不倫(浮気)の慰謝料が払えない場合の対処法は?リスクや減額方法を徹底解説!
「絶対バレないと思っていたのに浮気がバレてしまった」「しかも証拠写真まで撮られて離婚を切り出された」場合、最後に突き付けられるのが「慰謝料の請求」です。
不倫(浮気)の慰謝料は100万円以上と高額なので、中には「そんなに払えない」という人もいるでしょう。そこでこのページでは不倫(浮気)で離婚に至ったものの慰謝料が払えない場合のリスクや対処法についてくわしくご説明します。
浮気の代償は高い!不倫(浮気)の慰謝料が払えないときのリスク
不倫(浮気)をする人の心理としては「軽い遊びのつもり」だとしても、配偶者から見ればとても許せる行為ではありません。
不倫(浮気)が原因の離婚は精神的な苦痛を受けたということで慰謝料請求の対象になります。
慰謝料が払えずに放置していると、次のようなリスクがあるので注意が必要です。
- 給与や預貯金の差し押さえ
- 利息(遅延損害金)の上乗せ
- 裁判で訴えられる
給与や預貯金の差し押さえ
慰謝料の決定(契約)の際に公正証書や和解契約書・調停調書などを作成することがあります。これらの書類には法的効力があり、約束通り支払いができない場合は給与や預貯金の差し押さえが行われます。
このことを「強制執行」と呼びますが、そうなると会社の上司や人事・経理担当者に知られてしまいます。
さらに給与の手取り額が減ってしまうので、たちまち生活に困窮してしまいます。(給与の差し押さえは全額ではなく、社会保険料などを差し引いた額の2分の1まで)
利息(遅延損害金)の上乗せ
慰謝料の支払いが遅れると、借金と同じように利息(遅延損害金)がつきます。
この場合の利率は下記のように請求金額に応じた上限金利が設定されているため、上限以上の利息がつくことはありませんが、最低でも5%(※)の法定利率が適用されるので遅れないように支払うことが大切です。
(※:損害賠償に関する取り決め(約定)をしていない場合)
元金(請求金額) | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年29.2% |
10万円以上100万円未満 | 年26.28% |
100万円以上 | 年21.9% |
裁判で訴えられる
慰謝料の支払いをせずに放置していると、相手側が裁判で「慰謝料請求訴訟」を起こす場合があります。
訴えられた側は出廷しなければなりません。裁判で支払い命令が出されると、給与の差し押さえなどで強制的に支払うことになります。
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不倫(浮気)の慰謝料が払えないときの対処法
不倫(浮気)の慰謝料が払えないときは、上記のようにさまざまなリスクが発生します。慰謝料が払えないときの対策をご紹介します。
- 分割払いを申し出る
- 減額交渉をする
- 浮気相手に自分が負担した慰謝料を請求する(求償権を行使する)
分割払いを申し出る
一般的に慰謝料は「〇年〇月〇日までに〇〇万円を支払ってください」という一括払いで請求書が送付されます。
それに対して「支払う意思はあるが、経済的な事情により期日までに一括で支払うのは困難なので、分割払いにしてほしい」と回答書(または反論書)で伝えます。
この際には分割の期間や支払い回数、1回の支払い金額、遅れた場合の利息(遅延損害金)などを取り決めます。
とは言っても、なかなか別れた夫婦が冷静に話し合いで解決することは難しいので、民事調停を行います。それでも決まらない場合は裁判になるでしょう。
なお、分割払いにすると途中で支払いが途絶える可能性があり、それを心配して相手が分割払いを拒否する可能性があります。そういった場合に備えて、弁護士に相談し対策を考えるといいでしょう。
慰謝料の減額交渉をする
請求されている慰謝料の金額はとても払えないという場合は減額交渉をする方法があります。
これも慰謝料請求書の回答書の中で「減額したい理由と支払い額」を記入し、相手側に送付します。
減額を認めさせる理由
減額を申し出る際の理由として、いくつか例をご紹介します。
理由 | 内容 |
---|---|
経済的な理由 | ・残業が減り、手取り額が減少している ・体調を崩し、収入が不安定 |
自分の非が少ないことを主張 | ・肉体関係を持ったのは1回だけだ ・浮気相手から強引に誘われたので仕方なく応じた ・浮気相手とはすでに別れている など |
配偶者の非を責める | ・自分も悪いが、配偶者も性行為を拒否した |
請求額が相場よりも高い | ・不貞行為(不倫)の慰謝料としては相場よりも高額だ |
このように相手が納得しやすい理由をあげて交渉します。ただし、浮気の回数や相手が強引だった…などは反論として証拠を出されると不利になるので注意しましょう。
また、相手の非を責める場合は逆効果になることもあります。どのような理由で減額を申し出るといいのかは、それぞれの状況によって異なります。
素人判断はせずに、専門家に相談することをおすすめします。
浮気相手に自分が負担した慰謝料を請求する(求償権を行使する)
通常、慰謝料は浮気をした配偶者と浮気相手の2人に対して請求されます。しかし、全額を自分だけに請求された場合、あなたは浮気相手に対してその一部を支払うように求めることができます。
これを「求償権(きゅうしょうけん)」と呼びます。
例えば夫(A)がM子と浮気をして妻と離婚、妻は夫に慰謝料300万円を請求し夫は全額を支払ったという場合で見てみます。このとき夫(A)は浮気相手のM子にも責任があるとして、AはM子に対して自分が負担した慰謝料の半額(150万円)を請求することができます。
これによって夫は自分が支払うべき慰謝料を減額することができます。
ただし、求償権は逆の場合もあり、妻が夫の浮気相手であるM子さんにだけ慰謝料を請求したら、M子さんがAに慰謝料の一部を支払うように請求することもあるので注意が必要です。
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求償権の負担割合
このように不倫(浮気)の慰謝料はどちらか1人だけが負担するのではなく、双方に責任があるとして不倫相手に対して求償権を使って請求することができますが、その負担割合はどちらから誘ったのかなど、それぞれの状況によって異なります。
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浮気(不倫)の慰謝料が払えない!減額交渉の前に確認すべき3つのポイント
慰謝料の減額交渉は、相手の請求額を認めたという前提で行いますが、その前にそもそもそれだけの額を支払うべきなのかどうかを確認する必要があります。
相手から慰謝料請求の書類が届いたら、次のポイントを確認してみましょう。
- そもそも慰謝料を支払う義務があるかどうか
- 慰謝料の請求額は相場より多くないか
- 時効が成立していないかどうか
そもそも慰謝料を支払う義務があるかどうか
慰謝料は離婚に至った原因を作った側(有責配偶者)がそうではない側(無責配偶者)に支払うものです。
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しかし、そもそもの原因を作っていない場合は慰謝料を支払う義務はありません。
次のケースに該当していないかチェックしてみましょう。
- 不倫(浮気)をする前に夫婦関係が破たんしていた場合
- デートはしたが肉体関係にはなっていない場合
- 暴行や脅迫などで無理やり肉体関係を求められた場合
- 不倫(浮気)の原因がセックスレスの場合
ただし、実際はそれぞれの状況によって異なります。例えば、自分は上司から身体の関係を求められ、断れなかったと思っていても、相手(上司)は合意の上の関係だったと主張する可能性があります。
また、セックスレスが原因で不倫をしたというのは、不倫を正当化する理由にはなり得ませんし、セックスレスに至った原因によっても判断は異なります。
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これらの判断は素人では難しいので、離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。
慰謝料の請求額は相場より多くないか
慰謝料はそれぞれの事由に対しての相場があります。それよりも過度に高くないか確認してみましょう。
ちなみに不倫(浮気)の慰謝料の相場は100万円~300万円と言われていますが、次のような要素によって異なります。
状況 | 慰謝料の金額 |
---|---|
配偶者の有責性 (〇〇を起こした責任) |
有責性が高いほど高い |
精神的・肉体的な苦痛 | 苦痛が大きいほど高い |
婚姻期間 | 長いほど高い |
夫婦の年齢 | 高いほど慰謝料は高い |
社会的地位 | 地位が高いほど高い |
未成年の子どもの有無 | 子どもがいる方が慰謝料は高い |
これらの状況から慰謝料が算定されます。高い場合は300万円、さらにもっと高額を請求されるケースがあります。
時効が成立していないかどうか
離婚の慰謝料請求には3年という時効があり、それを過ぎると慰謝料請求ができなくなります。
今請求されている事案が時効を迎えていないかどうか確認する必要があります。
なお、離婚の慰謝料請求の時効については、こちらで詳しくご説明しています。
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慰謝料の減額交渉で(浮気)不倫した側に有利に導く3つの方法
不倫(浮気)をしたのが事実で、それによって離婚し慰謝料の支払い義務があるという場合は速やかに支払わなければなりません。
減額の交渉の際には、少しでも有利に導くようにしましょう。ここでは3つの方法をご紹介します。
- 一括で支払うから減額してほしいと交渉する
- 不倫は認めるが、家族にも貢献してきたことをアピールする
- 不倫相手とは二度と会わないという誓約書を書く
では、ひとつずつご説明します。
一括で支払うことで減額してほしいと交渉する
配偶者は離婚した後の生活を少しでも安定させたいと考えています。
「全額は払えないから分割払いにしてほしい」と申し出られると、途中で支払いが途絶えたり、遅れたりといったリスクがあるため、分割払いを嫌がる傾向があります。
そこで「今すぐ一括で支払うので、〇〇万円に減額してほしい」と交渉するとOKしてもらいやすくなります。
ただし、あなたやあなたの実家に財産があることを配偶者が知っている場合はこの方法は使えないので注意してください。
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銀行ローンなどを使って早く支払うのがポイント
一括で支払うお金がない場合は銀行のフリーローンなどを使って、全額支払う方法があります。金利がつきますが、最近は低金利の使いやすいローンがあるので探してみましょう。
一括で支払うことで減額が認められやすいし、相手といつまでも関わるという煩わしさがありません。
早く相手との縁を切るためにも一括払いがおすすめです。
家族への貢献度をアピールして減額を図る
不倫したことは仕方がないし、証拠まで押さえられていれば反論の余地はありません。
しかし、それでも家族のために貢献してきたことをアピールして、相手の心情に訴える方法があります。
それによって慰謝料の減額が可能になる場合もあるのでやってみる価値はあるでしょう。
ただ、これも夫婦の受け止め方に違いがあり、自分では貢献してきたと思っていても、相手はそうは受け止めていない場合があります。
独りよがりの判断にならないように注意してください。
不倫相手とは二度と会わないという誓約書を書く
離婚するのであれば今後も不倫相手と会っても構わないのですが、配偶者は気分的にうれしくないはずです。
慰謝料請求の回答書に謝罪文を書くと同時に「二度と不倫相手とは会わない」という誓約書を書くと、配偶者の気持ちを和らげることができます。
こういった中から自分の状況や配偶者の性格などを考えて、少しでも使えそうな方法で減額を図ってみましょう。
浮気(不倫)の慰謝料が払えないときのリスクと対処法まとめ
浮気(不倫)が原因で離婚した場合、配偶者から慰謝料を請求される場合があります。支払えずに放置していると、給与や預貯金の差し押さえ、利息(遅延損害金)の上乗せ、訴訟を起こされるといったリスクが発生します。
そうなる前に減額や分割の交渉をするのがおすすめです。
なお、請求された際にはそもそも慰謝料支払いの義務があるのかどうか、請求額が妥当かどうかを検証することが重要です。
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判断に迷ったときや対処する際には、自分ひとりで行わずに離婚・慰謝料に強い弁護士に相談するといいでしょう。
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