離婚慰謝料の取り方をケース別に紹介!浮気やDVに最短で慰謝料請求するには?
離婚で慰謝料請求できるのは、基本的に配偶者の不貞行為、DV(暴力やモラハラ)、性の不一致(セックスレスや性的異常など)、悪意の遺棄などがあった場合です。
相手との関係が悪化したら少しでも早く別れたいものですが、その際は損をしないためにも慰謝料をしっかり取りましょう。
このページではそんな離婚慰謝料を確実に取り、なおかつ最短で請求する方法についてご説明します。
まずは慰謝料が取れる離婚かどうかを確認!
どんな離婚原因でも慰謝料が取れるというわけではありません。まず慰謝料が取れる離婚かどうかを確認しましょう。
慰謝料が取れる離婚理由
慰謝料請求ができるのは、法定離婚事由として認められている「不貞行為」「悪意の遺棄」、「婚姻生活を継続し難い重大な事由」がある場合に限られます。
具体的には次のようなケースが該当します。
不貞行為 | ・食事や映画だけの場合は対象外 ・不貞行為(性行為)があること |
---|---|
DV | ・暴力だけでなくモラハラも対象 |
悪意の遺棄 | ・浮気相手の家に行ったきり戻ってこないとか生活費を入れないといった状態の場合 |
性の不一致 | ・高齢や病気が原因で性行為ができない場合は対象外 ・健康であるにも関わらず性行為を拒むセックスレスや同性愛で配偶者との性行為を拒む場合、SMプレイなどを強要する性的異常が対象 |
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慰謝料の取り方には3つの方法がある!
離婚時の慰謝料請求に該当するとわかったら、行動を始めます。
慰謝料を取る方法としては、次の3つがあります。
- 相手と直接交渉する
→会う、電話やメールで請求する。 - 内容証明を送付する
- 裁判を起こす
それぞれの方法について説明します。
慰謝料の取り方①:相手と直接交渉する
これは直接相手に対して「慰謝料を請求します」ということを申し出る方法です。
実際に会うだけでなく、電話やメール、LINEで伝える方法もあります。
直接会うメリットとデメリット
費用がかからない点がメリットです。相手がすぐに慰謝料の支払いに応じれば一番早く獲得できます。
一方、デメリットとしては、次の点があげられます。
- 相手と顔を合わさなければいけない
- 反論される
- 支払いを拒否される
- 「そんな話は聞いていない」とシラを切られる
- 2回目以降の話し合いを無視される
- 電話やメールの着信拒否・ブロックなどで連絡が取れなくなる
このように相手は慰謝料を支払いたくないためにさまざまな態度を取ります。最悪の場合は連絡を拒否したり、「証拠を出せ」と脅したりする可能性があります。
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慰謝料の取り方②:内容証明を送付する
不貞行為など慰謝料請求の理由(事実)と請求する金額、振込先などを記入して内容証明で送付する方法があります。
内容証明のメリットとデメリット
送付した文書の内容(いつ、誰が誰に、どんな内容で送付したか)が日本郵便(株)によって証明されるので「聞いていない」というトラブルが回避できます。
また、口頭で伝えるよりも自分の本気度を示せるため、相手にプレッシャーを与えることもできます。
一方、デメリットとしては、文書の内容次第では「脅迫」と受け止められる場合があることや法的な強制力がない点などがあります。
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慰謝料の取り方③:裁判を起こす
慰謝料を取る手段として「裁判を起こす」という方法があります。
ただ、いきなり裁判を起こすことはなく、話し合い(協議)でまとまらない場合は調停、それでもまとまらない場合に裁判を起こすという流れが一般的です。
裁判をするには冒頭でご説明した「法定離婚事由」に該当していることが条件で、証拠も必要になります。
裁判のメリットとデメリット
裁判で慰謝料を請求するメリットとしては、話し合いや調停で合意が得られない場合に裁判で結論を出してもらえる点です。
一方、裁判には次のようなデメリットがあります。
- 専門用語が多く出てきて、専門的な書類が多い
- 弁護士に依頼するため費用がかかる
- 結審まで時間がかかる
- 希望する慰謝料よりも低い金額で決定されることがある
裁判はとにかく難しい用語が多く、専門的な書類の記入や提出する機会が多くあります。これをひとりでこなすのは困難です。そのため、弁護士に依頼することになりますが、費用が発生します。
また、審理は月1回程度なので、結審するまでに1年以上かかることがあります。問題がなかなか解決しないので精神的なストレスが大きくなります。
さらに裁判では証拠や双方の主張を元に判決を下します。そのため、自分が望む金額よりも低い額で決まるケースがあります。
自分の希望に見合う慰謝料を獲得するためにも、弁護士に相談しながら進めていきましょう。
離婚の慰謝料を最短で請求する方法
相手が不貞行為(不倫)や暴力を認めていて、離婚や慰謝料の支払いにも素直に応じるという場合は直接交渉するのが一番早い方法です。
ただ、多くのケースではそんなことはないので、その場合は内容証明を送付し、話し合いまたは調停に持ち込むのがベストです。
裁判は上記のようなメリットがある反面、デメリットもあるため最終手段にした方がいいでしょう。
離婚の慰謝料請求の最適なタイミングは?
離婚の慰謝料請求はいつ行うのがベストなのでしょうか。
離婚の前後は引越し、各種手続きなどがあり、子どもがいると学校問題なども発生します。そのため、慰謝料請求が後回しになることもあります。
しかし、離婚が成立してしまうと相手との距離ができてしまい、相手が交渉に応じないことがあります。中には相手が引越したり、携帯電話の番号を変えたりして連絡が取れなくなることもあるので注意が必要です。
こういった観点から、慰謝料請求は離婚が成立する前に請求するのがベストです。
離婚慰謝料を少しでも早く取る交渉術
ややテクニック的なことになりますが、少しでも早く獲得できる方法をご紹介します。
高めの金額からスタートして交渉する
慰謝料を世間の相場より高めに設定し請求します。相手が難色を示したら少しずつ下げていくと相手は応じやすくなります。
もともとの高い請求額で支払ってもらえればラッキーと考え、減額してもこちらが満足できる金額で合意するように持っていくのがおススメの方法です。
分割払を提案する
慰謝料は一括での支払いが基本ですが、「分割でもいいよ」という態度を見せると相手は応じやすくなります。
ただし、分割払いの場合は途中で支払いが途絶える可能性があるので、途絶えたら財産を差し押さえる(強制執行する)、残額を一括支払いするなどの取り決めをして公正証書を作成しておくことが重要です。
交渉は弁護士に任せる方がスムーズ
上記のような交渉やテクニックは難易度が高いので、こじれるとさらに時間がかかってしまいます。
最初から弁護士に任せる方が、スムーズな解決につながります。
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離婚慰謝料の取り方まとめ
離婚慰謝料はどんなケースでも請求できるというわけではありません。法定離婚事由の場合に請求が可能です。また、請求するには証拠が必要です。
離婚慰謝料の請求方法には「直接(会う、電話、メールやLINEなど)請求する」「内容証明を送付して請求する」「裁判を起こす」の方法があります。
相手が素直に自分の非を認めて慰謝料の支払いに応じる場合は直接請求するのがもっとも早くなりますがそういったケースは少ないため、内容証明を送付して請求します。
それでも話し合いがまとまらない場合は裁判で結論を出してもらいましょう。
内容証明や裁判は専門用語が多く出てきます。また、少しでも有利に進めるためにも、最初から弁護士に依頼するのがおススメです。
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