マザコン夫(旦那)との離婚は可能?慰謝料請求はできる?相場や基礎知識を紹介!
結婚する前は「親を大切にする優しい人だな」と思っていた夫(旦那)が、実はマザコンだった……。それだけでも精神的な苦痛がありますよね。
しかし妻である自分よりも母親の意見を優先し、何もかもが母親中心で我慢し切れず離婚した場合、慰謝料は請求できるのでしょうか?
今回は夫のマザコンを理由に離婚した場合に慰謝料請求が可能かどうかや、慰謝料の相場について詳しく説明しますので、マザコン夫に苦しんでいる方は参考にして下さい。
結論:夫(旦那)のマザコンが理由で離婚は可能?
結論から言うと基本的にマザコンというだけでは離婚はできません。
ただし、以下で紹介しているようなケースで「夫がマザコンで結婚生活が継続できない場合」は裁判で離婚が認められる場合があります。
マザコンで婚姻が継続できないケースなら離婚は可能
裁判で離婚が認められる事由(理由)の中に、「婚姻を継続し難い重大な事由」があります。
例えば次のようなケースが考えられます。
- 姑(夫の母親)から何かといじわるをされ、それを夫に相談しても母親の肩を持ち、「お前が悪い」と責められて精神的に苦しい(あるいは暴力を振るわれる)
- 「どうしてママと同じ味つけができないんだ!」と殴る・蹴るの暴力を受ける
- 休日は実家に行ったきり帰ってこない。自分(妻)が作った食事を食べず、家族での外出もなく耐えられない
- 重大な相談事はすべて母親の意見を優先させるため、夫婦での会話が成り立たない
- 子どもの進学について母親が口を出してくる。夫婦で相談したことも母親の意見でくつがえされるため、自分(妻)の希望が通らない
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このように本来は夫婦で相談すべきことや協力すべきことを夫がやらず、母親に依存していて結婚生活が継続できないという場合は離婚が成立する可能性があります。
また、マザコンが高じて妻に暴力をするなどの行為がある場合も婚姻を継続しがたい状態なので、この場合は裁判で離婚が認められるケースが多いです。
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マザコン夫(旦那)との離婚は裁判で決着を
離婚は夫婦で話し合う「協議離婚」、調停委員を交えて話し合う「調停離婚」、裁判で離婚を認めてもらう「離婚裁判」があります。
マザコンの夫は妻に指摘されるまで自分がマザコンであると認識していないケースが多いため、一般的に協議離婚は難しいと言われています。
また、話し合いの席で母親が息子の味方をし、嫁であるあなたを責めるという場面も想定されます。そのため離婚をスムーズに進めるには裁判を起こす方法がいいでしょう。
ただし、裁判で離婚が認められるには、それなりの理由が必要です。
裁判で離婚が認められる5つの事由(理由)
裁判で離婚が認められるのは次の5つの事由に該当する場合で、民法第770条で規定されています。
これを「法定離婚事由」と呼びます。
- 配偶者の不貞行為
- 配偶者による悪意の遺棄
- 配偶者の生死が3年以上不明の場合
- 配偶者が強度の精神病で回復の見込みがない場合
- その他、婚姻を継続し難い重大な事由がある場合
このいずれかに夫のマザコンが関係してくる場合、裁判所は離婚を認めてくれるでしょう。
離婚裁判ではマザコンを証明する必要がある
夫のマザコンを理由に離婚したい場合は、裁判で夫がマザコンであり、それによって婚姻生活を継続するのが難しいということを証明する必要があります。
具体的には母親の味方をして妻をバカにしたり、暴力・暴言をしたりする様子を録音するなどが有効です。
マザコンの夫(旦那)と離婚する場合に慰謝料請求は可能?
次にマザコンの夫(旦那)と離婚する場合、慰謝料請求ができるかどうかについてご説明します。
離婚で慰謝料請求ができるのは、次の3つの場合です。
- 夫の不貞行為(浮気)があった
- 夫のDV(暴力)やモラハラがあった場合
- 悪意の遺棄をされた
この中でマザコン夫に該当するのは②か③のケースです。それぞれについて詳しく見ていきます。
マザコンで夫(旦那)からDVやモラハラを受けた
ただマザコンというだけでは慰謝料の請求はできませんが、次のようにDVやモラハラを受けている場合はそれに対して慰謝料請求ができます。
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- 母親の意見を引き合いに出し、妻に暴力を振るう
- 「母はいつも〇〇してくれたのに、お前はできないのか」とモラハラ(言葉の暴力)を受ける
- 姑からいじめられているのに妻を守るどころか母親の肩を持つ
マザコン夫のDVやモラハラの例としては上記のものがあります。
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マザコンで夫(旦那)から悪意の遺棄をされた
夫婦には同居の義務や扶養(生活費を入れる)義務、協力義務などがあります。
しかし、夫がマザコンで実家(母親の家)に入り浸りで妻のもとに帰って来ない、マザコンで甘やかされて育ち、家事や子育てに協力せずに妻が心身ともに疲弊しているなどの場合は「悪意の遺棄」に該当し、慰謝料請求の対象になります。
ただしそれも程度によって異なるので、確実に慰謝料を獲得したい方は離婚に強い弁護士に相談されるといいでしょう。
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補足:やはりマザコンという理由だけでは離婚は難しい
なお、上でも書きましたが、夫がマザコンという理由だけで離婚するのは困難です。
マザコンの夫は気持ち悪いかもしれませんが、離婚をするには夫の行動が暴力や悪意の遺棄などの離婚事由に該当し、婚姻生活を継続するのが困難であるという証拠が必要になります。
そのためには夫の暴力や暴言などをメモしたり録音したりすることが重要になりますので、証拠となりそうなものがあれば見逃さないようにしましょう。
たとえば夫が家を出た場合は、「帰ってきてほしい」と頼んでいるのに拒否した様子(録音やメールなど)を保存しておくのが効果的です。
マザコン夫(旦那)と離婚する際の慰謝料相場はどれくらい?
夫(旦那)がマザコンだけど実害がない場合は慰謝料を請求するのは困難ですが、マザコンに起因するDVやモラハラ、悪意の遺棄などによる離婚の場合、50万円~300万円の慰謝料を請求することができます。
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マザコンを理由に離婚をする場合、慰謝料の相場は概ね上記の金額になると考えて良いでしょう。
慰謝料の金額はどのように計算される?
DVによる離婚の慰謝料の金額は次の要素によって変わります。
- DVを受けた回数
- DVを受けた期間
- ケガや障害があるかどうかの度合い
- 婚姻期間の長さ
- 子どもの有無と人数、年齢
これらを勘案して算出されます。そのため夫からの暴力が同程度の場合でも、婚姻期間が長いほど慰謝料の金額は高くなるでしょう。
なお、妻の方に何か落ち度があれば請求額よりも減額される場合があります。
マザコン夫(旦那)に慰謝料を請求するときの注意点
マザコン夫に離婚を言い出すと、その母親が出てくる可能性があります。
夫の肩を持つ、嫁の落ち度を責める、子どもは置いて行け……などと言ってくる事が予想されるため、離婚話が難航することが考えられます。
その結果、お互いに感情的になると話し合いは余計にもつれるだけです。マザコン夫に慰謝料を請求する場合はできるだけ第三者(特に弁護士などの法律の専門家)に間に入ってもらうようにしましょう。
医師の診断書は有効
ちなみに夫の暴力でケガをした場合や、精神的に追い詰められて心療内科を受診した場合は診断書を書いてもらうと夫の罪の有力な証拠になります。
慰謝料の請求ができる可能性が大きく上がりますので、実害があった場合は必ず医師の診断書を手に入れておきましょう。
マザコン夫(旦那)と離婚する際の慰謝料まとめ
マザコンという理由だけで離婚するのは難しいですが、夫のDVやモラハラ、悪意の遺棄があれば裁判で離婚が認められる可能性があります。
そのためには、病院を受診した診断書やケガの写真、夫の暴言の録音、散らかった部屋の写真などの証拠を残すことが重要です。
また、マザコンでの離婚の慰謝料の相場は不貞行為(浮気)よりも低く、50万円~300万円と言われており、金額はDVの回数や期間、ケガの度合い、婚姻期間の長さなどで増減します。
夫がマザコンの場合は離婚の話し合いには母親が出てくる可能性が高いので、スムーズに離婚を進めて慰謝料を少しでも高く受け取るためには離婚に強い弁護士に任せるのが得策でしょう。
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