成立を回避するためにするべきこと

どういった離婚理由であっても、原則的に離婚調停は調停委員が公平さを保てるように話し合いを進めていきます。

そのため、交渉のやり方によっては自分の主張が聞き入れられないこともあります。そこで超低不成立ポイントをご紹介します。

浮気やDVなどの離婚に至る理由の証拠を集める

離婚の理由が性格の不一致やモラハラ、生活のすれ違いなど証拠が見つけにくいものではなく、浮気やDVのように証拠が集められるものであれば、それらの証拠しっかり集めて提出しておきましょう。

浮気であればラブホテルに出入りしている写真や動画、肉体関係が分かるメールなどがベストです。DVであれば、DVを受けた時の画像や暴言を受けた時の音声、確たる証拠となるのは医師の診断書です。

浮気やDVはれっきとした離婚理由になりますし、全面的に相手側に非があることが分かるのでこちらの主張が通りやすくなります。

調停委員へのアピール

離婚調停は調停委員の仕切りで行われるものなので、調停委員が公平性を保ちながらお互いの主張を聞き取り、出来るだけ合意に至れるように進めていきます。

しかし、いくら公平性を保つといっても調停委員も人間ですから良い印象を持てば自然と味方になってくれますし、反対に悪い印象を持たれてしまえば主張も通りにくくなります。

つまり、調停を有利に進めるには調停委員に好印象を持たれるアピールをすることも重要なポイントになるのです。

調停で相手側を責め立てるより自分にも至らない点があったと認めながらも受けた仕打ちを訴えれば、無意識に調停委員も同情してくれます。

主張の仕方ひとつで自分への印象は変わるので、しっかりと自分の主張をしながらも謙虚さも盛り込んでいくのが有利に進めるポイントです。

陳述書は早めに書いておく

調停では、調停委員から直接意見や主張の聞き取りがありますが、聞き取りは限られた時間内で行われるため、考えをきちんと伝えきれないことも少なくありません。

陳述書は調停の申し立て書を補うためのものですが、言葉不足や正確に意見を伝えられなかった時のために役立ってくれるものでもあるので、早めに作成しておきましょう。

陳述書に決まったフォーマットはありませんが、調停委員に目的を分かりやすく伝える内容にするのが基本です。

相手がしたことへの不満や結婚生活の不満などをだらだら書き連ねても調停委員は読むのが面倒になりますし、あまり良い印象も与えません。

結婚してからの生活や離婚を決めた理由、離婚における条件やどのようにしていきたいのか、といった希望を分かりやすく記載し、離婚の正当性が第三者でもきちんと判断出来る内容で作成しておくと調停も有利に進められます。

離婚調停が不成立になった場合のリスク

調停不成立とは_リスク

調停が不成立になったからといって離婚出来ないわけではありませんし、裁判になったとしても自分が求める離婚条件で離婚出来る可能性はあります。

しかし、それが裁判で必ず納得できる結果になるとは限りませんし、そこまで揉めてしまうとさらに相手との関係性が悪化するので、子供がいる場合は今後の面談の頻度や関係性にも影響が出るでしょう。

そもそも離婚調停であっても申し立て書や陳述書の提出などの手続きの手間、調停への出頭が必要で、不成立になるとかけた労力がすべて無駄になるリスクが伴います。

一度不成立と判断されたら覆せないので、違う方法で一から離婚の申し立てをしなくては鳴らなくなるというデメリットもあります。

いずれにしても調停不成立はメンタル面に大きな負担をかけますし、そのわりに納得できる離婚に至らない可能性のリスクがあるので、自ら不成立になるような行動をしないように気をつけましょう。

離婚調停を不成立にしないための注意点

自分の不満ばかり押しつけない

調停では、自分の主張を通したいがために離婚に至る理由だけではなく、いかに相手からひどい仕打ちを受けたか、裏切られたか、どういった思いで生活してきたかなどを調停委員に訴えたくなるものです。

しかし、調停はお互いが納得出来る着地点を見つけるために行うものですから、自分の不満ばかりを押しつけていると話し合いになりません。

また、不満を言われ続けていると相手側も意固地になってしまって自分の主張を絶対に曲げないと言う状態になってしまいます。

着地点が見つからなければ調停は不成立となってしまうので、自分の不満を押しつけるのではなく、いかにお互いにとって良い決着がつけられるかを考えることが不成立にしないためのポイントになります。

慰謝料の減額など妥協点を考えておく

離婚調停が不成立になる原因は、慰謝料などお金で折り合わないケースが多いと言われています。

特に慰謝料に関しては相手側も出来るだけ支払いの負担を減らそうとするので、高額な慰謝料請求をしている場合は不成立になる確率がかなり高くなります。

もちろん今後の生活のことを考えれば慰謝料もしっかり請求する必要がありますが、相場よりも高かったり離婚原因が自分にも合ったりする場合は、ある程度減額をするなど妥協点を考えておくのがベストです。

慰謝料が妥協出来ない場合は養育費を下げる、財産分与を一部放棄するなどの妥協をするのも手でしょう。自分が求める条件はいっさい譲らないと言う態度では、相手も絶対に譲らないという強硬な姿勢に出てきます。

そもそも離婚裁判になったら法外な慰謝料は認められないので、いくら粘っても不成立になれば損をするだけです。ちょっとした妥協で不成立を免れることが出来るかもしれないので、絶対に譲れない条件以外は相手の言い分も聞くようにしましょう。

弁護士のサポートを受ける

調停では弁護士を介入させる必要はないと思うかもしれませんが、裁判でないとしても離婚調停の交渉には専門的な知識が必要になります。

調停経験者とタッグを組めばちょっとした言い回し1つで相手に条件をのんでもらえることもありますし、調停委員を味方につけやすくもなるでしょう。

調停が長引きそうになったらどうすればいいかや、調停でどういった話をすればいいかなども的確なアドバイスがもらえるので、離婚調停が不成立になるリスクを避けることが出来ます。

またリスクを避けるだけではなく、裁判所に提出する書類作成や調停の手続きなどの労力を省いたり、自分の主張を実現するためのステップもきちんとサポートしてくれるので、弁護士とともに離婚調停を進めていくことは不成立を回避するために効果的な手段と言えるでしょう。

離婚調停の不成立でよくあるQ&A

離婚調停の不成立に関してよくあるQ&Aをご紹介します。

Q:離婚調停不成立で裁判になったとき、調停の内容は申し送りされますか?

離婚調停が不成立に終わり、裁判を起こすことにしました。調停と同じ家庭裁判所に離婚裁判を申立てますが、調停で話し合った内容は裁判に申し送りされますか?

A:申し送りはされません

調停で何度も話し合いを重ねても、それらの記録やお互いの意見などは離婚裁判に申し送りされることはありません。

裁判の席でもう一度、説明をする必要があります。

調停でのやり取りを細かく記録する、相手の証拠を提出するなどの準備をしておきましょう。

Q:離婚調停が終わってから不服申立てはできますか?

離婚調停を申立て、相手と離婚に合意しました。その際に慰謝料や養育費についても取り決めをしましたが、調停後に「その金額では少ない」と気づきました。

調停が成立してから不服申立てはできますか?

A:できません

調停が成立すると、その内容が「調停調書」に記載され、それによって離婚が成立します。(戸籍上の手続きとして、役所に離婚届の提出が必要です)それほど効力のあるものなので、離婚調停が成立してから不服申立てをすることはできません。

少しでも納得できない部分があれば合意せずに、離婚審判や離婚裁判を行いましょう。

調停不成立を回避しスムーズに進めるには弁護士が必要

調停で離婚が成立しないと再度当事者同士で協議をするか、司法の力を借りて離婚をするしかなくなります。

しかし、最初に協議でまとまらなかったのですから協議離婚をしようとしても話は長引くことが多く、ほとんどの場合離婚裁判へと進展します。

また、調停で離婚が成立するとしても場合によってはこちらにとって不利な条件で合意をすることになってしまうので、面倒なことになる前に弁護士に相談しましょう。

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