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離婚裁判にかかる期間と流れ~早く有利に離婚する方法

離婚裁判にかかる期間と流れ~早く有利に離婚する方法

離婚裁判にはどれぐらいの期間を要するのか

早ければ半年、ほとんどの場合は1~1年半ほどで決着がつくことが多いようです。内容によっては、2~3年に長引くことも。
まず初めに訴状を提出すると、約1ヶ月~1ヶ月半後に第1回口頭弁論が行われます。その後月1回の審理が行われ、結審(審理が終了)するとその約1ヶ月後に判決が下されます。
原告・被告双方から不服申し立てがなければ、判決が確定し離婚が成立するという流れです。
離婚届は、離婚成立後10日以内に役所に提出することになっています。

裁判の準備自体に時間を要することも

離婚裁判を起こすためには、不貞行為・悪意の遺棄・DVなどの要件を満たす必要があります(後ほど詳しく解説します)。これらの事実を客観的に証明する証拠を集めるために時間がかかることもありますので、注意が必要です。

離婚裁判の基本的な流れ

裁判を起こす前にまず調停!「調停前置主義」ルール

離婚の方法は、全部で3種類。話し合いによる「協議離婚」、裁判所で調停委員立会いのもと話し合う「離婚調停」、裁判官に判断を下してもらう「裁判離婚」です。
実はほとんどの夫婦が「協議離婚」で離婚に至っているのですが、稀に揉めることがあります。その場合は、まず「離婚調停」をしてから、まとまらない場合のみ「裁判離婚」の手続きに頼るのがルール。これを、「調停前置主義」と言います(家事事件手続法第257条)。
「家庭内の人間関係については、可能な限り当事者同士で話し合って決めるべきだ」という考えに基づいています。
実際の離婚裁判の手続きにおいても、訴状と一緒に「離婚調停不成立書」も提出することになっています。

裁判離婚を行うためには「法定離婚事由」を満たす必要がある

「配偶者が離婚を拒絶している」「離婚条件で合意に至らない」時の最終手段が、裁判離婚。しかし、これは誰でも無条件に利用できる制度ではありません。
日本の法律では、以下の「法定離婚事由」を満たす場合のみ訴訟を起こすことができると定められています(民法第770条)。

法定離婚事由

  • 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき(同居しない、生活費をいれないなど)
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき(アルコール依存症は含まれない)
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事実があるとき(DV、セックスレスなど)

したがって、有責配偶者(不貞やDVなどを行った配偶者)からの離婚請求は、原則として認められません。ただし「別居期間が8~9年を超える」「未成年の子どもがいない」「離婚によって相手が厳しい状況に置かれない」などの要件を満たす場合は、例外的に有責配偶者からの離婚事由が認められることもあるようです。

離婚裁判で何を決めるのか

離婚裁判では、一般的に以下の事項について決めることになっています。

  • 離婚の可否
  • 慰謝料・養育費・財産分与の金額
  • 未成年の子どもの親権者

離婚裁判の流れ

離婚裁判の大まかな流れについて、解説します。

  1. 管轄の家庭裁判所に提起
  2. 第1回口頭弁論
  3. 被告側から答弁書を提出
  4. 口頭弁論
  5. 判決、または和解
  6. 離婚届の提出

管轄の家庭裁判所に提起

夫婦が最後に一緒に住んでいた住所地、またはどちらか一方の住所地が管轄です。

第1回口頭弁論

訴状提出から3~10日ぐらいで、第1回口頭弁論期日の通知が裁判所から届きます。第1回口頭弁論期日は、訴状提出の約1ヶ月が目安と考えておくと良いでしょう。

被告側から答弁書を提出

訴訟を提起する際に原告から提出された訴状には、原告の言い分が記載されています。被告側の弁護士は、その内容に対する反論を「答弁書」にまとめ、裁判所に提出します。

口頭弁論

口頭弁論では、夫婦がお互いの意見を裁判官の前で述べます。あらかじめ準備した証拠などに基づき、それぞれ主張・反論を繰り返していくのです。この口頭弁論は、月1回ぐらいの頻度で第2回、第3回……と重ねていきます。冒頭でも記載しましたが、短くて半年、ほとんどは1年~1年半続くと見ておいて良いでしょう。

判決、または和解

裁判官が判決を下すのに充分だと判断すると、弁論を終結。あらかじめ指定された判決言渡期日に、判決が言い渡されます。判決結果が原告・被告のもとに届いて2週間後に、効力が確定します。
裁判官が和解を勧めてくることも多く、実は約半数が和解で決着をつけていると言われています。和解する場合は「和解調書」が作成され、判決と同様の効力を有することになります。「離婚裁判」を早く終わらせるためには、和解を選ぶのもひとつの方法。和解のメリットについては、後ほど詳しく解説します。

離婚届の提出

判決確定後10日以内に、離婚届を「判決の謄本」「判決確定証明書」と一緒に役所に提出します。10日以内に離婚届を提出しないと過料が課されるおそれがありますので、注意が必要です。

離婚裁判のメリットとは

時間もお金もかかる離婚裁判ですが、実際には様々なメリットがあります。

法定強制力がある

単なる話し合いの結果とは違い、裁判官が決めた判決には法的強制力があります。つまり、もし判決内容に従わない場合には、裁判所によって強制的に実現させられてしまうということです。
養育費・慰謝料など金銭の支払いが絡む離婚裁判では、とくに重要な効果だといえるでしょう。

有力な証拠を持っている人にとっては、有利になる可能性がある

不貞行為や暴力行為を客観的に証明する証拠を持っている場合、裁判で有利になる可能性があります。お互いの話し合いで進む「協議離婚」「調停離婚」とは違い、裁判官が第三者の視点から客観的かつ公正に判断を下すからです。
ただし一度裁判で不貞行為・暴力の事実が認められなかった(棄却された)場合は、もう一度同じ事実に基づき裁判を提起することができなくなるおそれがありますので注意が必要です。

弁護士が代わりに戦ってくれる

夫婦間の話し合いのみで「協議離婚」をした場合、重要な話し合いが抜けていたり、不利な条件で配偶者にまるめ込まれたりしてしまうこともあります。
厚生労働省が発表している「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子世帯で養育費の「取り決めをしている」のは 42.9 %、父子世帯は20.8 %といずれも低い水準。とくに「協議離婚」では、養育費の取り決めをしている割合が低くなっていました。主な理由としては「相手と関わりたくない」「相手に支払う能力がないと思った」など、弁護士が介入すれば解決できそうな理由が挙げられていました。
弁護士に依頼すれば、養育費や慰謝料について、裁判官を納得させるようしっかり主張してくれます。

離婚裁判のデメリット

一方、デメリットも沢山あります。

時間とお金がかかる

前述の通り、離婚裁判には1年以上かかることも多いです。さらに弁護士費用も安くはありません。仕事や育児と両立させながら離婚裁判を続けるためには、「何が何でも離婚するんだ」という強い意志と覚悟が必要になります。

強いストレスにも耐えなければならない

ただでさえ離婚には精神的エネルギーを消耗するものですが、さらに裁判では時間とお金もかかるためより強いストレスに耐えなければなりません。
元々夫婦だった二人が、裁判所で激しい戦いを繰り広げることになります。幼い子どもの親権を巡って争う際には、心を引き裂かれるような思いをすることもあるでしょう。離婚の泥沼化で、体調を崩す人も少なくありません。

裁判手続きが公開される

離婚裁判の口頭弁論も、通常と同じく一般に公開されます。裁判手続きの公開には「不正防止」の側面もあるため、一概に悪いことばかりとは言えません。
しかし「家庭の事情が丸裸になるのは恥ずかしい」と感じる人がほとんどでしょう。仮に知人が傍聴席に入ってきても、聞かれたくないからという理由で追い出すことはできません。

自分にとって不本意な結果にも、もちろん法定強制力がある

前項に挙げたメリットの逆パターンです。仮に不本意な判決が下されても、その内容には必ず従わなければなりません。優秀な弁護士に頼んだからといって、必ず思い通りになるという保証はどこにもないのです。

離婚裁判を早く終わらせるためには

時間もお金も精神的エネルギーも消耗する、離婚裁判。少しでも早く終わらせるためのポイントをご紹介します。

裁判官を納得させる有力な証拠を用意

自分の主張を裁判官に早い段階で認めさせるために、有力な証拠を準備しておくのもひとつの方法です。たとえば不貞行為を明確に示す画像や、DVを証明する医師の診断書、DVの録音データなどです。

和解を受け入れる

前述の通り、判決の代わりに和解を裁判官から勧められることもあります。その内容が納得のいくものであれば、和解を受け入れてみることで早期に決着がつく可能性があります(ただし配偶者も同意する必要があります)。
和解すれば、1年以内で終了することも多いようです。
判決と同様、和解成立後10日以内に離婚届を提出することで一連の手続きが完了します。和解によって離婚したことは戸籍に記載されますから、再婚をする際に印象が良くなることも期待できます。

離婚裁判を有利に進めるためには、弁護士に相談を

離婚を決意したら、一刻も早く弁護士に相談しましょう。協議離婚からスタートする方がほとんどですが、この段階から弁護士に交渉を依頼したほうが後々裁判に移行する際も有利に進められる可能性があります。自力でやって失敗してから弁護士に依頼するというプロセスでは、後から挽回できなくなるリスクもあります。
無料法律相談を受け付けている弁護士もいますので、まずは気軽に問い合わせしてみましょう。

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