浮気の慰謝料相場を18パターンで解説|確実に請求する方法
配偶者のスマホに見覚えのない名前のやり取りを見つけ、頭が真っ白になったまま「浮気 慰謝料」と検索した方もいるのではないでしょうか。裏切られた悔しさと、これからどうすればいいのかという不安が、同時に押し寄せているかもしれません。
結論からお伝えしましょう。浮気(不倫)の慰謝料は、裁判例の傾向としておおむね数十万円から300万円程度の幅で判断されることが多く、離婚するかどうか、婚姻期間、子どもの有無、浮気の期間や回数といった事情で金額が大きく変わります。法律に「浮気=〇〇万円」という定価はありません。
だからこそ、「自分のケースならいくらになるのか」を知ることが第一歩になるでしょう。この記事では、浮気慰謝料の相場を18のパターンに分けて整理し、増額・減額のポイント、誰に請求できるのか、そして確実に受け取るための手順まで順番に解説します。
落ち着いて読み進めてみてください。知識があるだけで、相手との話し合いの主導権は大きく変わります。
浮気の慰謝料相場は数十万円〜300万円|結論と考え方
「相場さえ分かれば請求額を決められるのに」と感じていませんか?まずは、慰謝料がどのように決まるのかという全体像から押さえましょう。
慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償
浮気の慰謝料とは、配偶者の不貞行為によって受けた精神的苦痛を金銭で償ってもらうものです。法律上の根拠は民法709条(不法行為)と710条(精神的損害の賠償)にあります。
つまり、罰金のように法律で額が決まっているわけではありません。裁判所は、浮気の内容や夫婦関係への影響を一つひとつ見て金額を判断します。
裁判例の傾向で見る「3つのゾーン」
弁護士がよく使う整理の仕方として、慰謝料の相場は大きく3つのゾーンに分けられます。
| 状況 | 裁判例の傾向(目安) | ポイント |
|---|---|---|
| 浮気はあったが離婚も別居もしない | 数十万円〜100万円程度 | 夫婦関係が維持されている分、損害は小さいと評価されやすい |
| 浮気が原因で別居に至った | 100万円〜200万円程度 | 婚姻関係への影響が明確に出ている |
| 浮気が原因で離婚に至った | 100万円〜300万円程度 | 婚姻期間が長い、子どもがいる、浮気が長期などで上限側に寄る |
インターネット上では「相場は50万〜500万円」と幅広く書かれることもあります。ただ、実際の裁判例では300万円を超える金額は少数派と考えてください。500万円や1,000万円という数字は、長年の浮気に暴力や悪意の遺棄が重なったような例外的な事案です。
話し合いで決めるなら相場に縛られない
裁判ではなく、当事者同士の話し合い(示談)で解決する場合、金額は自由に決められます。相手が早く解決したいと考えていれば、相場より高い金額で合意できることもあるでしょう。
一方で、相場からかけ離れた金額を最初から突きつけると、相手が弁護士を立てて徹底的に争う可能性も出てきます。相場を知ったうえで、少し高めの金額から交渉を始めるのが現実的な進め方です。
浮気の慰謝料を請求できる3つの条件
「浮気されたのだから当然請求できる」と思っている方も多いでしょう。しかし、法律上の慰謝料請求には条件があります。ここを外すと、せっかくの請求が認められません。
条件1:不貞行為(肉体関係)があること
法律上の「不貞行為」とは、配偶者以外の相手と自由な意思で性的関係を持つことを指します。手をつないだ、2人で食事に行った、LINEで「好き」と送り合っていた。これらだけでは、不貞行為とまでは評価されないのが一般的です。
ただし、肉体関係がなくても、親密な交際によって夫婦関係が壊れた場合は、不貞行為とは別の形で慰謝料が認められた例もあります。金額は不貞行為がある場合より低くなる傾向ですが、「証拠がLINEだけだから無理」と決めつけないでください。
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条件2:浮気の時点で夫婦関係が破綻していなかったこと
ここは見落とされやすい条件です。最高裁は、配偶者と第三者が肉体関係を持った時点で婚姻関係がすでに破綻していた場合、特段の事情がない限り、その第三者は不法行為責任を負わないと判断しています(最高裁第三小法廷 平成8年3月26日判決)。
「破綻」とは、長期間の別居や離婚協議の進行など、夫婦としての実体がなくなっている状態を指します。家庭内で会話が少ない、夜の関係がない、という程度では破綻とは認められにくいでしょう。浮気をした側が「もう冷め切っていた」と主張してきても、同居を続けていたなら慌てる必要はありません。
さらに2026年6月には、最高裁が新しい判断を示しました。不貞相手が「夫婦関係はすでに破綻している」と信じ、そう信じたことに相当な理由があった場合には、過失が否定され得るというものです(最高裁第二小法廷 令和8年6月5日判決)。不貞相手が「独身だと聞いていた」「離婚したと言われていた」と主張するケースでは、この判断が影響する可能性があります。
条件3:時効(3年)を過ぎていないこと
慰謝料請求権には時効があります。浮気の事実と相手(不貞相手)を知ったときから3年、または浮気のあったときから20年で消滅するのが原則です(民法724条)。
例えば、3年前に浮気を知っていたのに何もしていなかった場合、相手の名前や住所も当時から分かっていれば、請求が難しくなります。心当たりがあるなら、早めに弁護士へ相談してみてください。
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浮気・不倫の慰謝料相場を18パターンで紹介
ここからが本題です。「自分の場合はどのゾーンなのか」を確かめながら読んでみてください。なお、以下の金額はいずれも裁判例の傾向から見た目安であり、個別の事情で上下します。
離婚するかどうかで変わる相場
パターン1:離婚しないで慰謝料だけ請求する
夫婦関係を続けながら、配偶者や浮気相手に慰謝料を請求するケースです。婚姻関係が維持されているため、裁判例では数十万円〜100万円程度にとどまることが多いでしょう。
配偶者に請求しても家計は同じ財布なので、実務上は浮気相手にだけ請求する形が一般的です。
パターン2:浮気が原因で別居した
離婚はしていないものの、浮気が原因で別居に至った場合は、夫婦関係への影響が目に見える形で出ているケースです。裁判例の傾向としては100万円〜200万円程度で判断される例が目立ちます。
別居中は、相手に婚姻費用(生活費)を請求できることも忘れないでください。
パターン3:浮気が原因で離婚する
もっとも慰謝料が高くなりやすいパターンです。100万円〜300万円程度が中心で、婚姻期間が長い、子どもが幼い、浮気が長期間に及ぶといった事情が重なると、300万円に近づきます。
協議離婚でも調停離婚でも裁判離婚でも、考え方の基本は同じです。ただし協議や調停では、財産分与や養育費とまとめて「解決金」という形で合意することもあります。
婚姻期間・子どもの有無で変わる相場
パターン4:婚姻期間が短い(数年以内)
結婚して1〜3年ほどで浮気が発覚し離婚する場合、婚姻期間が短い分、慰謝料は相場の中でも低めに評価される傾向があります。離婚に至っても100万円前後で収まる例が少なくありません。
ただし、新婚早々の浮気は「裏切りの程度が重い」と見る裁判例もあり、一概には言えません。
パターン5:婚姻期間が長い(10年以上)
10年、20年と連れ添った末の浮気は、精神的苦痛が大きいと評価されます。離婚する場合は200万円〜300万円程度が視野に入るでしょう。
熟年離婚になるケースでは、慰謝料と合わせて財産分与や年金分割も重要になります。
パターン6:子どもがいない
「子どもがいないと慰謝料は安いのでは」と心配する方がいます。実際には、子どもの有無は考慮要素の一つにすぎません。離婚するなら100万円〜200万円程度が目安で、婚姻期間や浮気の悪質性のほうが金額を左右します。
パターン7:未成年の子どもがいる
幼い子どもがいる家庭を壊した浮気は、重く見られる傾向です。離婚に至れば150万円〜300万円程度で判断される例が多く、子どもの人数が多い、年齢が低いといった事情は増額方向に働きます。
パターン8:浮気相手が妊娠・出産した
浮気相手との間に子どもができた場合、配偶者の受ける苦痛は格段に大きいと評価されるでしょう。離婚する場合は相場の上限である300万円近く、あるいはそれを超える金額が認められた例もあります。
浮気の態様で変わる相場
パターン9:1回限りの浮気
出来心による1回だけの不貞行為で、すぐに関係を断ち切った場合は、慰謝料は低めになります。離婚しないなら数十万円、離婚するとしても100万円前後が目安でしょう。
パターン10:長期間(1年以上)の浮気
浮気の期間が長いほど、精神的苦痛も継続的で大きいと評価されるのが通常です。1年以上の交際が続いていた場合、離婚なら200万円以上も十分に射程に入ります。
パターン11:複数の相手と浮気していた
相手が複数いる、繰り返し浮気を重ねている場合は、悪質性が高いと判断されます。それぞれの相手に対して個別に請求できるうえ、配偶者に対する請求額も相場の上限側に寄るでしょう。
パターン12:浮気相手の家に住みついた
家を出て浮気相手と同棲している場合、不貞行為に加えて「悪意の遺棄」も問題になります。生活費を入れずに家庭を放置していれば、慰謝料はさらに増額される方向です。離婚に至れば200万円〜300万円程度が目安になります。
パターン13:風俗店の利用
風俗店で性的サービスを受けた場合も、肉体関係があれば不貞行為に当たり得ます。ただし継続的な恋愛関係と比べると、慰謝料は低めに評価されやすく、数十万円程度にとどまる例が多いでしょう。
相手や関係性で変わる相場
パターン14:ダブル不倫(W不倫)
お互いに既婚者同士の浮気です。あなたが相手の配偶者から慰謝料を請求される可能性もあるため、請求額と支払額が相殺されてしまうことがあります。相場自体は通常の浮気と同じく100万円〜300万円程度ですが、全体の損得を考えてから動くのが賢明です。
パターン15:浮気相手にだけ請求する
配偶者とはやり直すが、浮気相手には責任を取ってもらいたいというケースです。離婚しない場合は数十万円〜100万円程度が中心で、相手が既婚と知りながら関係を続けていたことや、相手から積極的に誘っていたことが証明できれば増額要素になります。
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パターン16:相手が無職・収入が少ない
相手の支払能力は、金額の決め方そのものには直接影響しません。ただ、実際に回収できるかは別問題です。無職の浮気相手に300万円の判決を得ても、財産がなければ回収は困難でしょう。分割払いや、配偶者との合計額で調整するといった現実的な解決を考える必要があります。
パターン17:内縁関係・婚約中の浮気
籍を入れていない内縁関係や婚約中であっても、法律上の夫婦に準じた保護を受けられるのが原則です。慰謝料は認められますが、婚姻関係ほどの重みで評価されないことがあり、数十万円〜200万円程度と幅があります。単なる同棲や交際中の浮気では、原則として慰謝料は請求できません。
パターン18:浮気に加えてDVやモラハラもある
浮気だけでなく暴力や人格否定の暴言が重なっていた場合、それぞれの行為による苦痛が合算して評価されます。離婚する場合は300万円を超えることもあり、診断書や録音などDV・モラハラの証拠も並行して集めておきましょう。
慰謝料が高くなる要素・低くなる要素
18パターンを見て、「うちはいくつも当てはまる」と感じた方もいるでしょう。裁判所が実際に見ている要素を、増額・減額に分けて整理します。
増額につながる7つの要素
- 婚姻期間が長い(10年以上など)
- 未成年の子どもがいる、人数が多い
- 浮気の期間が長い、回数が多い
- 浮気が原因で別居・離婚に至った
- 浮気相手が妊娠・出産した
- 浮気が原因でうつ病などを発症し、通院した
- 浮気相手が既婚と知りながら積極的に関係を続けた、発覚後も関係を断たない
これらは一つでも当てはまれば増額されるというより、複数が重なるほど上限に近づくイメージで考えてください。
減額につながる要素
- 婚姻期間が短い
- 浮気が1回限りで、すぐに関係を断った
- 浮気の前から夫婦関係が悪化していた(別居中など)
- 請求する側にも浮気や暴力など落ち度があった
- 浮気した側が深く反省し、謝罪している
- すでに配偶者から十分な慰謝料を受け取っている
とくに「浮気の前から夫婦関係が悪かった」という主張は、相手側の常とう手段です。別居していたとしても、別居の原因が相手の浮気であれば破綻とは評価されないので、時系列を整理しておきましょう。
相手の収入や社会的地位は影響する?
裁判例では、相手の収入や地位は「主たる要素」ではなく、補助的に考慮される程度です。経営者や医師だから自動的に倍になる、ということはありません。ただし、話し合いの場面では、支払能力が高い相手ほど相場より高い金額で早期に合意するケースも見られます。
誰にいくら請求できる?配偶者・浮気相手・求償権
「夫にも、相手の女性にも、それぞれ300万円ずつ請求できるのでは」と考える方がいます。残念ながら、そうはなりません。ここを正しく理解しておかないと、交渉で損をする可能性があります。
配偶者と浮気相手は「連帯して」責任を負う
浮気は配偶者と浮気相手が共同で行った不法行為です。そのため、2人は連帯して1つの慰謝料を支払う義務を負います。
例えば慰謝料の総額が200万円と評価された場合、配偶者に200万円請求してもよいし、浮気相手に200万円請求してもよいし、100万円ずつ請求してもかまいません。ただし、合計で200万円を超えて受け取ることはできないのです。
浮気相手に「離婚慰謝料」は原則請求できない
注意したいのが、最高裁の判断です。夫婦の一方は、不貞相手に対して「離婚したこと自体」の慰謝料を原則として請求できないとされました(最高裁第三小法廷 平成31年2月19日判決)。離婚は夫婦の間で決めるべきことであり、不貞相手が離婚させる意図で不当に干渉したなどの特段の事情がない限り、責任を負わないという理屈です。
とはいえ、不貞行為そのものに対する慰謝料は請求できます。実務上は「離婚に至った」という事情を不貞慰謝料の増額要素として主張するので、請求できる総額が大きく変わるわけではありません。
求償権とは?浮気相手が全額払った後に起きること
浮気相手に全額を支払わせた場合、浮気相手はあなたの配偶者に対して「自分の負担分を超えて払った分を返してほしい」と請求できます。これが求償権です。
離婚しないケースでは、浮気相手が配偶者に求償すると、結局は家計から支払うことになりかねません。示談書に「求償権を放棄する」という一文を入れて合意するのが一般的な対処法です。
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浮気の慰謝料を確実に請求する5つのステップ
相場が分かったら、次は実際に受け取るまでの道のりです。感情のままに相手を問い詰めても、証拠を消されたり言い逃れされたりするだけ。順番を守って進めてみてください。
ステップ1:証拠を集める
すべての出発点は証拠です。不貞行為(肉体関係)を推認できる証拠がなければ、相手は「ただの友人」と言い張れます。
| 証拠の種類 | 評価 | 備考 |
|---|---|---|
| ラブホテルに出入りする写真・動画 | 非常に強い | 日時が分かるもの。探偵の調査報告書も同様 |
| 肉体関係を示すLINE・メール | 強い | 「昨日は気持ちよかった」など性的関係を推認できる内容 |
| 相手が浮気を認めた録音・念書 | 強い | 日付・署名入りの念書が望ましい |
| ホテルや旅行の領収書・クレジット明細 | 中程度 | 他の証拠と組み合わせて使う |
| 「好き」といった親密なメッセージのみ | 弱い | 肉体関係の証明にはならない |
相手のスマホを無断で見る行為については、証拠として使えないわけではありませんが、方法によってはプライバシー侵害を主張されることがあります。GPSを無断で取り付ける、相手の家に侵入するといった行為は避けてください。
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ステップ2:請求額と相手を決める
証拠がそろったら、18パターンと増減要素を参考に、請求額を決めます。離婚するのかしないのか、配偶者と浮気相手のどちらに(または両方に)請求するのかもこの段階で整理しましょう。
迷ったら、弁護士の無料相談で「この証拠と事情なら、いくらが妥当か」を聞いてみるのが近道です。
ステップ3:内容証明郵便で請求する
いきなり裁判ではなく、まずは内容証明郵便で慰謝料を請求するのが一般的です。内容証明には「いつ、誰が、誰に、どんな内容の手紙を送ったか」を郵便局が証明する効果があり、相手に本気度が伝わります。
記載する主な項目は次のとおりです。
- 不貞行為の事実(時期・相手)
- 請求する慰謝料の金額
- 支払期限と振込先
- 期限内に支払いがない場合は法的手続きをとる旨
弁護士名で送ると、相手が交渉に応じる確率は格段に上がります。
ステップ4:示談交渉と示談書の作成
相手が話し合いに応じたら、金額と支払方法を交渉します。合意できたら、必ず示談書(合意書)を作成してください。口約束では、後から「そんな約束はしていない」と言われても対抗できません。
示談書に盛り込む項目の例を挙げます。
- 慰謝料の金額と支払期限・方法
- 分割払いなら、1回でも遅れたら残額を一括払いする条項
- 浮気相手と今後一切接触しない旨(違反時の違約金)
- 求償権の放棄
- 清算条項(これ以外に債権債務がないこと)
分割払いの場合は、公正証書にしておくと、不払いのときに裁判なしで給与や預金を差し押さえられます。
ステップ5:調停・裁判で請求する
話し合いがまとまらなければ、裁判所を使います。配偶者に対しては離婚調停の中で慰謝料を請求できますし、浮気相手に対しては民事の損害賠償請求訴訟を起こすのが一般的な流れです。
訴訟では証拠の整理や書面の作成が必要になるため、弁護士に依頼するのが現実的でしょう。弁護士費用が心配な方は、収入や資産が一定基準以下であれば法テラスの民事法律扶助(費用の立替え)を利用できます。
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仮定の例で見る浮気慰謝料の決まり方
要素の組み合わせによって金額がどう変わるのか、仮定の例で確認してみましょう。実際の金額は証拠や交渉次第で変わるので、あくまで考え方の目安として読んでください。
例1:結婚2年・子なし・浮気は3か月・離婚しない
夫が同僚と3か月ほど関係を持ち、発覚後すぐに関係を断ったケースです。妻は離婚を望まず、浮気相手にのみ請求します。婚姻期間が短く、離婚もしないため、50万円〜100万円程度が目安になるでしょう。相手が既婚と知っていたことが証明できれば、上限側に寄せて交渉できます。
例2:結婚12年・子ども2人・浮気は2年・離婚する
妻が2年にわたって浮気を続け、発覚後も関係を断たず、離婚に至ったケースです。婚姻期間の長さ、幼い子ども2人、長期間の浮気と増額要素が重なります。夫が配偶者と浮気相手に対して請求できる総額は200万円〜300万円程度が視野に入るでしょう。
例3:浮気相手が妊娠し、夫が家を出た
夫が浮気相手と同棲を始め、相手が妊娠。生活費も入れなくなったケースです。不貞行為に悪意の遺棄が加わり、妻はうつ病で通院中だとしましょう。このような事案では300万円以上が認められる可能性があり、別居中の婚姻費用、離婚後の養育費も合わせて請求していくことになります。
よくある質問
Q. 証拠がLINEのやり取りしかありません。請求できますか?
LINEの内容次第です。肉体関係を推認できる具体的なメッセージであれば、有力な証拠になります。「会いたい」「好き」程度であれば不貞行為の証明としては弱いものの、交渉の材料にはなるでしょう。相手が浮気を認めている録音と組み合わせるなど、証拠を厚くしてから請求してみてください。
Q. 浮気相手の名前や住所が分かりません
氏名や住所が分からないと、内容証明も訴訟も進められません。配偶者に聞き出す、探偵に調査を依頼する、弁護士を通じて照会するといった方法が考えられるでしょう。弁護士は、職務上の権限で一定の情報を照会できる場合があるので、相談してみる価値はあります。
Q. 慰謝料を請求すると、相手に逆ギレされませんか?
感情的な反発は珍しくありません。だからこそ、本人同士ではなく弁護士を間に入れる方法が有効です。弁護士が窓口になれば、相手からの直接の連絡を止められ、冷静な交渉がしやすくなります。
Q. 相手に支払う資力がない場合はどうすればいいですか?
判決や公正証書があれば、給与や預金口座の差押えが可能です。ただ、本当に財産がなければ回収はできません。分割払いで現実的な金額に落とし込む、配偶者と浮気相手のどちらから回収するかを検討する、といった戦略が必要になります。
Q. 離婚しない場合、夫からも慰謝料を取れますか?
法律上は請求できます。ただし同じ家計から支払われるため、実益は乏しいでしょう。離婚しないケースでは、浮気相手に請求し、示談書で求償権を放棄してもらう形が一般的です。
Q. 浮気が原因で離婚する場合、財産分与や養育費はどうなりますか?
慰謝料とは別に請求できます。財産分与は婚姻中に築いた財産を原則2分の1ずつ分けるもので、浮気の有無とは無関係に請求できるものです。養育費も子どもの権利ですから、浮気をした側が親権者にならなくても支払義務を免れません。なお、2026年4月からは財産分与の請求期限が離婚後5年に延長されています。
Q. 慰謝料に税金はかかりますか?
精神的苦痛に対する損害賠償として社会通念上相当な範囲の慰謝料であれば、原則として所得税はかかりません。ただし、相場を大きく超える金額を受け取った場合は贈与とみなされる可能性があるため、高額になるときは税理士に確認しておくと安心です。
まとめ
浮気・不倫の慰謝料は、裁判例の傾向として数十万円から300万円程度の幅があり、離婚の有無、婚姻期間、子どもの有無、浮気の期間や態様によって金額が決まります。18のパターンに自分の状況を当てはめれば、おおよその目安は見えてきたのではないでしょうか。
最後にポイントを整理します。
- 離婚しないなら数十万円〜100万円、離婚するなら100万円〜300万円程度が中心
- 請求には「肉体関係」「浮気時点で破綻していない」「時効3年以内」の3条件が必要
- 配偶者と浮気相手は連帯責任。合計で相場額を超えて受け取ることはできない
- 証拠→内容証明→示談書(求償権放棄・公正証書)→調停・裁判の順で進める
裏切られた気持ちは、お金で完全に癒えるものではありません。それでも、正当な慰謝料を受け取ることは、次の一歩を踏み出すための大切な区切りになります。一人で抱え込まず、まずは弁護士の無料相談で「自分のケースの相場」を確かめてみてください。
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