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審判離婚とは?成立条件や費用、流れ、必要書類などを徹底解説

審判離婚とは?成立条件や費用、流れ、必要書類などを徹底解説

離婚をする方法のひとつに「審判(しんぱん)離婚」というものがあります。

現在ではあまり利用されていませんが、法律に精通している方でない限り聞き覚えのない単語だと思います。

そこで当記事では審判離婚とはなんなのか、成立条件、費用、手続き方法、流れ、必要書類など全てを詳しく解説していきます。

審判離婚とは?

審判離婚_とは

離婚の方法には「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4つがあります。

この中の一つである審判離婚とは、夫婦がともに離婚する気持ちがあり、話し合いも進めているが、調停の段階でわずかな意見の相違があり離婚が成立しないときや、相手が調停の場に出席しないときなどに、裁判官が離婚を決定するというものです。

また、離婚時の条件(親権や養育費、財産分与など)についても裁判官が審判を下します。ただ、だからといって双方が希望する条件とかけ離れた結論を出すということはありません。

あくまでも裁判官はお互いの意見の違いを聞き、最善だと思われる結論を出してくれます。

審判離婚が行われるケース

審判離婚になるのは、次のようにさまざまなケースがあります。

  • 夫婦どちらもが離婚調停にほぼ合意しているが、なんらかの事情(病気や長期出張など)で片方が調停に出席できないと
  • 一度は離婚調停に合意したが、どちらかが最後に意見をくつがえした
  • 様々な事情から子どもの親権を早く決める必要がある
  • どちらも内心は合意しているが、調停では素直になれず反発している
  • 離婚調停の結果にほぼ合意しているが、ささいな条件で意見が食い違う
  • どちらかが行方不明になった
  • 夫婦どちらかが外国人で出国するため

このようにいくら離婚に合意はしていても、感情的に素直になれなかったり、いざ条件を決める段階になって「やっぱりもっと財産分与を増やしてほしい」「〇〇がほしい」などの希望が出てくるなどして、なかなか離婚が成立しないときに審判離婚が行われます。

他にも離婚調停に相手が出席しなくなったり、行方不明になったりといったケースもあります。

審判離婚は夫婦のどちらかが希望して行われる場合もありますが、裁判官が必要ありと認めた場合に実施されることが多いです。

しかし、下記の事情から現実的にはあまり実施されていない方法です。

審判離婚の成立要件

審判離婚は、どちらかが離婚に合意していない(離婚したくないと主張している)場合は成立しません。あくまでも離婚には合意しているものの、諸条件が合わない場合や調停に途中から出席しなくなったなどの理由で調停離婚が成立しない場合に実施されます。

離婚は多くのケースがそもそもどちらかが離婚をしたくないと主張していたり、慰謝料や養育費などの面で揉めているので審判離婚ではなく裁判離婚になる方が多いです。

なお、裁判官が下した審判に対して夫婦のどちらかに不服があれば、2週間以内に「異議申し立て」をすることで離婚審判は無効にできます。

しかし、異議申し立てがない場合は審判が確定し、そのまま離婚が成立します。

審判離婚の流れ

では、審判離婚の流れについてご説明します。

まず、全体の流れを見てみましょう。

  1. 夫婦のどちらかが離婚調停を申し立てる
  2. 離婚調停が始まる
  3. 調停が進んでも、最終段階で合意できない
    (またはどちらかが調停に出席しない)
  4. 裁判官が離婚審判を下す
  5. 夫婦に不服がなければ離婚が成立する

次にそれぞれのステップを詳しくご説明します。

1:夫婦のどちらかが離婚調停を申立てる

いきなり審判離婚を申立てるケースはなく、まず夫婦で離婚について協議をして、それでも結論が出ない場合にどちらかが離婚調停を申立てます。

そして調停での話し合いで合意しない場合に審判離婚に進みます。

そのため、審判離婚の第一歩は「離婚調停を申立てる」というところからスタートします。

2:離婚調停が始まる

離婚調停を申立てたら、家庭裁判所から調停の期日の連絡が来ます。当日、それぞれが出席し、調停委員と話をします。それを何度か繰り返して結論を見出します。

3;調停で最終的に合意できない

しかし、調停委員がそれぞれの話を聞いて仲介しようとしても最終的に合意できない場合や、どちらかが姿を見せなくなった場合など、上記の「審判離婚が行われるケース」に該当するときに調停が不成立となります。

4;裁判官が離婚審判を下す

調停の過程を見て裁判官が必要と思ったときに審判が行われ、結論が下されます。

5:夫婦に異議がなければ離婚が成立する

裁判官から伝えられた審判内容に異議がなければ、それで審判は終了します。

審判が伝えられてから10日以内に役所に離婚届と次に述べる必要な書類を提出することで離婚が正式に成立します。

審判離婚にかかる費用

審判離婚を申立てる際の費用として収入印紙代1200円と切手代800円の合計2000円が必要です。

審判は裁判を起こすより安い

調停が不成立になり、離婚裁判を起こすと訴訟費用として13000円の収入印紙代と郵送代、戸籍謄本の取り寄せ費用などがかかりますが、審判離婚なら2000円で済みます。

ただし、2週間以内に相手が異議申立てをすると審判は無効になるので注意しましょう。

なお、審判離婚が確定したら、役所に次の書類を提出します。

審判離婚に必要な書類

離婚届 ・役所でもらって自分の住所・氏名や必要事項を記入する
・相手の署名や証人の記入はいらない
審判書謄本 家庭裁判所から届くので離婚届と一緒に提出する
審判確定証明書 審判が下されて2週間以内に相手も異議申立てをしなければ審判が確定するので、家庭裁判所に「審判確定証明書」を発行してもらう
戸籍謄本 本籍地以外の役所に離婚届を出す場合に必要

これらをすべて提出したら、晴れて離婚が成立します。

離婚調停が不調になる前に弁護士に相談を

上述した通り審判離婚はほとんど実施されていないのが実情です。

また、夫婦の離婚に対する条件(財産分与や子どもに関することなど)がわずかに合わないケースでは。相手が行方不明になる、わざと離婚成立を引き延ばそうとするなど、悪意がある対応をされるケースもあります。

相手が条件に合意しない場合、このような事態になる前に弁護士に相談して早期解決を図るのがおすすめです。

審判離婚とはまとめ

調停離婚がまとまらない場合、多くの場合は離婚裁判を起こします。しかし、調停での話し合いで離婚には合意しているものの細かな条件で折り合いが合わない場合などに裁判官の判断で審判離婚が行われることがあります。

最近では審判離婚は少なくなっていますが、裁判を起こすより時間も費用も少なくて離婚を成立させることができます。

ただ、そうなる前に弁護士に相談して、離婚成立を目指しましょう。その方が自分が希望する条件が通りやすくなりますし、時間や精神的負担もなく有利に離婚が進められます。

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