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熟年離婚の相談先一覧|無料の相談先やよくある相談内容も紹介

熟年離婚の相談先一覧|無料の相談先やよくある相談内容も紹介

夫婦関係を長く続けていると、お互いに不満や悩みを抱えるものです。特に子どもが独立して夫婦だけになると「自由になりたい」「自分の人生を楽しみたい」と思い、熟年離婚に至るケースがあります。

熟年離婚を考えたときどうすればいいのか、相談先やよくある相談内容を紹介します

熟年離婚の相談先一覧

一般には結婚して20年以上経過してから離婚することを「熟年離婚」と呼んでいます。

司法統計(平成28年度 婚姻期間別の婚姻関係事件数 全家庭裁判所)によると1年間の全離婚件数は66485件ですが、その中で婚姻期間が20年以上の夫婦の離婚は5850件、25年以上の夫婦は9334件で熟年離婚の合計は約15000件となり、全離婚件数の22.5%を占めています。

熟年夫婦が離婚を考えるときの相談先としては、次の機関があります。

  • 家族や親戚
  • 離婚カウンセラー
  • 夫婦関係カウンセラー
  • 自治体の法律相談会
  • 自治体の女性センター
  • 法テラス
  • 弁護士事務所

それぞれの特徴や費用を詳しく見ていきましょう。

家族や親戚

まずは身近なところで子どもや兄弟など身内に相談する方法があります。

特に子どもが成人していて自立していれば、相談というよりも離婚の意思を伝えて報告するというイメージに近いでしょう。

また、子どもが自立していると両親の離婚に理解を示してくれることがあるので、味方になってくれます。

ただ自分たちの老後の介護や相続が絡む場合、子どもに打ち明ける前に解決策を決めておくことが大切です。老後の心配や世話をかけない状態で離婚の報告をするといいでしょう。

離婚カウンセラー

身内に相談すると、それぞれの立場で意見が分れることがあります。状況によってはさらに話が複雑になり、離婚が困難になることも考えられます。

そんなときは第三者に相談するのがおすすめです。民間の「離婚カウンセラー」では、離婚の相談ができます。

ただ、相談と言っても話を聞くだけということが多く、費用はカウンセラーによって異なります。一例をご紹介します。

対面相談 ・初回(90分)……8000円~1万円
・2回目以降……60分で6000円/90分で8000円など
・延長するとき……10分ごとに1000円
電話相談(※) ・60分……4000円
・90分……5000円
・延長するとき……10分ごとに500円

(※:電話相談は別途通話料がかかります。通話料は相談者が負担します。相場料金は税別です)

法律的な相談や依頼ができない点も離婚カウンセラーの難点ですが、自分の気持ちを吐き出したいというときに聞いてもらうといいでしょう。

なお、離婚カウンセラーに相談するならNPO日本家族問題相談連盟が認定しているカウンセラー資格を持つ人がいる相談室が安心です。

ただし個人で開業している離婚カウンセラーは法律的な相談や依頼ができません。法律が絡む問題の相談や配偶者の不倫を調べたいときなどは、探偵事務所や弁護士事務所が運営している相談室を選ぶといいでしょう。

参考:NPO日本家族問題相談連盟 https://nikkaren.com/list_counselor/

夫婦関係カウンセラー

「夫婦関係カウンセラー」に相談するという方法もあります。夫婦カウンセラーは一般財団法人日本能力開発推進協会が認定している「夫婦カウンセラー」の有資格者に依頼すると安心です。

相談では話を聞いて状況に会わせたアドバイスを行いますが、どちらかというと夫婦関係の修復に重点を置いています。そのため、配偶者から離婚を切り出されたが自分は離婚したくない場合などに利用するといいでしょう。

費用はカウンセラーによって異なります。一例をご紹介します。

個人で受ける場合 ・初回(60分~)……1万円程度
・2回目以降(60分)……5000円~1万円
・延長するとき……30分ごとに3000円~5000円
夫婦で受ける場合 ・初回(120分~)……3万円程度
・2回目以降(120分)……1万円~3万円
・延長するとき……30分ごとに1万円前後

※料金は税別です。

自治体の法律相談会

自治体の福祉局や人権相談課などで離婚に関する相談を受けています。

離婚後の母子家庭や父子家庭の支援に関する相談が多いですが、男女間のDVや夫婦関係の悩みなどにも対応しています。

相談は無料なので、離婚後の生活に不安がある場合に利用するといいでしょう。

自治体の女性センター

配偶者からのDV(暴力やモラハラ)でお悩みの場合は、自治体の女性センターで無料相談を受付けています。

「女性センター」は自治体によって名称が異なるので、こちらのサイトで確認しておきましょう。

参考:男女共同参画関係機関、情報・相談窓口一覧 https://www.gender.go.jp/research/joho/pdf/01-6.pdf

法テラス

「法テラス」は国が設置している法的なトラブルの解決相談案内所です。

慰謝料請求や財産分与、相続など法律に関する相談を無料で受けられます。無料相談は同じ案件で3回までですが、案件に応じた弁護士の紹介もしています。

その後に調停や裁判などを依頼すると費用が発生する仕組みです。離婚調停や裁判、慰謝料請求の進め方などの法律相談に利用するといいでしょう。

参考:法テラス  https://www.houterasu.or.jp/

弁護士事務所

法律に関する相談から依頼まで一貫して依頼する場合に利用できます。

本格的な利用は有料になりますが、最近は初回無料相談をしている事務所が多いです。

また、30分5000円など比較的安価に相談することもでき、何よりも法律に基づいて動いてくれるので、まずは相談してみることをおすすめします。

熟年離婚で多い相談内容

熟年離婚で多い相談内容として、次のものがあります。

  1. 相手が離婚に応じてくれるかどうか
  2. 離婚した後のお金の心配
  3. 離婚した後の老後の心配
  4. 子どもに迷惑がかからないかどうか

相手が離婚に応じてくれるかどうか

長年連れ添った夫婦のどちらかが離婚を切り出すと、相手は寝耳に水で驚いてしまいます。

特にお互いに空気のような存在になっていたり、夫婦間の会話がなかったりすると相手の様子になかなか気づかないものです。

そんな配偶者に対してどう離婚話を切り出せばいいのか悩む人は多く、またいざ切り出しても相手が「今更離婚なんでできるか!」と応じてくれないケースもあります。

このように相手が離婚に応じてくれるのかどうかは大きな悩みになります。

離婚した後のお金の心配

離婚する年齢によっては、すでに仕事を退職している場合があります。また、それぞれの預貯金や保有財産、年金収入などの経済状況によっては離婚後のお金の心配も伴うでしょう。

相手から自分が生活に困らない程度の慰謝料は取れるのか、財産分与や年金分割はどうなるのか知りたいという悩みや相談もあります。

離婚した後の老後の心配

離婚したいが老後のことが心配ですよね。離婚したものの、自分自身の体調不良時や介護が必要になったときどうすればいいのかという悩みがあります。

十分な貯蓄がある人や子どもが支援してくれる人は安心ですが、そうでない場合はどのような公的支援が利用できるのか知りたいという人が多くいます。

子どもに迷惑がかからないかどうか

離婚することで子どもに迷惑がかからないかどうかが心配という声は多くあります。

子どもに経済的な迷惑をかけたくない、通院や介護で世話になりたくないと思う反面、自分の老化は避けられないため離婚後の生活に関する悩みは尽きません。

 

熟年離婚の前に考えておくべき3つのこと

このようなメリットとデメリットがあることを理解した上で熟年離婚を望むなら、次の3つのことをよく考えておきましょう。

  1. お金のこと
  2. 介護のこと
  3. 居住する場所のこと

お金のこと

離婚するに先立ってお金のことをよく考える必要があります。

特に下記のように収入と支出のバランス、そして手持ちの預貯金や財産からやっていけるのかどうかを考えましょう。

収入 ・年金
・労働収入
・預貯金
・配偶者からの慰謝料や財産分与
支出 ・光熱費
・住居費
・食費
・日用品代
・理美容代
・医療費
手持ちの財産 ・預貯金
・株などの有価証券
・医療保険(病気になったときに受け取れるもの)

これらの収支をよく考えないと生活が立ちゆかなくなり、結果的に子どもなど周囲の人に迷惑をかけることになります。

また、男性の場合は家事ができるかどうかも考えておきましょう。家事ができない場合は子どもの家族を頼るか家事代行サービスなどを頼むことになり、お金がかかります。

介護のこと

今は元気でも長い老後人生の中で介護が必要になることがあります。

その際の備えとして生命保険や預貯金があるのかどうか、子どもは頼れるのかどうかを考えておきましょう。

例えば子どもが遠方に住んでいる場合は、引っ越して一緒に住むことが可能なのかどうかを打診しておくと安心です。

居住する場所のこと

熟年離婚の後に自分がどこに住むのかを考える必要があります。

持ち家があり住宅ローンも払い終えている場合は心配ありませんが、それでも修繕費用などはかかってきます。

もし賃貸住宅の場合は、家賃を払い続けられるのかどうかが問題になります。また、急な病気になったときに一人で病院に行けるのかどうか、足腰が弱ったときに買い物などに行けるのかどうかなども考えておきましょう。

子どもの家に住むなら同意が得られるかどうか、施設に入るならその費用の準備があるのかどうかを考える必要があります。

熟年離婚で困らないための対策

このように熟年離婚を実現するにはさまざまなハードルがあり、それに対する対策を立てておくことが大切です。

特に介護や住まいはお金で解決できることが多いので、何よりもお金の対策をすることが重要だと言えます。

熟年離婚で相手から受け取れるお金について知っておく

離婚では、次のように相手から受け取れるお金があります。

  • 財産分与
  • 年金分割(相手が厚生年金に加入している場合)
  • 慰謝料

それぞれを詳しく見ていきましょう。

財産分与

離婚時に財産分与できるのは結婚してから夫婦で築いたものが対象で、住宅、自動車、預貯金、有価証券、家電製品、宝石や貴金属などが含まれます。離婚の原因の有無に関わらず折半しますが、熟年離婚の場合は結婚生活が長いのでそれだけ財産が多いと考えられます。

現金や預貯金はすぐに分けられますが、住宅や自動車など2つに分けられないものはどちらが受け取るのかを話し合って決めることになります。

なお、財産分与に関してはこちらの記事で詳しくご説明しているので参考にしてください。

年金分割

厚生年金に加入している人は、離婚時に年金分割ができます。年金分割は結婚してから配偶者が納めた年金保険料を夫婦で分けることを指します。受け取れる年金を分けるわけではないので注意してください。

年金分割には「合意分割制度」と「3号分割制度」の2種類があります。違いは下記の通りです。

内容 夫婦の合意
合意分割制度 第3号被保険者だけでなく、第1号被保険者と第2号被保険者も請求できる 分割割合について夫婦の合意が必要
合意できない場合は裁判所に分割割合を決めてもらう
3号分割制度 平成20年4月以降に婚姻期間がある人で、第3号被保険者の期間がある場合に請求できる 不要

年金分割は離婚してから2年以内に請求しないと、その権利がなくなるので請求期限に注意してください。

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慰謝料

配偶者に不貞行為やDV、悪意の遺棄(生活費を渡さないなど)、性格の不一致、借金などがある場合は、慰謝料を請求することができます。

ただ、その場合はその事実を証明する必要があります。自分ひとりで慰謝料請求するのは専門的な知識が必要になるため、難しいものです。

慰謝料請求が可能かどうか、また具体的な方法や金額については弁護士に相談して進めていきましょう。

この辺りについては以下の記事でも詳しく解説しています。

熟年離婚の相談~まとめ

熟年離婚をしたい場合は民間の離婚カウンセラーなどで相談することができます。

費用がかかる上に実際は話を聞いてもらうだけということが多いので、法律的な問題などの解決は難しいでしょう。

離婚となると慰謝料請求や財産分与の問題が発生します。少しでも不利にならないように進めるためには弁護士に相談するのがおすすめです。

また相手が離婚を拒んでも、相手側に離婚原因があれば離婚請求ができます。

その場合も弁護士に相談することでスムーズに進められますので、まずは無料相談を利用してみましょう。

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