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スピード離婚で慰謝料は請求できる?相場をケース別に紹介!

スピード離婚で慰謝料は請求できる?相場をケース別に紹介!

新婚~結婚5年以内なのに離婚してしまうことをスピード離婚と言います。

ただその際の慰謝料は、一般的に長い結婚生活において受けた精神的苦痛によるので、スピード離婚では請求できるのでしょうか。

また、スピード離婚の慰謝料金額の相場はどれくらいなのか、詳しく解説していきます。

スピード離婚で慰謝料が請求できるケース

スピード離婚の定義は特に決まってはいないのですが、一般的に結婚して5年以下で離婚するケースを「スピード離婚」と言います。

スピード離婚で慰謝料請求できるのは、次のケースです。

  • 配偶者が不貞行為をした場合
  • 配偶者がDV(暴力・モラハラ)をした場合
  • 配偶者が悪意の遺棄(いき)をした場合
  • 性の不一致(性交不能やセックスレス、異常な性癖など)の場合

このように、スピード離婚でも一般の離婚と同じ理由で慰謝料請求が可能となります。

ケース別:スピード離婚の慰謝料相場

では、上記のような理由でスピード離婚した場合、相手に請求できる慰謝料の相場はどれくらいでしょうか。ケース別に見ていきましょう。

配偶者の不貞行為の場合

配偶者が不貞行為(異性との性交渉)をした場合の慰謝料の相場は100万円~300万円程度で、多い場合は500万円になることもあります。

ただ、スピード離婚の場合は多くても100万円程度でもっと少ない場合がほとんどです。

配偶者がDV(暴力・モラハラ)の場合

配偶者からDVを受けて離婚した場合の慰謝料の相場は50万円~200万円程度ですが、スピード離婚の場合は50万円程度になります。

暴力やモラハラで病院を受診した場合は医療費も請求できるので、診断書や領収書を保管しておきましょう。

配偶者が悪意の遺棄をした場合

「悪意の遺棄(いき)」とは生活費を入れない、正当な理由がないのに別居しているなどのことです。

それが原因で離婚した場合の慰謝料相場は50万円~200万円ですが、スピード離婚の場合は50万円程度とかなり低くなります。

性の不一致(性交不能やセックスレスなど)の場合

もともと性の不一致が原因で離婚した場合の慰謝料額は50万円から多くても100万円程度と少ないのが現実です。スピード離婚の場合はさらに少なくなると考えられます。

また、それを証明することが難しい上に調停や裁判でそのことを説明しなければなりません。そのため、慰謝料の金額の少なさなどを考えて請求を断念する人もいます。

一般の離婚とスピード離婚の慰謝料相場の比較

一般の離婚とスピード離婚の慰謝料の相場を比較すると、次のようになります。

離婚原因名 一般の離婚 スピード離婚
不貞行為 100~300万円 100万円以下
DV 50~200万円 50万円程度
悪意の遺棄 50~200万円 50万円程度
性の不一致 50~100万円 50万円以下

なお、これはあくまでも相場なので、相手の悪意や行動に応じてそれ以上にもそれ以下にもなることがあります。

スピード離婚での慰謝料額が少ない理由

このようにスピード離婚した場合の慰謝料は、同じ理由でも一般の離婚よりも低くなります。その理由について見ていきましょう。

結婚期間が短いとダメージも少ないと判断されるから

離婚時の慰謝料というのは、不貞行為やDV、悪意の遺棄などの離婚原因によって精神的な苦痛を受けたことに対しての損害賠償の意味合いで支払われます。

特に結婚期間が長い人や子どもがいる人などは、それだけ受ける苦痛が大きいため慰謝料は多くなります。

しかし、結婚期間が短いと受けるダメージが少ないため、その分、慰謝料も少なくなります。

慰謝料を少しでも多く請求する方法

スピード離婚で少しでも多く慰謝料を請求するには、証拠をしっかり押さえて提出することが大切です。

主な証拠としては、次のものがあげられます。婚姻期間が短くても、下記に該当する場合はきちんと証拠を保存しておきましょう。

離婚原因 証拠
不貞行為 ・不貞行為(性行為)をしていることがわかる動画や音声
・ラブホテルに出入りする瞬間の動画や写真
・車内の避妊具
・性行為があることがわかるメールやLINEのやりとり
など
DV(暴力やモラハラ) ・暴力を受けたときのけがの写真
・室内に物を投げ散らかした様子の写真
・暴言やモラハラをしているときの音声データ
・医師を受診したことがわかる診断書
など
悪意の遺棄 ・生活費を受け取っていないことがわかる銀行口座や家計簿など
・配偶者が家を出ていったときの記録(日記など)
など
性の不一致 ・性行為を無理矢理求める音声データ
・性行為の回数や内容について夫婦で話し合っている音声データ
・異常な性癖を示すアダルトグッズなど
・病院を受診したことがわかる診断書
など

こういった証拠があると相手の非がはっきりするので慰謝料の交渉がやりやすくなります。

自分ひとりで交渉が難しい場合は弁護士に依頼するといいでしょう。ただし、慰謝料の請求額(獲得額)が少ないと弁護士費用の方が高くなる場合があるので注意してください。

なお、不貞行為の場合は不倫相手にも慰謝料を請求できますが、配偶者と不倫相手からダブルで受け取ることはできません。

例えば、300万円の慰謝料を請求する場合、配偶者と不倫相手の双方から合わせて300万円が受け取れるという意味で、それぞれから300万円を受け取れるわけではないので注意しましょう。

慰謝料請求は時効に注意

慰謝料請求できる場合でも時効があるので早めに請求することが大切です。

慰謝料請求の時効に関しては、こちらの記事で詳しくご説明しています。

スピード離婚で財産分与は可能?

離婚時に受け取れるお金では、慰謝料とは別に財産分与があります。

財産分与とは結婚してから夫婦が協力して築いた財産を分けることを言います。

スピード離婚でも財産分与できるもの

たとえスピード離婚であっても、結婚してから築いた財産は離婚時に折半(2分の1ずつ)します。

財産分与の対象となるのは現金だけではありません。次のように多くのものがあります。

  • 結婚後に買った住宅や土地
  • 結婚後に買った自動車
  • 結婚後に買った家電製品や家具
  • 結婚後に買った株や債権
  • 結婚してから貯めた貯金

なお、結婚後に購入したものであれば名義はどちらであっても財産分与の対象になります。

離婚時の財産分与の対象にならないもの

一方、次のものは財産分与の対象にはなりません。

  • 独身時代に買った自動車
  • 結婚前に購入し持参した家電製品や家具
  • 独身時代に貯めていた貯金
  • 独身時代に買った株や債権

スピード離婚の場合は結婚してからの期間が短いので財産そのものが多くはありませんが、財産分与の考え方は一般の離婚と同じです。

詳しくはこちらの記事でご説明しているので、合わせてご覧ください。

スピード離婚で子どもの養育費はどうなる?

子どもがいてスピード離婚する場合、養育費の請求はできます。養育費は親権を持たない方の親に支払う義務がありますが、養育費の金額は子どもの年齢と数、夫と妻の年収で決まります。

妊娠中に離婚する場合

妊娠中に離婚する場合でも、生まれた子どもに対して夫には養育費を支払う義務があります。

養育費の相場や請求方法についてはこちらの記事で詳しくご説明しています。

スピード離婚での慰謝料~まとめ

スピード離婚であっても、配偶者に不貞行為やDV(暴力やモラハラ)、悪意の遺棄、性の不一致などがあれば慰謝料を請求することができます。

ただ、その際には相手の非を証明する証拠が必要になります。また、スピード離婚時の慰謝料は一般の離婚時よりも低くなる傾向がありますが、夫婦の状況によっては相場以上に獲得できることもあります。

慰謝料の請求額の決め方や相手との交渉には専門的な知識が必要なので、一度弁護士に相談されるといいでしょう。

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